500年前のスペイン国王の暗号文が遂に解読される! 複雑なアルゴリズムを駆使、衝撃の内容とは?

2022年12月8日(木)11時0分 tocana


 16世紀のスペイン国王が書いた暗号化された手紙が研究チームによって解読され、話題になっている。


 1547年2月、当時のスペイン国王であったカール5世は、フランス大使に手紙を送った。しかしこの手紙には3つの段落からなる読みやすい文章と、独特の文字や記号で構成された部分があった。この部分が王とその側近だけが理解できる暗号になっており、誰にも読み解くことができなかったのだ。


 この貴重な手紙はフランスのナンシーにあるスタニスラス図書館に保管されていたが、2年前に手紙の内容と関連づけられた興味深いメモが発見、暗号の意味を探ろうとする研究者たちがチームを組んで解読に挑んだ。そして3人の暗号学者と1人の歴史学者からなる研究チームは、11月末に記者会見を開き、その研究成果を発表した。


 研究チームは暗号の解読が困難であったこと、暗号が文字単位ではなく単語単位であったこと、暗号の中に王のメッセージを読み解くためのマークが散りばめられていたことを解説。複雑なコンピューター・アルゴリズムと、同じ時代の大使が以前に解読した手紙を参考に、6カ月にわたる苦心の末に暗号だらけの手紙を完全に解読することに成功したのである。


 ちなみに気になる暗号文の内容についてだが、表に出せない機密事項や卑猥な文面などではなく、手紙を書いた当時のカール5世の心境を垣間見ることができるものだったという。具体的には、フランスやイギリスと自国の関係について考えをめぐらせ、結局実現しなかった暗殺計画の噂に頭を悩ませるものだったそう。思った以上に人間的な内容であったのだ。国家の重責を一手に背負う存在である国王という立場だけに、誰にも読むことができない暗号文でしか心境を吐露できなかったということだったのかもしれない。


 しかし5世紀もの間、誰も読むことができなかった手紙の解読に成功したということは、歴史的にみても非常に珍しく、重要なことであると専門家は評価している。


参考:「Coast to Coast AM」ほか


【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】



tocana

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