2児のパパ、古坂大魔王さん「家事・育児を妻に任せっきりなのは、仕事をサボって同僚にやらせているようなもの」
2021年12月13日(月)16時23分 マイナビ子育て
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
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今回のお悩み
古坂さんの回答
家の仕事は夫婦2人で担当すべき
ちょっと待ってください! 「妻への配慮や協力をすべき」って書かれているということは、子育てや家事をパートナーだけの仕事だと思っていないでしょうか。会社などでの「外の仕事」もありますが、「家の仕事」もあります。家での仕事である子育てや家事は、夫婦二人が担当すべきだと僕は思います。
もしもパートナーが専業主婦(主夫)で家事を多く負担してくれたとしても、もう一方がまったく家事をしなくていいということはあり得ないと思います。相手が「すべてやるからいいよ」と心から言ってくれない限り、一緒に担わないといけないと思います。まして共働きなら、なおさらです。そして子育ては、子どものためにも両親でしたほうがいいと思います。
たとえば、テッリテデンさんが会社で、サボっている同僚の分まで仕事をしたとします。その同僚が「忙しいし、疲れていたから手伝えなくて」と言ったら、どう思うでしょうか。たぶん、びっくりすると同時に、腹を立てるかもしれません。それは、その同僚がサボった仕事を自分のものだとは思っていなくて、テッリテデンさんが仕事を好意で手伝ってくれている、という認識だからではないでしょうか。
それと同じで、家の仕事をしていないということは、自分の仕事をサボって同僚であるパートナーにやらせているようなものです。家事や子育てを手伝っていないから「プラスマイナスゼロ」ではなく、家事や子育てという自分の仕事をしていないので「マイナス」の状態になると思います。
仕事だけで疲れるのはわかるけど
もちろん、仕事だけで疲れるのはよ〜くわかります。僕も数ヶ月前から仕事が1日に何件も入っていて、地方にも行き、やりがいを感じる一方でとても疲れました。仕事がたくさんあってありがたい、でもしんどい、という状況は男女かかわらずよくあることだと思います。
しかもその間に、子どもが次々といろんな感染症にかかりました。手足口病になり、中耳炎になり、結膜炎になり……、何週間もずっと病気のまま。子どもが病気の時はすごく大変です。心配なのはもちろん、とても手がかかるからです。「子どもがつらそうでかわいそうだから」だけでなく「子どもの看病が大変すぎるから」、むしろ自分が病気になりたいとさえ思いました。
さらに子どもが感染症になると、保育園にも誰にも預けられません。僕も外では必死で仕事して、なるべく早く帰宅して看病して寝かしつけ、週末も看病。自分の時間なんてなく、本当に疲れ果てて、夫婦ともに無言になったこともありました。だけど、子どもたちのお父さんは僕のほかにいません。世話をしないという選択肢はないんです。お母さんである妻と同じです。
だから大切なのは、仕事のスケジューリングと調整だと思います。仕事を入れすぎない、リモートの日を作る、より効率化していく、隙間時間に勉強してスキルアップする、土日祝日は休むなどすれば、家の仕事もできます。それも難しければ、家事を外注して、子育ては自分でがんばるという手もあるのではないでしょうか。
本当は社会全体として、男女を問わず、ここまで苦労しなくても家事や子育てのための時間を取れるようにすべきだと思います。が、今はまだ過渡期。だから、そうなるように声を上げつつ、できる範囲でがんばるしかありません。
今後のためにも体力づくりも大事
僕は、家事や子育てを「自分の仕事だ!」と思ったほうがかえってラクになりました。「ああ、本当はやらないといけないんだろうなぁ」なんて考えているとモヤモヤしてストレスになりますが、淡々とやってしまえば終わるんです。日々やれば、慣れてスピードアップもできました。夫婦2人でやれば2倍速です。
ぜひ一度、すべての家事と子育てをしてみてください。そして「ここはやりきれないから手を抜こう」と思ったぶんだけを、パートナーに頼むんです。普段パートナーに多く負担してもらっている人は、これをやると負荷や全体像が掴めるのでおすすめです。
あとは体力づくりですね。とにかく子育ては体力を使います。子どもが小学生になったら、ますます体力が必要になるかもしれません。ただでさえ年をとると疲れやすくなるし、仕事も家事もあるのに、その上、子どもを育てるんだから体力はあったほうがいい。でも、運動する時間も体力もなかなか作れないんですよね。僕もそうです。
だから最近は毎日朝イチで、友だちに教えてもらったスクワットを30〜50回しています。
①足を肩幅程度に開いて立つ②しゃがんで両手を床につく③立ち上がって両手をバンザイの形に上げて伸びをする
を繰り返すだけ。すごくスッキリ目覚められて、疲れも軽減しました。騙されたと思って、ぜひやってみてください。
これは、もしかしたら「人生をより豊かにするチャンス」かもしれません。ぜひ、いろいろな工夫をしてみてください。応援しています!
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-“PIKO ST KIDS”』Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)
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