冬の吉野ケ里遺跡では、自分だけの「青銅器」を作れるらしい

2020年12月25日(金)11時0分 Jタウンネット

本物の青銅の剣や鏡が実際に作れると、古代史好きのツイッターユーザーの間で話題になっている場所がある。2020年12月22日に投稿された、次のようなツイートがきっかけとなった。

写真は、佐賀県にある吉野ヶ里歴史公園で開催されたイベントで、青銅器を作る過程を撮影したものらしい。ドロドロに溶けた青銅を型に流し込んでいる様子や、出来上がった青銅の剣や鏡が撮影されている。

投稿者の左近大夫☆浜次郎(@sakone_shogen)さんのツイートには、3万5000件の「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(12月23日夕現在)。

ツイッターには、「すごい!やばい面白そうやりたい!」「魔鏡にしたい!! 青銅の鏡」などといった声が寄せられている。青銅、鏡と聞いただけで、古代好きにはそそられるものがあるようだ。

Jタウンネット記者は、投稿者の左近大夫さんと吉野ヶ里歴史公園の担当者の話を聞いた。

寒い時期にしかできない理由は...

冒頭ツイートの投稿者・左近大夫さんによると、「まだコロナが猛威を振るう前、今年の2月8日に体験に行きました」とのこと。

左近大夫さんはどんな製作体験をしたのだろう?

「銅剣(吉野ヶ里遺跡出土の有柄把頭飾銅剣の2分の1サイズ)、銅鏡(吉野ヶ里遺跡出土品のレプリカ)、勾玉(吉野ヶ里遺跡出土の勾玉の形ではあるが、本物は金属制ではないそう)を作りました。普段の体験プログラムはもっと溶けやすい金属らしいのですが、冬季の限られた期間にだけ本物の青銅を使っての鋳込み体験ができるとのことでした)」

左近大夫さんは、体験した感想をこう語った。

「真冬にもかかわらず、炉の周辺がものすごく熱い事に驚きました。そして真っ赤に熱されドロドロに溶けた銅を型に流し込むという体験は、滅多にできない貴重な体験だったと思います。銅が徐々に固まっていく様を見るのも非常に興味深かったです」

この青銅器の鋳込み体験は、10数年前から続けられている人気イベントだ。来年、2021年は、2月6日〜14日の土日祝日に開催される予定(1月は青銅ではなく、低温で溶ける合金をつかった鋳込み体験が開催予定)。各日10人ずつしか体験できず、体験の時間は3時間ほど。

左近大夫さんが体験した時は、そのうち1時間強が鋳込みで、残りの時間は作った青銅器を磨くのに使ったという。

「それでもまだピカピカにならなかったので、家に帰った後も必死に磨きました。写真の銅鏡みたいに磨きあげるのには数日かかりましたね」

本物の青銅を使っての鋳込み体験が期間限定なのは、この「3時間」という体験時間が理由らしい。

吉野ヶ里歴史公園の担当者によると、

「青銅を鋳込むには1100度以上に熱する必要があるので、鋳込んだ後に冷ますのに時間がかかります。約3時間と決められた体験プログラムの中で、青銅器を作るには、冷めやすい冬の方が条件が良いのです」

と答えてくれた。

限られた時間内で仕上げるのははやり大変らしく「参加された皆さんはご自宅に持ち帰られて、磨かれると聞いています」とのこと。

この青銅の鋳込み体験のほか、吉野ヶ里歴史公園では、さまざまな企画が開催される予定だ。もちろん新型コロナウイルス感染対策は万全に行って、実施されるそうだ。

Jタウンネット

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