また来ちゃった!道路に何度も迷い込むアシカの救助活動が展開中

2025年1月10日(金)12時5分 カラパイア


 カナダ、バンクーバー島の幹線道路に何度も現れるカリフォルニアアシカが注目を集めている。


 この若いアシカは、海から離れたケネディ湖周辺をさまよい、道路に侵入しては座り込む、という行動を繰り返しているという。


  専門家たちはアシカが何らかの脳の病気をかかえていることを懸念しており、アシカを救助し、調査するための活動を展開中だ。


道路に迷い込み、座り続けるアシカ


 このカリフォルニアアシカは、2024年12月下旬にバンクーバー島の幹線道路4号線で初めて目撃された。


 場所はポートアルバーニとユークルレットの間で、海からケネディ川をさかのぼってケネディ湖までたどり着いたと考えられている。


 しかし、アシカが頻繁に道路上に姿を現す行動はおかしい。通常、アシカは水路を利用して移動するため、自分が来た経路を辿って海に戻れるはずだが、何度も道路上に来るということは、ずっとこの湖近辺にいるということだ。



アザラシが出没する幹線道路はケネディ湖沿いにある


アシカと人間双方に安全上の懸念


 専門家たちは、アシカのこの行動が人間とアシカの両方に危険を及ぼすリスクが高いと警鐘を鳴らしている。


「夜間に道路に現れる約136kgの暗い色の動物を想像してほしい」とカナダ漁業海洋省(DFO)のポール・コットレル氏は述べている。


 バンクーバー島の冬は霧が多く、雨天の日も多いため、視界が悪い中でのアシカと車の衝突事故が懸念されている。


 現在、バンクーバー水族館の海洋哺乳類救助チームが出動し、このアシカを安全に捕獲しようと試みている。しかし、アシカの夜行性の行動や悪天候の影響で、救助は一進一退を繰り返しており、捕獲にはいたっていない。



アシカの健康状態への懸念


 バンクーバー水族館の獣医主任、マーティン・ハウレナ博士は、このアシカが脳神経系の問題を抱えている可能性を指摘している。


通常ならアシカは道路に近づくことはありません。ましてや真ん中に座り込むなど考えられません。迷子になっているか、もしくは何らかの健康問題を抱えているかもしれません(マーティン・ハウレナ博士)


 また、アシカは本来、塩水の海で生活する動物であるにもかかわらず、淡水のケネディ湖に留まっていることも問題だ。


 湖内には食糧が十分にないと考えられ、時間が経つにつれて体調が悪化している兆候が見られるという。



 2025年1月初旬には救助チームが現地で捕獲作戦を行ったが、アシカの行動が予測困難であるため、まだ成功していない。


 捕獲に成功すれば、アシカは救助施設で診断と治療を受ける予定だ。仮に捕獲が難しい場合、より安全な場所への移送も検討されている。


 ハウレナ博士は、「人間の安全と動物の安全を第一に考え、最善の対応をする」と述べている。


カラパイア

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