寝室に赤色はNG!? 春の不眠対策に知っておきたい快眠空間のつくり方

2023年3月13日(月)5時0分 ウェザーニュース

2023/03/13 05:02 ウェザーニュース

「春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず」と言われるように朝起きるのはつらく、昼間も眠気が襲ってきます。しかし「春の眠気は、夜にぐっすり眠れていないから」と指摘するのは、睡眠コンサルタントの友野なお先生です。
友野先生に、不眠の原因となる寝室の「視覚の罠」について教えていただきました。

春に眠たくなる理由

ウェザーニューズが2021年春、「昼間に眠くなりますか?」というアンケート調査を行ったところ、「よく眠くなる」が48%、「たまに眠くなる」が42%という結果になりました。なんと9割の人が睡眠不足を感じていたのです。
その理由を友野先生はこう解説します。
「私たちの自律神経は、寒ければ血管を収縮させて体温を保ち、暑ければ汗をかいて体温を下げてくれます。しかし春は寒暖差が大きいので、自律神経のバランスが失われやすいのです。
花粉もまた、安眠を妨げます。鼻が詰まって口呼吸になるので口内が渇き、睡眠中に健康な呼吸ができません。薬の助けを借りて眠ろうとすると、睡眠と覚醒のリズムを崩してしまうこともあります」(友野先生)
朝が起きづらく昼が眠くなる春は、夜にぐっすり眠っておかなければなりません。

快眠には五感、特に視覚情報が大切

夜ぐっすり眠るためには、どうすればいいのでしょうか。
「良質な睡眠のために私が提唱しているのは、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、温熱感覚の睡眠五感です。通常五感といえば味覚が含まれますが、睡眠五感では味覚を除いて温熱感覚を加えています。この睡眠五感を意識した快眠空間をつくれば、朝までぐっすり眠れるようになるでしょう。
睡眠五感とは、視覚は寝室の光や色を眠りやすいものにすること、嗅覚は自分の好きな香りを取り入れること、聴覚は睡眠中図書館並みの静けさを保つこと、触覚は寝具の肌触りにこだわること、温熱感覚は寝室の温度と湿度をコントロールすることです。
これら5つの感覚を整えると、ぐっすり眠れる快眠空間ができあがります。特に、人が情報を得るうえで87%を占めるとされている視覚はとても重要です。光と色は快眠を左右する大切なポイントで、寝室の装飾色も、睡眠に大きな影響を与えているのです」(友野先生)

最も眠りやすい寝室の色とは

では、どのような色の寝室にすれば、ぐっすり眠れるのでしょうか。
「イギリスで行われた寝室の装飾色と睡眠時間に関する研究調査によると、最も睡眠時間が長かったのは「青色」でした。続いて「黄色(クリーム色)」「緑色」となりました」(友野先生)
どうして色によって違いが出るのでしょうか。
「私たちは視覚から色の情報を受け取ると、その色によって筋肉が緊張したり、ゆるんだりするからです。赤色などのビビッドな色合いが強い部屋に入れば、脈拍・呼吸数・血圧が上昇し、青色などのやさしい色合いの部屋に入ると、脈拍・呼吸数・血圧が落ち着くとされています。青は鎮静効果を高め、赤は緊張感を高めるのです。
人によって馴染みの色や好みの傾向も変わると思いますが、一般的に赤より青のほうが落ち着くと言えそうです」(友野先生)

快適な睡眠空間のつくり方

こうした色合いも含めて、視覚を中心に快眠空間を考えると、次のことを意識すると良いそうです。

(1)睡眠中の部屋は真っ暗が望ましい

「真っ暗だと落ち着かない人、暗闇が怖いという人は、無理に真っ暗にする必要はありません。小さめの間接照明を使って、光源が目に入らない低い位置を照らしておくと心が落ち着きます。夜間目が覚めてトイレへ行くときも、転倒防止になるのでお勧めです」(友野先生)

(2)朝方に太陽光が入るような工夫する

「遮光カーテンの一部を開けて眠るなど、朝の太陽の光を取り込む工夫をしてください。これは目覚めによいだけでなく、その日の夜の入眠準備にもなります。人は、朝の光を浴びてから15時間後に眠くなるようにできています。起きたらすぐに太陽の光を浴びる習慣をつければ、不眠と縁遠い体質になるのです」(友野先生)

(3)寝具にコントラストが強めの色彩はNG

「赤色などのビビッドな色合いは緊張感を高めるので避けましょう。青色系またはパステルカラーがお勧めです。カーテン、掛け布団、カーペット、パジャマなど目に入りやすいアイテムの色をやさしい色合いで統一すると、寝室が快眠空間になります」(友野先生)
「春は眠くてたまらない」という人は、これらのアドバイスを参考に、寝室を快眠空間に変えてみましょう。朝の目覚めがよくなれば、仕事のパフォーマンス向上にもつながりそうです。

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