【精神科医が警告する】新生活で起こる「プチうつ」から抜け出す方法

2024年4月5日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【精神科医が警告する】新生活で起こる「プチうつ」から抜け出す方法

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「新生活で起こる『プチうつ』から抜け出す方法を教えましょう」そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

Photo: Adobe Stock

「プチうつ」から抜け出すには?

 新生活が始まりました。 春の陽気とともに新しい生活がはじまった人も多いでしょう。

 そんな新しい生活が始まると「理由のわからない疲労感」に襲われることがあります。 新年度が始まったことによる疲労や環境の急な変化に合わせて軽いストレスが溜まっているからかもしれません。

 よくわからない疲労感や、軽いストレスでモヤモヤする気持ちをここでは、「プチうつ」と考えてみましょう。

 そんな「プチうつ」は最初は気にならない程度の負担ですが、少し気が抜けて、落ち着いてきたころに一気にドーンとやってきます。「プチうつ」を放置したまま自分のなかで溜め込むと、ある日とつぜんポッキリと心が折れてしまうこともあります。

 そんな「プチうつ」から早めに脱するためには、日常で自分にかかる負荷をあらかじめ軽減する予防法を取り入れることが重要になってきます。 そんな予防法について、3つに分けて紹介します。

①生活の「基礎」を見直す

 人は、よく寝て、しっかりバランス良い食事を取ることが大切になります。 最近の研究でも、脂っこいものや不健康なものよりも、「新鮮な野菜や豆類を摂っている人」のほうがイライラしたりうつっぽくなることが少ないことがわかっています。 また、いい睡眠は、翌日に穏やかに過ごすために大切な要素です。 新生活が始まると慌ただしい日々についていくだけで精一杯で、食事と睡眠などの穏やかな生活の「基礎」が疎かになって「プチうつ」になりがちです。

 変化が多い時期だからこそ、生活リズムを崩さないで、食事と睡眠はしっかりとって、休日は積極的に遊ぶ時間を取るようにしてください。

②「視野」を広く持つ

 人は落ち込むと「視野」が狭まってしまいます。

 新しい生活が始まる時期には変化も多いので、叱られたり、否定されたりすることが多くなりますが、そんな小さなモヤッとした「プチうつ」が続くことで、「仕事の問題」であったはずが、いつしか自分の人生や「自分自身が否定されたような感覚」に陥ってしまいます。 ですが、仕事やあなたが悩んでいる人間関係の問題も、あなたの人生の一部分でしかありません。

 あなたのいま起こっている問題も、新生活による変化のせいで、時間が経つと状況がよくなることもあるでしょう。 ですが視野が狭まると、日常生活に閉塞感を感じて「プチうつ」は悪化してしまうでしょう。

 そのため視野を広く持つことで、日常で起こる感情の変化も抑えられるようになります。 長期的な視野や新しい価値観に出会えるように、本を読んだり、さまざまな体験を通じて視野を広げることを意識してください

③生活のなかに「非日常」を持つ

 趣味や運動、旅行など、人は日常とは異なる「非日常」を感じているときにストレスが緩和されます。 とくに新しい変化がある時期だからこそ、日常のことばかりを考えて楽しいことややりたいことは考える余裕がなくなります

 休日は疲れを癒すため、ずっとスマホで動画ばかり見て自分で自分にイヤになってしまう。 そんな問題を解消させるためにも、生活が少し落ち着いてきて、日常に飽きてモヤモヤする「プチうつ」状態になったなら、日常から飛び出すために「非日常」に浸れる時間、旅行や映画、小説や音楽、ゲームなど、積極的に取り入れるようにしてください。 ただし、寝不足にはご注意をしましょう。

 以上のような3つの方法で「プチうつ」状態を予防してください。

 こんな不安定な状態は日々の積み重ねと、頭のなかの閉塞感によって生じてしまいます。 それを予防して、解消するためにも、3つの習慣は意識して取り込むようにすると、日々の負担もぜんぜん違うものになるでしょう

 モヤモヤを溜め込まず、小出しできるような取り組みを大切にしてください。

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)

精神科医いっちー本名:一林大基(いちばやし・たいき)世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10〜20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。

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