【プロが警告】新NISAで絶対手を出してはいけない「ヤバいファンド」の見抜き方・ベスト2

2024年4月12日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【プロが警告】新NISAで絶対手を出してはいけない「ヤバいファンド」の見抜き方・ベスト2

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「銀行に預けっぱなし」ではお金が増えない時代になって久しい。この1〜2年でインフレも急激に進行したため、いまの自分の生活を守り、将来の不安を解消するための手段として「投資・資産形成」の重要性がますます高まっている。そんな中、今年1月から新しいNISA制度がスタートし、さっそく口座開設ペースが増加するなどブームを巻き起こしている。そこで今回は、「お金に困らない人生」を手に入れるための正しい投資法をアドバイスする『新NISAはこの9本から選びなさい』の著者・中野晴啓氏に、新NISAのポイントやメリットについて伺った。(聞き手は、『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者・安達裕哉氏)

Photo:Adobe Stock

絶対手を出してはいけない「ヤバいファンド」の見抜き方

安達裕哉(以下、安達) 長期投資で成功するためには、どんなふうに投資信託を選べばいいでしょうか?

中野晴啓(以下、中野) 誰でも簡単にできる「失敗しない選び方」のポイントを2つご紹介します。

 1つは、期限つきのものを選んではいけないということです。実は、投資期間が10年とか、わずか5年の投資信託が結構あります。

 そういった商品は、「お客さん、短期で一発儲けましょう」というコンセプトではじめから設計されていることが多く、投資を続けているうちに満期を迎えるので、そもそも長期投資には向いていません

 なので、「無期限」で運用されるファンドを選んでください。

安達 期限つきかどうかは、購入サイトで見られたり、窓口で説明されたりするんでしょうか?

中野 購入サイトには必ず書いてありますし、対面の窓口なら直接聞けばすぐわかるので、必ずチェックしましょう。

 もう1つのポイントは、「分配金」が高頻度で出るファンドもNGだということです。長期投資の最大のメリットは「複利効果」なので、途中で分配金をたくさん受け取ってしまうと、その効果が薄れてしまうからです。

 そのため、「毎月分配」を謳うファンドもありますが、長期的に資産形成をしたい人にとっては論外です。こうしたファンドは運用益が出ていなくても、元本を取り崩して分配金を支払いますから、複利効果は期待できません。

 また、受け取った分配金をもう一度投資に回す人は、ほとんどいないですよね。たいてい、食事や買い物など単発の消費に使って終わりだと思います。

 なので、分配が最も少ない「年1回」のものを選びましょう。実際、「分配は年1回」と記載しているファンドは、「長期でお金を育てていこう」という意識があるところが多いです。

【新NISA制度のしくみはこちら】

『新NISAはこの9本から選びなさい』P.77より

日経平均の上昇と新NISAスタートは関係ある?

安達 今年に入って、日経平均が史上最高値を更新して4万円まで到達しました。株式市場の好況と新NISAのスタートには、何か関連があるんでしょうか?

中野 株価上昇の最大の要因は「円安」です。輸出系の会社を中心に、円安による収益増の効果は多大なので、その影響が波及しています。

 新NISAとの関連が取りざたされることもありますが、実はNISAで投資されるお金の約75%は「海外」に流れていて、それほど多くのお金が日本の株式市場に入っているわけではないんです。

安達 なるほど。その「円安」ですが、ここ1〜2年で急速に進行した背景は何でしょうか?

中野 これは、ドルやユーロとの「金利差」が原因です。日本だけ低金利の状態が長く続き、この10年もの間、国債の長期金利は1%未満でした。一方で、アメリカの長期金利は5%にまで到達した時期もありました。

 金利差がこれだけ大きいと、誰しも日本円より米ドルを持ちたくなるので、円安傾向が強まったわけです。

安達 円安によって日本企業の業績が高まるのは喜ばしいことですが、輸入品などの物価上昇が、国民の暮らしにダメージを与えているのも事実です。なぜ、こんなに「金利差」が開いてしまったんでしょうか。

中野 これまでは「金利を上げたくても上げられない状況」だったというのが実態だと思います。

 というのも、「金利がない世界」という、ゆるい経営環境に安住してきた会社がとても多く、特に中小企業には「ゼロゼロ融資」が連発されてきました。

 こうした会社は、金利が上昇すると一気に資金繰りが苦しくなることが予想されるので、政府は意図的に超低金利を維持して、「倒産ドミノ」が起きないように取り計らってきたんです。

 ただ、一定の「淘汰・再編」は、資本主義に必要なサイクルです。脆弱な体質の企業を不健全な形で存続させるのは、かえって日本経済を弱くしてしまいますからね。

安達 そういう意味では、淘汰されるべき企業の「延命」のために、円安の弊害が「消費者に押しつけられている」構図にも見えます。

中野 実際その通りだと思います。しかも、日本の長期金利はずっと0%台なのに、インフレ率は2%超で定着しつつある。これは、インフレ下で本来もらえるはずの預金金利を、国民が享受できていないことを意味しています。

安達 そういったお話を聞いていると、若い人たちが「日本はもうダメだ」と思ってしまうのも仕方ない気がします。

中野 そうですね。若者たちの投資先が海外に向いてしまうのも、ある種の必然です。

 ただ、この状況で投資マネーが海外に流れ続けると、さらに日本経済が疲弊してしまいます。なので、新NISA制度を通じて、お金の流れを日本国内へと向けていくことも非常に重要なんです。

(本稿は、『新NISAはこの9本から選びなさい』の著者・中野晴啓氏へのインタビューをもとに構成しました)

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