「中国人を冷笑する差別意識が底流に」? BPO審議入り「月曜から夜ふかし」めぐり委員指摘
2025年5月14日(水)12時57分 J-CASTニュース
放送倫理・番組向上機構(BPO)は、放送倫理上の問題がなかったか審議しているバラエティー番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ)について、その途中経過を公式サイトで報告した。
「もう少し国際感覚を磨くべきではないか」という意見も
2025年3月24日放送の「月曜から夜ふかし」では、街頭インタビューに応じた中国出身の女性が「中国ではカラスを食べる」という趣旨の発言をしたかのように放送した。だが実際には、そのような発言は一切なかった。制作スタッフが意図的に編集したとして、日本テレビは謝罪している。
BPOの放送倫理検証委員会は4月14日、「問題となっているインタビューは、女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑い」があるとして、同番組が審議入りしたことを発表した。
5月9日に開催された第206回放送倫理検証委員会では、日テレ関係者にヒアリングした結果を報告。その後、「月曜から夜ふかし」を審議した時の内容をBPO公式サイト上で公開した。
委員会の委員からは、番組の制作経緯に対する辛辣な意見が出た。次のような内容だ。
「カラスの肉を中国では食べるという事をなぜ面白いと思うのか。そこには中国人を冷笑する差別意識が底流にあったのではないか」
「今の中国の体制下では、テレビに出て少しでも批判的なことを言うと、身に危険が及んだり家族に累が及んだりするという恐怖心を抱いている人が多い。その点についての意識が低いように感じる。バラエティー番組とはいえ、もう少し国際感覚を磨くべきではないか」
委員会は、引き続き日テレへのヒアリングを続けるとしている。