二十四節気「芒種」 種まきや田植えなど、始まりの季節

2020年6月5日(金)10時30分 ウェザーニュース


2020/06/05 10:10 ウェザーニュース

6月に入り、暑い日が続いています。また、九州南部や四国でも梅雨入りし、季節の歩みを感じられますね。
6月5日からは二十四節気「芒種(ぼうしゅ)」、七十二候「蟷螂生(かまきりしょうず)」。カマキリはともかく、芒種って一体なんなのでしょう。
そこで今回は、字だけではなかなか想像できない「芒種」についてご紹介します。

芒種はどんな季節?

2017年撮影 兵庫県

芒種の芒は「のぎ」とも読みます。芒は、イネ科の植物の殻の先端部分にある細長い突起のこと。
そこから、芒のある穀物の種をまく時期と言われています。稲の場合は種をまくというより、苗を植える形になるので、田植えの時期とも言えますね。
ちなみに、芒があることによって、動物に食べられてしまうことを防いだり、動物の毛に絡まることで、種子を遠くに運んでもらうことができるそうです。

農家の救世主

2017年撮影 埼玉県

今回の七十二候は蟷螂生(かまきりしょうず)。カマキリがたまごから生まれる時期です。
「大きい目とか気持ち悪いし、なんか好きじゃない…」
まあ、否定はしません。が、しかし!カマキリって意外にいい面も持っているんです。
カマキリはなんと肉食。そのため葉っぱや農作物はカマキリの範疇外。むしろ、その農作物をムシャムシャ食べようとやってきた害虫たちをロックオン!!
つまり、カマキリがいれば、害虫を積極的に食べてくれるうえに、農作物は無傷なわけですから、農家の方たちにとっては、まさに救世主。農薬を使わない、安全で美味しい農作物を食べられる背景には、カマキリの存在があったんですね。

稽古はじめ

能や歌舞伎、狂言などの伝統芸能は6歳の6月6日に始めると上手になると言われています。
そのため、6月6日は楽器の日、生花の日などが制定されています。
なぜこの日に初稽古を行うと良いのか、そこには諸説あります。
指を使って親指から順に数字を数えていくと、6の時に小指が立ちますよね。そこから「子が立つ」ということで、縁起が良いとされています。
また、室町時代に能を大成したことで有名な世阿弥(ぜあみ)は「風姿花伝」という著書を残しています。
その中で、能は数えで7歳(つまり6歳)から始めると書かれており、そこに由来したとも言われています。

様々なことが始まる時期

2017年撮影 千葉県

稲作活動が本格的に始まったり、虫たちが地上に姿を現し始めたり、芸事の初稽古が行われたり、芒種は様々なことが始まる時期といえます。
1年もそろそろ半分を迎えようとしていますので「あ、今年もやりたいことできなかったな…」と後悔しないためにも、ぜひこの時期に何か始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料など

【参照・参考元】
暦生活「芒種」https://www.543life.com/season-bousyu.html
日本自然保護協会「カマキリってどんな生き物?」https://www.nacsj.or.jp/project/ss2008/kamakiri_01.html
一般社団法人 全国楽器協会「Q. どうして「楽器の日」は6月6日なの?」https://www.zengakkyo.com/thegakkiday/
風姿花伝 現代語訳「第一 年来稽古条々」www.geocities.jp/yassakasyota/koten/huusiy.pdf
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)、、


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