雨の日は重くて大変だった… 昔のサッカーボール、ユニフォーム

2018年7月8日(日)13時0分 ウェザーニュース


2018/07/08 11:20 ウェザーニュース

サッカーは天候の影響を受けやすいスポーツです。ボールやユニフォームが今ほど進化していない昔は、選手たちの苦労も相当なものでした。

雨の日のヘディングは超危険!

昔のサッカーボールは、ブタやヒツジのぼうこうに空気を入れてふくらませたものでした。しかし、それではすぐにやぶれてしまいます。そのためこれを、牛革などの天然皮革でおおって保護するようになりました。
19世紀には、ゴムのチューブを内部に入れたボールが登場。これにより耐久性はアップしましたが、依然として外側は天然皮革のため、「重い」という課題が残っていました。雨が降って水分を含もうものなら、もう大変。重さがさらにアップし、ヘディングには大ケガの危険がともないました。
20世紀に入ると防水技術も進歩しましたが、まだまだ雨の日の試合では、どうしても球が重くなりがち。それが飛躍的に改善したのは、天然皮革に代わり、人工皮革のサッカーボールが登場してからです。
このボールが主流になったのは約30年前。ワールドカップでは、1986年のメキシコ大会で使用された公式球「アステカ」が最初でした。

昔のユニフォームはウール製

サッカーボール同様、ユニフォームの素材も、今と昔では大きく異なります。19世紀後半は、ウール(羊毛)が主流でした。
この素材の欠点は、とにかく暑いこと。また、雨が降れば水を吸って重くなり、プレーに大きな支障が出ました。
その後、20世紀に入り、木綿のユニフォームが登場。現在では、涼しくて軽い合成繊維が素材として使われています。
ここでワールドカップのユニフォームに関するエピソードを紹介しましょう。1954年のスイス大会のことです。
ウルグアイ戦に臨んだスコットランド代表のユニフォームは、なんとウール製の長袖。案の定、30度超の気温に対応できず、0-7で大敗しました。選手のひとりは試合後、こう吐き捨てたそうです。
「考えてみてくれよ。おれたちは南極を探検するような格好でプレーしたんだぜ」
今、私たちが選手の素晴らしいプレーを堪能できるのは、ボールやユニフォームの進化があってこそなんですね。

参考資料など

『ビジュアル博物館 サッカー』(角川書店、著:ヒュー・ホーンビー)、『ワールドカップをたたかうボール』(ポプラ社、著:岩崎龍一)、『サッカーワールドカップ栄光の歴史』(心交社、著:ウィリアム ウォーカー)


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