水出しは成分が壊れにくい!? 常備したい“水出し茶”の安全な作り方

2023年7月31日(月)5時10分 ウェザーニュース

2023/07/31 05:01 ウェザーニュース

暑い日が続くと、緑茶は冷たい水出し茶で飲みたくなります。水出し茶の作り方は、さまざま紹介されていますが、沸かしていないので安全面が心配です。
そこで、長崎県で日本茶の製造販売を手掛ける(有)まるせい酒井製茶さんに、安全でおいしい水出し茶の作り方を伺いました。

水出し茶を作るときの注意点

お茶を作るときに必要なのは水と茶葉ですが、安全な水出し茶を作るには、どこに気をつければいいのでしょうか。
「まず水ですが、日本の水道水はカルキが入っています。よりおいしい水出し茶を作るには、いったん沸騰させるか浄水器を通すといいでしょう。
その場合、菌が増殖しやすくなるので、多く作りすぎるのは避けて早目に飲み切ってください。
一方の茶葉ですが、煮出したお茶は殺菌成分が抜け出るため、内包するタンパク質が腐ることがわかっています。水出しは煮出したお茶より殺菌成分は抜けませんが、雑菌の繁殖を防ぐために茶葉の浸出は冷蔵庫内で行ってください」(まるせい酒井製茶)
浸出したら、腐敗を避けるために茶葉を取り除いた方がいいのでしょうか?
「1日で飲み切る程度であれば、特に気にする必要はありません。どうしても気になる方は、浸出が終わったら茶こしなどで取り除いてもいいでしょう」(まるせい酒井製茶)

ティーボトルにも気をつけたいことが

ティーボトルは、水洗いして洗いカゴに置いたものを、また使ってもいいのでしょうか?
「殺菌消毒と水洗いだけのティーボトルで、カルキの入っていない水の菌の増殖について調べた調査があります。
きちんと消毒したものは数ヵ月放置しても菌類はゼロでした。初めから菌類がいなければ、繁殖しようがないということでしょう。一方、水洗いだけのものは、数日後から一気に菌が増殖していました。
毎回消毒液に浸けるほど敏感になる必要はありませんが、ササッと洗って済ませるのではなく、きちんと汚れを落とし、乾燥させたボトルを使った方がいいでしょう。そういう意味で、ティーボトルは2本以上用意することをお勧めします」(まるせい酒井製茶)

おいしく安全な水出し茶の作り方

おいしくて安全な水出し茶は次のような作り方になります。
(1)水道水を沸騰させてカルキを抜き、常温に冷ます。冷蔵庫で冷やす場合は、あら熱をとってから冷蔵庫に入れる
(2)ティーボトルに茶葉を入れる。容量750mlで茶葉8〜12gが目安
(3)2に1を入れ、冷蔵庫で5時間以上置けば完成。寝る前に作っておくと時間の節約になる
また、手早く冷たいお茶が飲みたければ、抽出時間短縮のためにお湯で作る方法もあります。
【お湯で作る方法】
(1)ティーボトル(容量750ml)に茶葉8〜12gをお好みで入れる
(2)茶葉がひたひたに浸かるくらいの熱湯を注ぎ、大量の氷を投入する
(3)水を容器いっぱいに注ぎ、容器を回して茶葉を泳がせたら完成
「容器の容量タイプには色々とありますので、その際は【容器の容量に対して÷100=茶葉】を目安に作ってください。例えば1000mlの容器の場合は、【1000÷100=10】なので、茶葉は約10gです。好みによって、これに+4gまで増やして10〜14gが目安となります。茶葉の量が増えるとお茶の風味も感じやすくなります」(まるせい酒井製茶)

水出し茶のメリット

煮出したお茶に比べて、水出し茶にはどんなメリットがあるのでしょうか。
「水出しすると、お湯で淹(い)れた場合より渋みが出にくいため、旨味成分が際立ちます。お茶の渋さが苦手な方にお勧めします。
水出しの場合、免疫力を高めるエピガロカテキン(EGC)が抽出しやすく、美肌効果のあるビタミンCも壊れずに摂取できます」(まるせい酒井製茶)
安全に作ることさえできれば、水出し茶にはおいしさ以外にもメリットがあるのですね。今夏はこの作り方で、水出し茶を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。

参考資料など

取材協力/まるせい酒井製茶

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