台風7号　近畿や中国地方で大雨続く　土砂災害や河川増水に警戒

2023/08/15 16:03 ウェザーニュース

台風7号（ラン）は今日15日(火)の早朝に和歌山県潮岬付近に上陸、昼過ぎに兵庫県明石市付近に再上陸し、16時の推定では兵庫県豊岡市の南を北北西に進んでいるとみられます。風速25m/s以上の暴風域はなくなりました。
雨や風の中心は日本海側に移っており、15時30分までの1時間には鳥取県鳥取市・鹿野で57.5mmの非常に激しい雨、岡山県真庭市・上長田で32.0mmの激しい雨、京都府福知山市・坂浦で28.0mmの強い雨を観測。瞬間風速は局地的に20m/s以上を観測しました。
台風が過ぎつつある大阪湾沿岸でも吹き返しの風が強まっており、まだ油断はできません。
▼台風7号　8月15日(火)16時推定
　中心位置　　　豊岡市の南約50km
　大きさ階級　　／／
　強さ階級　　　／／
　移動　　　　　北北西　15 km/h
　中心気圧　　　985 hPa
　最大風速　　　25 m/s

鳥取県や兵庫県北部は土砂災害の危険度が非常に高い

土砂災害危険度

15時30分までの48時間雨量は最も多い三重県大台町・宮川で641.5mmを観測。山陰から近畿北部でも雨量が増えていて、鳥取県鳥取市・佐治で411.5mm、兵庫県養父市・八鹿で270.0mmに達しました。
特に鳥取県から兵庫県北部にかけての山沿いは、土砂災害の危険度が「危険」を示す紫色の領域になっています。まだ雨が降り続いており、今夜にかけて土砂災害がいつ発生してもおかしくありません。出来るだけ安全な所で過ごすようにしてください。
すでに雨がピークを越えた三重県や和歌山県でも、しばらくは急な斜面などに近づかないよう、注意が必要です。

日本海に進んだ後は陸地から離れて北上

台風は今夜までに日本海に抜け、明日16日(水)〜17日(木)にかけて北上を続ける見込みです。陸地からは比較的離れて通る可能性が高いため、北日本の広範囲で荒れた天気になることはないとみられます。
それでも東北や北海道の沿岸部では風が強まり、瞬間的には25m/s前後の強風が吹く見込みです。また、台風に向かって流れ込む湿った空気の影響で、太平洋側では一時的に雨の強まる所がありますので、注意をしてください。

日本海沿岸を中心に高波に注意

16日(水)昼の波の予想

明日16日(水)は台風が北上する日本海側を中心に波が高くなります。昼の時点では山陰から北陸の広い範囲で2m前後が予想され、一部では3m前後に達する見込みです。
午後にかけては北日本の沿岸部でも次第に波が高くなりますので、注意をしてください。
また、太平洋側も南寄りの風が強く、東海から関東、北日本にかけての広い範囲で2m前後の波が予想されています。台風が離れても海のレジャーは十分な注意が必要です。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風7号の名前「ラン（Lan）」はアメリカが提案した名称で、「嵐」を意味するマーシャル語（北西太平洋のマーシャル諸島のことば）からとられています。