コロナと猛暑で増えている!? 「マスク頭痛」はこうして防ぐ

2020年9月4日(金)5時0分 ウェザーニュース

2020/09/04 10:50 ウェザーニュース

新型コロナウイルス感染症対策に欠かせないマスクですが、熱中症のリスクを高めることなどから着用に注意が必要です。
ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで医師の佐藤純先生は、「猛暑時でのマスク使用で、気づかぬうちに頭痛を招いている人が増えている」と指摘します。

こもる熱と低酸素が頭痛を招く

「マスクは必要なものですが、弊害があるというのは周知の事実です」(佐藤先生)
確かに、マスク着用の生活のなかで、息苦しさや蒸(む)れ、圧迫感など煩わしく感じたことのない人はいないのではないでしょうか。厚生労働省でも、マスクを着用することで、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることから、熱中症対策に十分な注意を呼びかけています。
では、マスクで頭痛になるというのはどういうことなのでしょうか。
「マスク熱中症でも指摘されていることですが、マスク内にはどうしても熱がこもりがちです。人は、冷たい空気を吸って温かい空気を吐くことでも、体温調節を行なっています。ところが、これがうまくできないと脳の血管が拡張して頭痛が引き起こされるのです。
また、マスクにより一度吐いた空気を再び吸い込んでしまうのも大きな問題です。酸欠にならないまでも酸素濃度が低く、二酸化炭素の割合が高い空気を吸うことになります。やはり脳の血管が拡張し、頭痛を引き起こす原因となります」(佐藤先生)

気づかぬうちに顎を動かす機会が減っている!?

マスク着用によるちょっとした変化も、影響しているといいます。例えば、飛沫を飛ばさないよう大きな声を出さないようにしたり、おしゃべり自体が減っています。
「マスクをしていると、顎を動かす機会が減ります。特に、ぴったりした生地のマスクやサイズの小さめのものは、顎の動きが制限されます。顎周りの筋肉がリラックスされにくくなって、凝(こ)りなどから頭痛につながります。
ほかにも、長時間マスクをつけることで、ひもなどの圧迫から頭痛になる人もいます。ささいなことのようですが、頭痛もちの人は帽子やメガネ、まとめ髪なども頭痛のきっかけになることが珍しくありません」(佐藤先生)

新鮮な空気と顎の運動が予防の決め手

マスク頭痛を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。
「マスクを着用していると、特に空気を吸うときに少し苦しさを感じることが多いのではないでしょうか。それは気道が狭くなっているような状態で、呼吸が浅くなります。ですから、マスクを外せるところでは外し、深呼吸したり、新鮮な空気を吸いましょう。
また、マスクを外したときに、口を大きく開けて、顎を前後左右に動かすなど、顎の運動を心がけます。顎を中心とした筋肉をリラックスさせるのです。
基本的なことですが、マスクは自分の顔に合った形・大きさのものを選びましょう。運動するときには、薄いマスクなど運動用の呼吸がしやすいものに変えるなどTPOに合わせて使うのも大切です」(佐藤先生)
暑さが少し和らいでくるとはいえ、マスク生活はしばらく続きます。日頃から体調管理に気をつけ、マスクの使い方にも十分注意して過ごしましょう。

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