[2024自民総裁選]経済成長・国民負担軽減を訴える各候補、財源の議論は深まらず…財政規律「重視」は少数派

2024年9月19日(木)10時1分 読売新聞

 自民党総裁選で、経済成長に向けた財政出動や国民負担の軽減を訴える候補者が相次いでいる。岸田政権が決定した防衛増税の停止を掲げる候補までおり、財政規律の重要性を語るのは少数派だ。厳しい財政状況の中、財源のあり方についての議論は深まっていない。

 小林鷹之・前経済安全保障相は18日の松山市での演説会で、「物価高に対する重点パッケージを年内に打ち出す。若者の社会保険料の負担を軽減していく」と強調した。現役世代の賃金を上げ、産業の成長力を高めるという主張だが、財源についての説明はない。

 茂木幹事長も「財務省のやり方、何かやるといつも負担増(を求める政策)を続けるのか」と財政規律を重視する財務省を批判した。「増税ゼロの政策推進」を掲げ、防衛力強化のための増税と、子育て支援金の保険料の追加負担を、それぞれ1兆円分停止するという。

 茂木氏は党幹部として防衛増税などの決定に関与した経緯があり、態度を翻したと批判も出ている。財源は経済成長による税収の上振れなどで賄うとうたうが、実現性は不透明だ。

 小泉進次郎・元環境相も16日の金沢市での討論会で、「過度に単年度の基礎的財政収支(PB)にこだわり、経済成長型のモデルになってきたところに水を差してはならない」と述べた。

 政府は、国と地方を合わせたPBが目標の2025年度に黒字化できると試算する。小泉氏は物価高対策の補正予算を編成すると明言しており、目標達成が難しくなる可能性が高い。

 財政規律の重視を打ち出す河野デジタル相は16日、「選挙になると、給付します、補助金を出します、という議論が多いが、財源の議論がほとんどないまま終わる」と、他の候補者を皮肉った。国債など「国の借金」は膨らみ続け、6月末時点で1300兆円を超えた。河野氏は「徐々に金利が上がりつつある中で、日本の政府債務は非常に大きい」と指摘した。

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