茶色くプチッとした「謎の虫」とは? 空気が乾燥してくる時期は注意

2021年9月28日(火)4時59分 ウェザーニュース

2021/09/28 05:42 ウェザーニュース

空気が乾燥して気温が下がってくるとゴキブリなどの害虫の活動は減りますが、乾燥に強い虫もいます。例えば、秋に家庭で注意したいのがシバンムシです。茶色くプチッとした小さな虫ですが、意外にやっかいなのです。害虫対策のプロに、詳しく教えていただきます。

乾燥に強く秋に注意したい虫

シバンムシという名前を聞いたことがあるでしょうか。キッチンなどで見かけることのある数ミリサイズの虫です。
「パスタや穀物、粉類などの乾燥食品や畳を食害する甲虫です。赤褐色〜茶褐色の全身に、黄色っぽい毛が密生しています」(アース製薬研究部・有吉立さん)
なぜ、今の時季に気をつけたいのでしょうか。
「シバンムシの成虫の発生時期は5月〜11月ですが、乾燥に強く湿度が低くなっても発育できます。メスは一生の間に最高で110個も産卵し、幼虫で越冬します。
また、畳床(畳の芯の部分)に発生するシバンムシ幼虫には、シバンムシアリガタバチが寄生します。このハチは人を刺すので、二次被害が起こる可能性もあるのです」(有吉さん)

タバコや畳床まで100種以上をエサに!

シバンムシが家庭に発生する理由として、エサとするものが幅広いことがあります。
「小麦粉、ビスケット、コーヒー、ココア、乾燥シイタケ、乾麺、タバコ、畳床、ドライフラワーなど被害食物は100種類以上になります。つまり、これらのエサとなるもののある場所は、シバンムシが好んで発生します」(有吉さん)

対策は食品の保管方法を工夫

やっかいなのが、シバンムシの意外な“強さ”です。
「シバンムシに噛まれ、一瞬強い痛みを感じたことがある」と、同研究所の野村拓志さんは言います。「基本的に人を噛みに来る虫ではないですが、畳の上で寝ていた時に偶発的に噛んだようです。食品の包装容器を穿孔(せんこう:穴を開ける)するシバンムシの顎の強さを実感しました」(野村さん)
封をした食品でも、シバンムシは噛み破って大繁殖することがあります。
「常温で保存する食材は入れ物を噛み破られないよう、密閉性の高い缶や瓶に入れましょう。できれば、冷蔵庫で保存します」(有吉さん)

発生したら、発生源も探すこと

シバンムシが発生してしまったら、発生源となっている食品の周りを注意して確認しましょう。
「周囲の食品にもシバンムシが湧いているかもしれないので、確認が必要です」(有吉さん)
シバンムシ自体は、どうしたらよいのでしょうか。
「蚊やコバエのように、つぶすのはオススメしません。試してみたところ、堅くて、つぶれる感触も気持ち悪かったです。
シバンムシには、不快害虫用のスプレーがおススメです。エアゾールタイプで効果も抜群です。150種類の害虫に効くタイプがあります」(同・浅井 一秀さん)
小さくて油断しがちなシバンムシですが、やはり家で発生するのは避けたいものです。正しい対策で、食品等を守っていきましょう。
※飲食物や食器にかけないなど、使用上の注意に従ってください。

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