子どもの「誤嚥」死、初調査へ…リンゴやいり豆など喉に詰まらせ10年間で108人が窒息死

2024年10月17日(木)15時0分 読売新聞

こども家庭庁

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 食べ物を喉に詰まらせる「誤嚥ごえん」による子どもの死亡事故が後を絶たないことを受け、こども家庭庁は新たな事故防止策を検討するため、初の調査に乗り出す。国が策定している指針の見直しを視野に、今年度中に対策をまとめる。

 厚生労働省によると、誤嚥で窒息死した5歳未満は2022年が10人、23年が8人で、23年までの10年間で108人に上る。

 東京都国分寺市の保育施設では22年11月、1歳の女児がリンゴを喉に詰まらせ死亡した。松江市の認定こども園では20年2月、節分の行事に参加した4歳の男児が、いり豆を誤嚥して亡くなった。

 保育園や幼稚園などを念頭に国が16年に作成した指針は、重大事故が起きやすい場面として、「睡眠中」「プール活動・水遊び」などと並び、食事中の誤嚥を挙げる。「かまずにのみ込もうとする」といった年齢ごとの特徴を記載。窒息につながりやすい食材としてミニトマト、白玉団子、ブドウなどを列挙している。

 ただ、同庁が昨年度、保育士ら4万人超を対象に行った調査では、指針を「知っている」は68・6%、「読んだことがある」は58%にとどまった。

 重大事故がなくならない現状を踏まえ、国の有識者会議は新たな注意喚起の必要性を指摘。同庁は「睡眠中やプール活動・水遊びに比べ、事故の状況の記述が不十分だ」として、誤嚥に特化した調査を決めた。

 現場の保育士や調理師、応急措置の専門家らに聞き取りを行い、年齢に適した食材選びや調理方法、食事の介助のポイントを指針よりも具体化する。「防止策を理解しにくい」という声を受け、注意点が一目でわかるような形でまとめる。

 近年、事故が相次ぐリンゴの提供を原則として避けることなど、時代に即した再発防止策も盛り込む方針。指針の改定に加え、現場で活用しやすいよう、動画やイラスト入りの冊子を作成することも検討する。

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