日頃の生活習慣でも予防できる? 指先の「ささくれ」の原因と対策

2020年12月14日(月)5時0分 ウェザーニュース

2020/12/14 05:08 ウェザーニュース

チクチク痛み、イライラする指先のささくれ、特に空気が乾燥するこの時期に悩む方も多いのではないでしょうか。
皮膚科専門医の野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生が、ささくれを招く意外な理由や予防法について解説します。

ささくれは、なぜできる?

小さなささくれ1つでも、何かするたびにチクっと痛んだり、服に引っかかるなど不快です。爪の周りにトゲのようなささくれができるのはどうしてなのでしょうか。
「ささくれの第一の原因は、皮膚が乾燥することにあります。冬は空気が冷たく乾燥するため、指先の皮膚も水分を失いささくれを起こしやすくなります。冷えて血行が悪くなることもささくれを助長します。水分が抜けて硬くなっている皮膚は、ちょうど乾燥した地面が地割れするように、裂けやすくなるのです」(野村先生)
手先は毎日の生活で使うことが多いことも、ささくれの要因となるといいます。
「ささくれができるのは、皮膚と爪の境目の部分です。例えば指の甲はカサカサ粉を吹くほど乾燥したり、あかぎれになることはあっても、ささくれにはなりませんね。指先を使うたびに、爪の周りの皮膚に硬い爪がぶつかることで衝撃を受けます。乾燥に衝撃が重なることで、皮膚が裂けるのです」(野村先生)
日常生活のなかのちょっとした動作でも、指先への衝撃となるといいます。例えば、人差指など特定の指が荒れやすいということはないでしょうか。
「スマートフォンの操作時の摩擦や、無意識に机をトントンと叩く癖などの刺激も乾燥やささくれにつながります。布や紙に触れることも刺激となります」(野村先生)
ささくれは不快なだけではありません。
「気をつけたいのは、ささくれを引きちぎろうとして傷を作ってしまうことです。傷口から細菌が入って膿むことがあり、ひどくなると夜眠れないほど痛むこともあります。こういった場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。爪の下に膿が溜まってしまい、皮膚を切開しなければならないケースもあります」(野村先生)

ささくれの正しいケア

ささくれができてしまったら、どうすればよいのでしょうか。
「まず、ささくれを無理にむしったり剥がしたりするのは厳禁です。手を洗って清潔な状態にしてから、爪切りやハサミでカットしましょう。お風呂上がりなどは、皮膚が柔らかくなっているのでカットしやすいです。
ささくれがめくれて傷になっている場合は、傷薬を塗ります。傷がない場合は、ハンドクリームを爪も含めてたっぷり塗って保湿しましょう。あかぎれなど併発している場合は、ビタミンE配合のクリームを使えば血行促進効果も望めます」(野村先生)
さらに、スペシャルケアとしてマッサージを加えてもよいでしょう。
「優しく爪周りをマッサージすると血行がよくなります。ささくれをケバ立てないよう、指先に向かって行いましょう。ただし、傷があるときや痛みを感じるときは、刺激となるので止めます」(野村先生)
ささくれは日頃の生活習慣で予防することができます。
「今年は、新型コロナウイルス感染症対策で手洗いや消毒を行うため、いつもより手先が乾燥しやすくなっています。空気も乾燥しているので、外出するときは手袋をするなどガードしましょう。
手を洗うときは、刺激の少ない洗浄剤を泡立てて優しく。皮膚に水気が残っていると、蒸発するときに皮膚の潤いも奪ってしまうので、洗浄後は清潔なタオルなどできちんと水分を拭き取ります。ハンドクリームなどで保湿することも忘れずに。私も、あちこちにハンドクリームを置いておき、こまめな保湿を心がけています」(野村先生)
日々の生活で手はよく使うだけに、どうしても荒れやすくなるものです。正しいケアで指先を守りましょう。

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