「言うことを聞かないと殺す」と脅しながら首を絞め、下半身の衣服を剥ぎ取り…2ヵ月で4人の女性を強姦殺人「昭和最悪のレイプ魔」恐るべき犯行手口
2024年12月15日(日)18時0分 文春オンライン
〈 「妊婦の腹を引き裂き胎児を取り出したこともあった」女性7人を強姦殺害、遺体にわいせつしたことも…「昭和最悪のレイプ魔」の正体 〉から続く
たった2ヶ月の間に、4人の女性を強姦殺人…。戦中、戦後まもない間にかけて、多くの女性の命を奪った元軍人・小平義雄(こだいら・よしお)。なぜ女性たちは彼にだまされ、命を落としたのか? 小平の巧妙かつ非道な手口を、新刊『 戦後まもない日本で起きた30の怖い事件 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全4回の2回目/ 最初 から読む)
◆◆◆
たった2ヵ月で4人を強姦殺人した男
最初は、日本の敗戦が決定的となっていた1945年5月25日、当時、小平が勤務していた海軍第1衣糧廠で女子挺身隊員として働いていた宮崎光子さん(同21歳)が餌食となった。小平が彼女に性的関心を覚えたのは犯行の2、3日前。宮崎さんが「盲腸の手術で入院していたため風呂に入ることができなかったので、体を拭きたいからお湯をください」とボイラー室に入ってきたときのことだ。
お湯をバケツに入れボイラー室を出た小平は、閉めた扉の穴から彼女の動作を覗き見る。最初は手拭いを上着の下に入れて拭いていた宮崎さんだが、やがてズボンを下げ腿のあたりを拭き始めた。このとき欲望のスイッチが入った。
25日、宮崎さんが再びボイラー室を訪れる。なんでも、今夜の列車で母の疎開先に向かい、そこで養生することになったので報告に来たのだという。小平のことを優しい人間と思ったのだろう。それから小平は彼女と一緒に食事し、いったん女子寮の自室に引き上げた宮崎さんの後を追い、部屋を訪ねる。彼女は何の不信感も抱かず、小平を室内に招き入れた。
何時の列車に乗るのかなど、他愛もない会話を交わしながら機会を伺い、周囲に人気がないことを確認したうえで、ストレートに性交渉を頼んだ。「おじさん! 冗談は言わないでよ」と拒む宮崎さん。途端に小平は頭に血を上らせ、逃げる宮崎さんの首を絞める。
ほどなく彼女が気絶したため、煙草をふかしながら覚醒するのを待った。宮崎さんは目を覚ますと観念したのか、自ら衣服を脱いだ。躊躇なく強姦し殺害。遺体は中庭の防空壕へ捨てた。事件はすぐに発覚したものの、憲兵隊が別の男に嫌疑をかけたタイミングを見計らい、小平は退職。そのまま行方をくらます。
第二の犯行は1ヶ月後の6月22日。
栃木県の東武鉄道栃木駅で、「頭を束髪にして、綺麗なモンペをはき、一見大家の奥さんふうの器量のいい女」(後の小平の証言)の主婦・石井ヨリさん(同30歳)を見かけ、声をかけた。
「バスで往復すれば東京には今夜中に帰れる農家が知り合いですので、そこに行って米を買いませんか」
石井さんは小平の申し出を信じて疑わず、ぜひ案内してほしいと応じた。2人してバスに乗り、同県上都賀郡の真名子停留所で下車。近道があるからと石井さんを真名子村の山林に連れ込む。が、少し歩いたところで彼女が怪しみ、引き返そうとした。
小平は後ろから飛びかかり、石井さんを投げ倒し顔を殴ってから強姦に及ぶ。途中で彼女が性的に反応してきたため、そのまま翌朝4時まで体を貪った後、首を絞めて殺害。現金70円と腕時計を奪い、遺体は近くの堀の中に投棄した(遺体は9月10日に発見)。
さらに「第3の被害者」が…
3週間後の7月12日、小平は妻子の疎開先に向かうため渋谷駅で切符を買う行列に並ぶ。そのすぐ後ろに事務員の中村光子さん(同22歳)が並んでいた。雑談を交わすうち劣情を催し、例によって、電車で1時間ほど行ったあたりに何でも買える農家があると誘う。買い出しの金がないという彼女に自分が立て替えてあげると小平。中村さんは恐縮しながらも、嬉しそうに申し出を受け入れた。ちなみに、前日の7月11日から日本は主食の配給が1割減らされ、1人1日2合1勺となっていた。国民の誰もが始終腹ペコだった。
渋谷から浅草に出て、東武線に乗り換え金ヶ崎駅で電車を降りる。そして、またも近道があるからと、前回の犯行現場にほど近い上都賀郡清洲村の山林に誘い込む。
とりあえず、正面から口説いてみた。当然のように拒絶されると態度を豹変させ、彼女の履いていたゴム長靴の先を右足で踏んで、右手で喉を突き、倒れかかったところを前から割り込んで関係を迫る。
悲鳴をあげながら体を揺する中村さんの尻の辺りを2、3回激しく殴る。ようやく大人しくなったところで性交。射精を終えたところで、なんと彼女が小刀を取り出した。小平は動揺しながらも必死に小刀をもぎ取り、彼女の巻いていた細紐を首に二重に巻き、馬乗りになって絞殺。遺体を近くの堀の中に捨てた後、現金40円と腕時計を奪い逃走した。後の証言によれば、逃げる途中、空に米軍のグラマン機が10機編成で飛んでいたそうだ。
第4の犯行はそれからわずか3日後の7月15日。今度は池袋駅で出会った出版社勤務の紺藤和子さん(同21歳)が犠牲となる。防空頭巾にモンペ姿、細面、きゃしゃな四肢。小平好みの女性で、彼女もまた切符を買う列に並んでいるところで、声をかけられた。
「買い出しに行かれるなら、私もこれから入間郡(埼玉県)の知り合いの農家にイモを買いに行くので、良かったらご一緒しませんか」
女性を雑木林に誘い込んで…
空腹を抱えていた紺藤さんは喜んで誘いに応じ、2人して武蔵野鉄道に乗り込む。その途中、小平は彼女にイモではなく米が買えると持ちかけた。米の誘惑には勝てない。2人は清瀬駅で降り、国道を4キロほど歩いた後、小平の案内に従って東京都北きた多摩郡清瀬村(現・清瀬市)の雑木林に入る。
小平はすぐに牙をむいた。言うことを聞かないと殺すと脅しながら首を絞め、下半身を覆っていた衣服を剥ぎ取り、強姦し殺害。現金60円と下駄1足を奪い現場を後にする。紺藤さんの遺体は4ヶ月後の11月5日、白骨化した状態で見つかった。
〈 絞め殺した21歳女性の“亡骸にわいせつ”したことも…女性7人を強姦殺害「昭和最悪のレイプ男」がついに警察に見つかった理由 〉へ続く
(鉄人ノンフィクション編集部/Webオリジナル(外部転載))
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