日本のアスベスト問題を解決することに貢献する EFAラボラトリーズ

2024年1月16日(火)10時0分 PR TIMES STORY

株式会社EFAラボラトリーズ(EFA)は、アスベストを専門としている分析・調査・コンサルティングの会社です。米国におけるアスベスト分野のリーディングカンパニーForensic Analytical社の東京拠点として、2007年にいちはやく偏光顕微鏡によるアスベスト分析事業をスタートしました。

偏光顕微鏡によるアスベスト分析は、現在でこそ主流となっている国際標準規格の分析方法です。しかし、当時日本では日本独自の分析方法が行われており、なかなか普及しませんでした。

今では、偏光顕微鏡によるアスベスト分析を普及したパイオニアであることや、海外の専門家との広範なネットワークを持つことから、スーパーゼネコン、大手デベロッパー、メーカーなど民間企業からだけでなく、行政からの依頼で、多くの建造物のアスベストの分析・調査・コンサルティングを行っています。

また、その高い技術力と豊富な知見を信頼していただき、トラブルが発生した際などに、法的機関や大手企業などから第三者機関として判断する調査や、問題解決のアドバイスを依頼されたり、同業の多くのアスベスト分析会社から、様々な製品、原材料、気中、水中、土壌中のアスベスト調査方法や分析方法の相談を受けたりします。

EFAがどのようにして反対者、非協力者、傍観者を巻き込こみ、賛同者、協力者を増やしながら日本のアスベスト業界に変革をもたらしていったか、次世代のこどもたちを環境問題から守るために奮闘する創業者にその熱い想いをききました。

(代表取締役 兼 CEO 亀元 宏宣)

メディア報道をきっかけに興味を持った環境問題。

環境の仕事をしたいと思ったのは大阪万博があった小学校6年生の時。

ドロドロの工場排水が海や川に流されている光景をテレビでみたのがきっかけです。アフリカの水不足や、熊本の水俣病に苦しむ人々や猫たちの様子が放映され衝撃を受けました。

当時は環境コンサルタントという職業そのものがなかったと思いますが、このころから「環境をよくする仕事をしたい」という気持ちがずっとありました。高校2年生の時に、東京農工大学に入れば環境のことが学べるということを知り、入学。ただ、具体的に何を仕事にしたらよいのかはよく分かりませんでした。

当時、環境保護について学んだ卒業生は研究で学校に残るか、学校の先生になるか、公務員になることを選ぶ人が多く、直接環境保護の仕事をしている人はあまりいませんでした。しかしわたしは、民間企業に行けば環境保護の仕事ができるのではと思い、東京の環境調査会社に入社したのです。

環境問題の本質的な解決策をさがして米国へ。

そこでは、建設コンサルやスーパーゼネコンの下請で、環境アセスメント(*1)の仕事に携わりました。

そこで働いていく中で、データを改竄するライバル会社が仕事を取っていくのを目の当たりにしたり、高速道路バイパス建設工事の環境アセスメントの仕事で、住民説明会の会場で怒った住民に車をボコボコにされたりする経験も。真夜中に、ボコボコに凹んだ車で会社に戻りながら、「環境を良くする仕事はできているのか?自分は何をしているんだろう?」と涙がでてきました。

このような環境業界の体質や住民説明会の体験から、日本には環境の問題の本質的な解決をできるプロフェッショナルはなかなかいない、と思うようになりました。

海外では、どうしているのだろうか?どんなアプローチをとって問題解決しているのだろうか?と興味をもち、米国イェール大学の林学環境学博士課程に留学させてもらいました。この4年間は社会構造や経済から切り離せない環境問題について勉強し、その厳しい中でも効果的なやり方をしている専門家達とネットワークを作る機会になりました。

*1:環境影響評価:開発事業等による環境への影響を事前に調査することで、予測・評価を行う手続き

多くの投資家は地球環境に悪いことをしたくないという学び。

博士課程を修了して日本に戻ってからは、発注者の意向を忖度して結果的に環境を破壊している専門家になるのでなく、住民の意見を聞く環境影響評価の法律を創ること、海外の専門家と日本の専門家のネットワークを深め、ベストプラクティス(*2)を拡げることに、熱意と時間をかけていました。

その後土壌汚染調査部門に移り、その業務を通して、銀行と投資家の立場を認識するようになりました。ちょうど土壌対策汚染法への準備が始まったころです。土壌調査や対策を請け負う会社は、方向性や計画がすでにでき上がってから声がかかることが多い。すると、今まで既にお客様の思惑で動いているので、私達の提案を聞いてもらえる余地は少ないんです。一方、意思決定をする人、つまり土地を買ったり、売ったりする人たちに直接訴えると、私達の提案を聞いてもらえるという経験をしました。このことから、もっと意思決定する人たちに近いところで、環境保全のアドバイスをしたいと思う様になり、投資機関と仕事をする環境コンサルティング会社に転職しました。

有名投資金融機関の不動産売買や企業合弁買収の環境デュー・デリジェンス業務(*3)に関わり、土壌汚染、アスベスト、PCB等の環境リスクや事業リスクを最小限にしていく仕事に携わりました。環境不法行為やベストプラクティス回避は、不動産価値・資産価値・事業機会を減らす最悪の環境リスクであることを学びました。そして「投資機関にお金を出している多くの投資家は環境に良い投資をしたい。地球環境に悪いことをしたくない。」と思っていることを肌で感じました。

*2:被害者を出さない、次世代の環境を守るために最も効果的な技法、手法、活動

*3:買収対象の用地や企業に対し、環境関連の事業リスクの有無を特定する調査

分析の精度が課題である日本。高精度分析の専門会社を設立するまで

ある日、日本の分析結果は信じられないと海外投資機関の担当者が言ったんです。

「日本のアスベスト調査って信用できるんですか?同じサンプルをA社とB社で分析したら、違う結果がでてきた。分析機関に説明をもとめたら理由を説明できない。」と。

強い問題意識を感じ、米国の専門家にいろいろ意見をもとめました。専門家達の話を聞いているうちに、当時の日本の建材アスベスト分析方法(現在のJIS A 1481-2と3ですが)は、世界中で日本だけでしか使われておらず、原理的に間違いがあると分かりました。さらに、アスベスト分析の精度管理の仕組みはありましたが、分析原理が間違っているせいで、人工建材でしか分析精度を評価しておらず、実在する建材の分析精度は不明だったのです。

米国でも、精度の低い分析機関の問題が過去にありましたが、1980年代後半から、国と業界が一緒になって様々な実建材に対する合理的な前処理技法の普及や、精度管理体制とそれを強制する利益相反のない仕組みを創ってきました。今、欧米ではアスベストの分析業務を行うためには国に認められた精度管理を第三者に認証してもらう必要があります。

(米国国立標準技術研究所(NIST)の米国自主試験所認定プログラム(NVLAP - ISO/IEC17025と同等)の認定を受けている)

このままではいけないと、米国カリフォルニア州でアスベスト分析の大手、フォーレンジック・アナリティカル・グループと提携して、日本で速くて精度の高い偏光顕微鏡によるアスベスト分析を提供する専門会社として、株式会社EFAラボラトリーズを設立したのが2007年3月のことです。

偏光顕微鏡によるアスベスト分析の普及を目指して実施した取り組み

当時は、まだJIS(*4)に偏光顕微鏡法のアスベスト分析が組み込まれていなかったので、米国のEPA法(*5)の規格で分析サービスをスタートしました。外資系企業には必要とされましたが、国内のお客様にはなかなか振り向いてもらえなかったですね。米国のアスベスト含有基準は1%で、日本の0.1%にはEPA法は使えないと、根拠なしに言われたことも。フォーレンジック・アナリティカル・グループのあるカリフォルニア州は日本と同じ0.1%基準でしたし、ポイントカウント法とよばれる定量分析法もしっかり確立されていましたが、なかなか受け入れてもらえませんでした。

(ラボ室長 小沢絢子はJEMCAのインストラクターとして後進の育成に貢献)

しかし、偏光顕微鏡分析の速くて、精度が高く、ぶれない分析結果を求める需要は確かにあり、2007年当時から、一部の地方自治体や国内大手多国籍企業で採用になりはじめました。また、2011年東日本大震災で、とにかく迅速に大量の分析が必要になったときに、偏光顕微鏡法が大いに活躍する機会が訪れたのです。

それから、2012年にISO(*6)で偏光顕微鏡法のアスベスト定性分析がISO 22262-1として制定され、その後の2014年に日本で、JIS A 1481-1(JIS 1法)として制定されました。2013年から厚生労働省に要請され、一般社団法人日本環境測定分析協会のアスベスト分析の指導インストラクターとして、日本の分析者に正しい分析法を普及してきました。ライバルを育てるのでは?と言われましたが、みんなが分からないと問題は解決しないという考えから、志のある勉強熱心な有志達といっしょに分析法を広めていったのです。

最初の頃はみんなで偏光顕微鏡や顕微鏡画像を映すディスプレイを研修会場に持ち寄って教えていました。実サンプルを使った研修を受けた老舗の分析機関の職員から、初めてアスベスト繊維というものを明確に理解できた、と驚嘆の声が上がっていたのを思い出します。これまで多くの分析者の研修卒業生を輩出し、今では厚生労働大臣が定める分析調査者は350名を超えています。これも一般社団法人日本環境測定分析協会の皆さんや協力してくださった顕微鏡メーカーの方々、ずっと苦労しながら教え方を工夫してきたインストラクターの仲間達のおかげです。

現在では、日本国内でも偏光顕微鏡によるアスベスト分析が広く認知されています。官民の発注仕様書もJIS 1法が増えてきました。まだまだ広く正しく理解されているとは言いにくい状況ですが、確実にその分析法の正しさを理解してくださるお客様が増えているのを感じます。EFAラボラトリーズは、原理的に正しくて、速くて、精度の高い分析が、日本の分析業界に広がるようにバックアップを続けています。

(右からラボ初代EFA所長エリック・イギナ、チャットフィールド博士、英国HSEのローリー・デイビス氏-2017年撮影)

*4:日本産業規格(Japanese Industrial Standards)

*5:アメリカ合衆国環境保護庁(Environmental Protection Agency)で定められた建材中のアスベスト分析法

*6:国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定めた国際標準規格

EFAのミッション:次世代のこどもたちを環境問題から守るために、ひとりでも多くの人に正しいサービスを届ける。

日本のアスベスト問題は、昔はアスベスト建材メーカー労働者や建設工事作業員、今はアスベスト除去会社職員や解体工事会社職員が被害を受ける社会構造問題です。いい分析があれば解決するものではなく、この先何十年もかけて、徹底的に向き合っていかなければならないものです。

少しずつ、いろいろな問題解決の意見を交えて社会の構造変革に向けて実行していくことで、ボディーブローのように効いていくと思うんです。そういう流れを作りたい。

法律や条例といった形のあるものだけではなくて、人間の慣習や、しきたり、欲望などが強く影響しているようなものについても、変化を起こせるように努力したいと思っています。

早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。ということわざにあるように、学会や業界団体を通じて、難しい社会構造問題を解決する仲間を増やしながらやっていきたいと思います。

EFAラボラトリーズという会社そのものが、わたしの志に共感して問題の解決を目指す仲間の集団です。

(10周年の記念パーティーの集合写真‐2017年撮影)

EFAラボラトリーズは、今後もベストプラクティスの普及を通じて、アスベストを主軸とした高精度・ハイスピードの分析、調査、アスベスト建材維持管理とマネジメントのコンサルティング、工事監視等のエンジニアリングサービスを提供していきます。

その仕事の目的は、お客様の事業リスクを低減し、お客様の評判を守り、お客様、従業員、テナント様、工事関係者、周辺住民の人々にとって本当に安全な環境づくりです。一つ一つのサービスを届ける先が拡がっていくことにより、アスベストに曝露する人が減り、日本全体のアスベストリスクが低減して行くことを願っています。

EFAラボラトリーズは、この先もアスベストに悩みを持つ全ての方に対して真摯に、問題解決を支援してまいります。


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