ORLIB株式会社、電解プレドープを効率的に短時間で行うプレドープ装置を開発
2025年2月5日(水)14時16分 PR TIMES
新世代二次電池*1を開発するORLIB株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:佐藤正春)は、このたび電解プレドープを量産に適した速度と方法で行うプレドープ装置を開発しました。長時間飛行するドローン用電池や、資源問題がなく高エネルギーで低コストの電池はシリコンのプレドープ技術*2を使って実現することができます。しかしながら、これまでの方法ではプレドープに時間がかかり、どのようにして量産プロセスに適用するかが課題となっていました。ORLIBは先週公開された特許(WO2025/022895A1)に基づいて、温度と圧力、電圧を制御する連続プレドープ装置を試作しました(写真)。この装置は巻き出し、巻取りロールを備えており、プレドープしようとする電極の移動と加圧、電圧印加という一連のプロセスを連続して行うことができます。試作機のヘッド長さは25cmで、仮に電極移動等を含むプレドープ処理時間を1分とすると、25 cm/分でプレドープ電極を製造することができます。塗工や電極プレスなどと比べると十分ではありませんが、ヘッドの大型化や並列化によって量産プロセスへの適用も可能と考えられます。
この装置を使えば、高容量の負極活物質であるシリコンを安定化して不可逆容量をなくすことがきるため、さまざまな正極と組み合わせて高エネルギー電池を実現することができます。特にコバルトなどの希少金属を用いないLFP正極電池*3に組み合わせると課題であったエネルギー密度を改善して資源問題がなく高エネルギーの電池となります。LFP正極とプレドープしたシリコン負極からなる電池は低コストで安定性にも優れているため、エネルギー分野における資源問題の解決や環境負荷の低減に貢献する革新的なソリューションとなることが期待されます。また、ドローン用電池に利用すると、飛行時間を1.5倍以上に延長でき、インフラ検査ドローンなどでは電池交換頻度の減少や検査時間の延長につながって、安全・安心な社会の実現に貢献することができます。
ORLIBはこれらの成果を2025年2月11日〜13日にドイツ連邦共和国NRW州のメッセ・エッセンで開催される展示会“E-world Energy and Water”に東京都の「成長産業分野の海外展開支援事業」の支援を受けて出展します(東京パビリオン、https://community.e-world-essen.com/organizations/-/383828 )。これからの暮らしや産業に欠かすことのできない高エネルギー電池とその技術をヨーロッパの技術者にもアピールし、未来につなげてゆきます。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/89151/7/89151-7-328f967d34a6070ad3ea7eaf7b7eae5f-640x480.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ORLIB株式会社が製作した二次電池の高エネルギー化を実現するロール方式間欠プレドープ装置
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/89151/7/89151-7-8fcbd77bee2faf87b27034449cd0b593-1136x447.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ORLIB株式会社
設立:2020年5月15日
本社所在地:東京都文京区本郷5-24-1
代表取締役:佐藤正春
事業内容:持続的で豊かな社会を支える高エネルギー二次電池の開発、製品化
ウエブサイト:https://www.orlib.jp/
*1 新世代二次電池: リチウムイオン電池の次を狙う次世代二次電池として、ここでは全固体電池、改良型リチウムイオン電池、フッ化物電池などの総称として使用。
*2 シリコンのプレドープ技術:容量がリチウムイオン電池負極の10倍のシリコンにあらかじめリチウムを反応させて安定化する技術。
*3 LFP正極電池:リチウムイオン電池の中にはコバルトやニッケルなどの希少金属を使うものが多いが、それらを使わないのがLFP電池もある。エネルギーが小さいが、シリコンと組み合わせることで他のリチウムイオン電池と同等以上にすることができる。