イーライリリーが肥満薬・糖尿病薬のトップランナーに!?

2024年2月16日(金)16時46分 財経新聞

●イーライリリーの業績・株価好調
 米医薬品大手のイーライリリーの株価が高値を更新し続けており、年初からも約20%高となっている。時価総額も6000億ドルまで上昇し、テスラを超えて世界ランキングでも9位となっている。

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 ロイター通信によると、今年通期の売上高は404億〜416億ドルと見込み、1株当たりの利益も12.2〜12.7ドルの見通しとなる。

 背景には肥満治療薬「ゼップバウンド」や糖尿病治療薬「マンジェロ」の需要拡大がある。

 世界的な問題となっている肥満と糖尿病治療薬のトップランナーとして、イーライリリーの好調は続くのか?

●イーライリリーとは?
 イーライリリーは、1876年に設立された米国インディアナ州に本拠地を置く、研究開発型製薬会社である。

 南北戦争に従軍した南軍の退役軍人でもあったイーライリリー大佐によって設立された。

 1975年には、神戸市中央区に日本法人が設立されている。

 研究開発費には、2022年度は71.9億ドルを投じており、売上高に占める割合は約25%と、米国の製薬会社でもトップクラスの比率だ。

 2022年5月に糖尿病治療薬「マンジェロ」、2023年11月に肥満治療薬「ゼップバウンド」がFDAに承認された。

●気になるライバル社の存在も
 肥満症薬には、デンマークの大手製薬会社ノボノルディスクが開発した「ウゴービ」がある。ウゴービは元々糖尿病治療薬として使われており、2023年11月から日本でも保険適用されている。

 肥満大国米国では、2030年までに市場規模が現在の16倍の1000億ドル(約15兆円)に成長すると見られており、新たな市場になる見込みが高い。

 日本も塩野義製薬や中外製薬が開発に取り組んでいる。世界の製薬会社ですでに開発競争が激化している。

 これらの治療薬は、使用をやめるとリバウンドすると見られており、継続的に使用する必要があり、売れ続けることも期待される。

 薬を使用することで食欲を抑えられるため、スーパーやスナック菓子の株が売られた。人々の体重が減少することで飛行機の燃費も抑えられるとの米投資銀行の発表もあった。

 肥満大国ではない日本ではあまり関心が薄いかもしれないが、肥満・糖尿病治療薬が世界経済さえも大きく変えてしまうかもしれない。

財経新聞

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