「取締役への譲渡制限付株式報酬としての自己株処分」を打ち出した、BCCの中計は買いか!?

2024年2月20日(火)9時17分 財経新聞

 BCC(東証グロース)に着目した入り口は、2021年7月の公開初値だった。グロース市場にふさわしく?公開公募価格1300円に対し、3350円で生まれた時だった。

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 その後も株価動向は見守ってきたが、1月17日付けの『譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ』と題するリリースに接し、「成長企業への歩みを着実に進み始めている」という感を強くした。その内容はこう理解すればよい。

 「2024年2月16日から取締役は退任するまで、割当契約に基づき割当を受けた(BCCの)普通株式について譲渡・担保権の設定などの処分をしてはならない」
 「(諸規定はあるが・・・)譲渡制限が解除されるのは、取締役を退任した時点」
 「譲渡期間満了時に、割当株式はBCCが無料で取得。自社株処分の対象とする」
 「譲渡制限期間中は、対象取締役が大和証券に開設した専用口座で管理される」

 要はBCCの役員の座に就くものは株主として、通常の株主同等に例えば企業収益の浮沈に身を置く義務を背負う。言葉を選ばずに言えば、取締役への就任と同時に「重い荷」を背負わされることになる。

 取締役は企業の在り様を牽引する役目に立つ。過去にも幾多の成長企業の取締役は、重き荷を背負わされ経営に当たってきた。

 改めてBCCの上場来の推移を確認してみた。事業は「IT営業アウトソーシング」「ヘルスケアビジネス」。厳しい収益動向を強いられてきた。が2023年9月期に急回復。「12.0%増収、39.3%営業増益、40.1%最終増益」。

 2つの事業とも順調に推移した。だが今24年9月期は「9.9%の増収(14億700万円)、1900万円の営業損失、92.5%の最終減益(300万円)」計画。が営業損失・最終減益は「社会経済活動の通常化・拡充に伴う、ITアウトソーシングの派遣員や業務委託の配属人増に伴う先行負担増」に起因する。

 フォローの風が吹いてきている証しは、至2026年9月期の中計にも見て取れる。数値目標として「売上高20億400万円(24年9月期比42.4%増)、純益1億600万円(35.33倍)」を掲げている。その裏付けとしてIT営業アウトソーシングの目標値として、「派遣人数26年9月期末238人(24年9月期末62人)/採用人数46人(62人)」としている。

 ところで2012年から始めた介護(ヘルスケア)事業は、介護業界に商品・サービスを提供したい企業と介護現場をつなぐ業務。全国5万人超の会員に対し例えば「3000点を超える塗り絵や計算問題」が配布されている。ちなみに今9月期も、ことヘルスケア事業は107.4%増。

 BCCの本稿作成中の時価は1600円台終盤。昨年来高値から1000円近い下値にある。グロース企業の真贋を問う意味で中計を買うのも一法か・・・

財経新聞

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