湖池屋が次に挑むのは「夢のポテトチップス」開発!? 大人に向けたポテトチップスの新スタイル「湖池屋プライドポテト GOLD STYLE 食塩不使用」が誕生した理由

2024年3月11日(月)11時0分 PR TIMES STORY

2017年2月の発売開始から7周年を迎えたポテトチップスのプレミアムライン「湖池屋プライドポテト」は2024年2月、味わいを全面リニューアルした「ぞっこん岩塩」「神のり塩」「通の黒胡椒」と、全く新しいフレーバー「踊るイベリコ豚」を発売し、ポテトチップス好きの心をつかみました。しかし、リニューアルはこれで終わりません。3月11日、今度は「ポテトチップスを食べていない層」を取り込むべく、新商品「湖池屋プライドポテト GOLD STYLE 食塩不使用」を発売したのです。誕生の背景には、ポテトチップスを食べなくなった人たちの切実な声がありました。

●ポテトチップス市場で「食塩不使用」は定着していなかった

「プライドポテト」には既存商品として、2020年のブランドリニューアル時に発売された「芋まるごと 食塩不使用」というフレーバーがありました。食塩を使わず、昆布などの旨みによってじゃがいも本来の味を最大限に引き出したポテトチップスです。

「芋まるごと 食塩不使用」の購入者が元々はどんな商品を買っていたか、いわゆる流入分析をしてみたところ、同時に発売した他のフレーバーに比べて「ポテトチップスを食べていなかった層」の取り込みにもっとも成功していることがわかりました。理由は明白。塩分が少なくヘルシーだからです。マーケティング本部 マーケティング部 第1課 主任の安田望によれば、「高血圧で塩分を控えているからありがたい」など、健康志向に由来する大人からの『こういうのを待っていた』という多くの反響、感謝の声が多かったといいます。

 ただ、ポテトチップスに健康志向を求める声が大きい一方で、現在のポテトチップス市場で「食塩不使用」や「無添加」の既存商品はメーカーを問わずあまり定着していません。食品市場全体を見渡せば、トマトジュースやミックスナッツといった食塩不使用商品は定着しているのですが、ポテトチップスはダメ。理由は、菓子であるポテトチップスは飲料やナッツなどに比べて嗜好性が高い、つまり楽しみのために食べるものなので、美味しくなければ購入に至らないのです。

 裏を返せば、「ポテトチップスらしい美味しさのある食塩不使用」が市場に欠けていた、ということになります。ただ、ポテトチップスらしい美味しさと塩味はセットのようなもの。切り離すことはできません。

●夢のポテチを開発せよ

 しかも、仕事などでストレスを溜めている人ほど、味の濃いもの、刺激的な味を好むことが調査からわかっています。マーケティング本部 マーケティング部 第1課 課長の高戸万里那は、ある日の残業中、こんな体験をしました。

「小腹が空いたので食塩不使用のポテトチップスを開けて食べたんですが、いまいち満足できなかったんです。塩分が足りないから、ストレスが発散できないぞと(笑)。それで気づきました。健康上の理由で塩分を控えている方は、食べることでストレスを発散できないのだと。それって、さらにストレスが溜まってしまいますよね。食べたいのに食べられないというストレスが」

 湖池屋が新しく取り込もうと狙いを定めた「ポテトチップスを諦めた40代から60代の男女」は、もはや自分向けのポテトチップスは存在しないのだ、と諦めてかけている人たちでもあります。ということは、彼らに向けた、食塩不使用なのにちゃんと美味しい「夢のポテチ」があれば、きっと買ってくれるはず。ポテトチップスが大好きだけど、塩分が気になって控えている人も、もっと食べてもいいと思ってくれるはずなのです。

●たどりついた「塩なし塩味」

 美味しさと食塩不使用を両立させるには、どんな味付けをすればよいか。塩を使わず舌にインパクトを残す味づくりとは、一体どのようなものか。R&D本部 プロダクト開発部 第一課 課長の宮地彩ら開発チームは頭をひねり、「旨み」「酸味」「香り」の3方向から、塩に代わる満足感を与える味わいを実現しました。「旨み」は無塩バターや粉末油脂で、「酸味」は米酢と数種の酸味料を使って実現したのです。

 結果、口に入れた第一印象が「食塩不使用なのに、しっかりした味がある。ボリュームとコクが感じられる」ポテトチップスが完成しました。安田はこれを、「ポテトチップスを食べたいけど諦めている人や我慢している人が、塩分を気にせず「塩味のポテトチップス」を食べていただけるような味わい」と形容します。言ってみれば「塩なし塩味」ですが、商品名で変に味を説明したりはせず、シンプルにリッチな味わいを伝えながら、大人たちの新しいポテトチップススタイルを謳うべく『GOLD STYLE』と名付けられました。

 実は同じ食塩不使用でも「芋まるごと」と「GOLD STYLE」ではコンセプトが全く異なります。高戸によれば、ここに葛藤がありました。

「『芋まるごと 食塩不使用』には『芋自体の味がして美味しい』という意見もたくさん頂戴していました。そのため、そのコンセプトを変更することには抵抗がありました。ただ、それよりも、ポテトチップスを食べたいけど食べられない人の想いを叶えてあげる商品のほうが、多くの人にとっての救世主、ヒーローになれます。そう考えて、思い切って『芋まるごと』のコンセプトから大きく方向転換しました」

●「レス」を感じさせないデザイン

 最後の難関は、「食塩不使用なのに美味しい」をどうやって消費者に伝えるかでした。そもそも「食塩不使用」という言葉に「もの足りないイメージ」を感じてしまう消費者は非常に多いのです。

 そこで、パッケージデザインは「もの足りないイメージ」を感じさせない、「新しい大人のポテトチップス」であることを前面に出したかっこいいものを意識しました。「ブラックコーヒーを飲んでいることはかっこいい」と同じように、「食塩不使用のポテトチップスを食べていることはかっこいい」というポジティブな気分をイメージしたのです。

 通常、食塩不使用や素揚げといったヘルシー系の食品は、パッケージの色味を抑えて白ベースにすることが多いのですが、「GOLD STYLE」はそうしませんでした。ゴールドでしっかりとポテトチップスの食べごたえ・満足感を出し、「ちゃんと美味しい」ことを伝えたかったからです。

 また「GOLD STYLE」は、一足先に発売した「プライドポテト」のリニューアル4アイテムとは一線を画す打ち出しをしています。4アイテムに埋もれないよう発売日は1ヶ月離す。パッケージデザインは、「プライドポテト」としてのシリーズ感は残しつつ単なる色違いとはせず、これはこれとして独立的なデザインとする。そこには、4アイテムに対する「プラス1アイテム」ではなく、「ポテトチップスの新しいカテゴリーを丸ごと作る」という湖池屋の決意が込められています。

●本当に美味しいものを作りたい

 既存フレーバーの改良ではなく、文字通り0から味付けをクリエイトし、0からデザインコンセプトを固めていくプロセスは、困難の連続でした。宮地は、リニューアル4アイテムと比べても「GOLD STYLE」の開発難易度は特に高かったと述懐します。また高戸は「発売までのスケジュールは先に決まっていたので、本当にギリギリまで、1日でも半日でも時間があればやり直し、改良を重ねました」と、その苦労を振り返りました。

 高戸は、リニューアル4アイテムを含めた『プライドポテト』の大規模リニューアルを全社一丸で取り組んだことを強調します。

「絶対にいいものを作り上げていこうという想いが、とても強かったです。営業部が商談に持って行った時に、小売さんが『これはやりたい』と一瞬で魅力を感じてもらえるリニューアルにしなければならないと」

 湖池屋を1953年に創業した小池和夫がポテトチップスの製造・販売を始めたのは、1962年のことでした。日本にまだポテトチップス文化が浸透していなかった頃、どうやって作ればいいのかもわからない中、小池は不屈の精神で苦労に苦労を重ね、日本で初めて「のり塩」味のポテトチップスを完成させたのです。

 高戸は全社一丸で挑んだ「プライドポテト」の全面リニューアルを、創業者の苦労に重ねます。

「本当に美味しいものを作りたいという小池和夫の精神に、最後には行き着きました。すごく、シンプルなことですよね」


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