高級シャンプーを2000円で販売できる驚きの理由

2024年3月18日(月)6時0分 ダイヤモンドオンライン

高級シャンプーを2000円で販売できる驚きの理由

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年収が上がらない、モチベーションが上がらない── そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。

Photo: Adobe Stock

お客様に仲間になってもらう

 本書では、社内に仲間を集め、仲間に成長してもらい、互いに絆を深める話をした。

 だが、僕らが仲間だと思っているのは社員だけではない。 今回は、意外な事実を紹介しよう。

 EC通販事業(イルミルド)の西俊彦は、今や業界でも有名なマーケッターで、ECモールの顧客に最適化した商品開発とマーケティングを統括していると本書で述べた。

 商品を売るには、お客様との出会いが必要であり、選んでもらい、なおかつ長く使ってもらえるとありがたい。 つまり、お客様に仲間になってもらうのだ。

楽天&アマゾン売上No.1の秘密

 大手メーカーがひしめく激戦区で、ブランド全体を牽引する「オルナ オーガニックヘアオイル」は楽天の「2022年ベストコスメ」の「トリートメント・コンディショナー部門」年間1位を前年に続き受賞した。

 アマゾンでは2021年の売れ筋ブランド15選に選出された。

 ここでは、西が地道に積み上げてきたノウハウを一挙公開しよう。

 一つは販売チャネルをアマゾン、楽天に絞り込んだことだ。

 チャネルによって集まるお客様は層も質も違う。 どのチャネルにも当てはまる汎用性の高い製品をつくるのではなく、アマゾン、楽天に集まるお客様が求める製品、価格帯を分析し、製品を提供した。

 シャンプーを例に考えてみよう。

 ヘアーサロンなどで専用の高級シャンプーを使っている層は一定数いる。 高品質だが原価も高く、500ミリリットルで6000円程度、高ければ7、8000円はする。

 一方で、1000円以下の低価格帯シャンプーはドラッグストアなどでよく売れているが、原価を高くできないため、品質もそれなりだ。

 ユーザーはなんとなく使っているが、なんとなく物足りなさも感じている。

 そこで僕たちは、サロンで使われている高級シャンプーに憧れつつも、高すぎて手が出せない人をターゲットにして製品をつくろうと考えた。

 イルミルドのシャンプーはだいたい2000円前後だが、品質はサロンで使われている高級シャンプーと遜色ないのだ。

高級シャンプーを2000円で販売できる理由

 なぜ高級シャンプーを2000円という価格で販売できるかといえば、アマゾン、楽天というチャネルを利用しているからだ。

 つまり広告費を削減できる。

 多くのメーカーは広告費をじゃぶじゃぶ使いなから製品を販売しているので、シャンプー価格を広告費が上回ってしまうことがある。

 そうならないように、危ない橋を渡るメーカーもある。 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)違反スレスレの消費者心理を煽る過剰な表現で広告費を安くするケース。

 あるいはお客様は単品で購入したつもりなのに、実は隠れたサブスクになっていて定期的に商品を送りつけられるケースもある。

 こういうときは、ネット上で解約できず、わざわざ電話をしないと解約できないことも多い。

 でも、アマゾンや楽天なら、すでに購入意志があるお客様が集まるので、過剰な広告で引っ張る必要はない。

 魅力的な製品・価格帯であれば煽らなくても販売できる

 さらに、広告費とともに中間コストも削減できる。

 サロンシャンプーの場合、メーカーが美容ディーラーに卸し、美容ディーラーがヘアーサロンに卸し、ヘアーサロンがお客様に届けるので流通コストが高くなる。

 僕たちは流通コストと広告費を削減できるから、高品質でほどよい価格の製品を提供できるのだ。

お客様が選ぶポイントを徹底研究

 役員の西俊彦は2大ECモール(アマゾン、楽天)において、お客様が製品を見つけるポイント、閲覧するポイント、最終的にクリックして購入するポイントなど、あらゆるポイントを研究し、どこを押さえればいいかを試行錯誤しながら最適化してきた。

 アマゾンで「シャンプー」と検索すると1万点以上の商品がヒットする。 その中からお客様は自分に最適なものを購入する。

 選ばれるためには、相対的に魅力のある状況をつくり込む必要がある。

 ポイントは100くらいあるが、まずは画面で商品表示されたとき、他の商品と比べて魅力的でなくてはならない。 だから立体感があり、一つだけ輝いているような商品写真を掲載する。

 また、画面にはいろいろなシャンプーが並んでいるが、よく見ると商品によって画像の大きさが違う。 商品画像の専有面積が大きいものもあれば、小さいものもある。

 当然、面積が大きいほうが目立つ。 ここで西は、アマゾンでは、商品タイトルを長くしたり、アマゾンポイントをつけると大きく表示されることを発見した。

 アマゾン、楽天のアルゴリズムは随時変わる。

 過去に使えたノウハウが突然使えなくなることもある。 だから、新しい情報をキャッチアップし、試行錯誤しながらアップデートし続けている。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)

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