【CDOの考え】後ろ指刺されがちなセミナー参加を「業務の一環」ぽくする方法

2024年3月20日(水)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【CDOの考え】後ろ指刺されがちなセミナー参加を「業務の一環」ぽくする方法

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30代で東証プライム上場企業の執行役員CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)となった石戸亮氏が、初の著書『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)で、デジタル人材の理想的なキャリアについて述べています。デジタル人材は、ビジネスの現場でどのように求められているのか。本当に需要のあるデジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければいいのか。デジタル人材を喉から手が出るほど欲している企業に迎え入れられ、そこで重用されるには、どんな行動を取ればいいのか。本連載では、デジタル人材として成長するためのTo Doを紹介していきます。

Photo: Adobe Stock

最新の一次情報を得られる場をフル活用せよ

 コロナ禍でますますウェビナー開催が盛んになり、業務の合間にも手軽に参加できるようになりました。リアル開催のオフラインセミナーやカンファレンスと併せ、昔と比べれば格段に情報収集がしやすくなったと思います。 ただ、こういったウェビナーに積極参加する方はスタートアップの人、もしくは大企業勤めでも個人参加がまだまだ多く、大手企業が会社として参加を奨励するケースは多くありません。大手企業の方に聞くと「そもそも、業務時間中に参加していいものだと思っていなかった」「忙しいからなかなか参加できていない」という声も耳にします。

 たしかにオフラインセミナーやカンファレンスの場合、業務時間中に抜けて、会場まで足を運ばなければなりませんので、上司への「中抜け」の許可は必須。それゆえ大手企業の場合、上司から「行け」と命じられて行くか、飛び抜けて感度と意識の高い社員くらいしかセミナーに参加していない、という現状があるのではないでしょうか。デスクのPCからも参加できるウェビナーが増えてきたことで、ハードルはある程度下がりましたが、それでも「業務時間中に1時間もパソコンの動画を眺めていてもいいの?」と思ってしまう人は、まだまだたくさんいます。

 特に生産性の目標が高い部署であればあるほど、「ウェビナーに参加している暇があったら、目の前の業務をひとつでもこなせ」という雰囲気に満ちています。また、若手や成長意欲の高い人は積極的に参加したい、勉強したいという意欲が満々なのに、大手企業では課長や部長に止められているというケースもよく見受けられます。 私は実際、率先垂範している側ですが、マネジメント職や人事部などが、率先垂範したり、そのような呼びかけをしたり、雰囲気を作ってあげたりすることをおすすめします。

 また、組織トップや幹部らが率先垂範するのもひとつですが、社員がセミナーやウェビナーに参加したら、後日グループ会や部会でセミナー内容を共有してもらう場を設けることです。これなら「業務の一環」ぽさがより濃くなるので、行きやすくなるのではないでしょうか。

 業務時間や会社のお金でセミナーやウェビナーに参加できるというのは、大手企業に勤めている人が有する非常に大きな優位性であり、メリットのはずです。先ほど、ウェビナーに積極参加するのはスタートアップの人が多いと書きましたが、スタートアップ企業はコスト意識が高いので、自己負担で貪欲に学ぶ人が少なくありません。ビジネス書にしろセミナーにしろ、自分の財布から数千円も、時に数万円もお金を出す。その貪欲さと必死さがビジネスをブレイクスルーさせるのです。

 一方の大企業の場合、申請して通りさえすれば業務に関わる本は経費で購入できる会社は多くありますし、セミナー参加費を会社へビジネス価値として還元することも可能です。大阪の会社に勤めるマネージャーが東京のカンファレンスに参加するために東京出張を認められたりもしますよね。でも、よりコスト意識の高いスタートアップ企業などではそうはいきません。1泊2日で出張するなら交通費と宿泊代の元をとるために「10社は回って必ず受注を取れ!」なんて言われたりします。

 それと比べるのもなんですが、大手企業はスタートアップと比べれば活動費用に使える経営資源(お金)にゆとりがあります。会社によっては、期末に予算が余ったからわりと鷹揚に使ってOKなんてことも。私がスタートアップ企業にいる頃、大手企業の期末に向けた予算の予測を精緻にすべく余剰予算の使い方に悩むという現象を何度も見てきましたが、このような大企業ならではの資源や環境をフル活用しない手はありません。 とにかく、最新の一次情報を手に入れられるリアル開催のカンファレンスやウェビナーを徹底活用してください。個人が明日からでも実行できることです。

※本稿は『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

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