飢えた子供に栄養支援「1ドル投資で23ドルの利益」…世界銀行の上級専務理事が訴え

2025年3月31日(月)0時0分 読売新聞

インタビューに応じる世界銀行のトロッツェンバーグ氏(28日、パリで)=秋山洋成撮影

 世界銀行のアクセル・ファン・トロッツェンバーグ上級専務理事が読売新聞のインタビューに応じ、世界の栄養不良対策に10年間で「1280億ドル(19・2兆円)の投資が必要だ」と支援を呼びかけた。(パリ 秋山洋成)

 世界では、1億4800万人の子供たちが発育不全で、7人に1人が2500グラム未満の低出生体重児として産まれている。一方で米国が対外支援の停止を表明するなど、各国からの資金拠出の拡大は難しいのが実情だ。

 トロッツェンバーグ氏は「コロナ対策での財政赤字もあり、開発援助を削減している国は多い」と認めた上で、「1ドルの投資で23ドルの利益を見込め、非常に投資効果が高い」と必要性を訴えた。子どもたちが学校に通い、労働市場に参加し、より多くの収入を得ることができるためだ。何もしなければ、41兆ドルもの経済的損失があるという。

 フランス政府が主催した「パリ栄養サミット」は3月28日に閉幕し、参加国や世銀などが、栄養支援として計約270億ドルを拠出すると表明した。仏政府関係者によると、前回21年の東京開催時には、米国が全体の4割の貢献額を約束したが、今回はゼロになった。

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