EU欧州委員会、アップルに810億円・メタに320億円の制裁金…デジタル市場法違反
2025年4月23日(水)20時10分 読売新聞
アップルのロゴ=ロイター
【ブリュッセル=秋山洋成】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は23日、巨大IT企業に自社サービスの優遇を禁止する「デジタル市場法(DMA)」に違反しているとし、米IT大手アップルに5億ユーロ(約810億円)、メタに2億ユーロ(約320億円)の制裁金を科すと発表した。欧州委がこの法律に基づいて制裁金を科すのは初めて。米国のトランプ大統領はEUのデジタル規制を批判しており、反発が起きそうだ。
DMAは、IT大手が支配的な地位を乱用することを防ぐ目的で制定され、2022年11月に発効。トランプ氏はEUの厳しい規制に対し、非関税障壁だと不満を示してきた。米国による高関税政策を巡り、EUは今月中旬から交渉に入っており、今回の決定が議論に影響を与える可能性がある。
欧州委の発表によると、アップルは、アプリ開発者がアップル以外のアプリストアに利用者を誘導することを制限していた。利用者がより安価なサービスを受けることが妨げられているという。
「フェイスブック」や「インスタグラム」を運営するメタに対しては、個人データの利用を巡り、違反が認定された。
メタは23年11月、欧州向けに、有料で広告なしにするか、閲覧履歴などの個人データ使用に同意して無料で広告付きにするかを選ぶサービスを始めた。欧州委は個人データ使用の同意の有無にかかわらず、利用者は同じサービスを受ける必要があるとして、違反とした。メタはすでに、個人データの使用を控えた別のサービスも提供している。