【成果を出してもなぜか評価されない人】に共通する“イタすぎな欠点”

2024年5月12日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【成果を出してもなぜか評価されない人】に共通する“イタすぎな欠点”

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「短時間で成果を出す人」がいる一方、「頑張っているのに成果が出ない人」もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果を上げられる人・上げられない人の差を研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。注目の最新刊『チームX』は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」(神田昌典氏)と評され、デビュー作『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」(人気会計士)と絶賛された。そして今、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題になっているのが、ベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。本稿では、「がっちりマンデー!!」(TBS)公式SNSで「ニトリ」似鳥会長や「食べチョク」秋元代表が「2022年に読んだオススメ本3選」にも選抜した本書を深堀りすべく、働く人のさまざまな「お悩み相談」を木下社長にぶつけてみた。今回は「成果を出しているのに、なぜか周りから評価されない人」にとっておきの仕事術をご紹介する(構成/藤田悠)。

Photo: Adobe Stock

「長所を台無しにする欠点」ほど、本人には見えない

【今日のお悩み相談】30代後半の女性です。ここ数年、私は部署の中でいちばん売上数字を出しています。しかし先日、同年代の男性が管理職として昇進することになりました。たしかに彼も優秀ですが、明らかに私のほうがパフォーマンスは上なので納得がいきません。ときどき遅刻したり、会議をすっぽかしたりと、私にもちょっと抜けているところはありますが…どうして私だけ管理職になれないのでしょう? これって女性差別では?

 この職場がどういう基準で昇進を決めているのかが定かではないので、なんとも言えない部分はあります。

 しかしこの方は「人は自分の欠点がよく見えない」という話を意識しておくといいと思います。

 いちばん典型的なのが、「私はかなり空気読めるほうなので」と言う人です。 平気でこういう物言いができてしまう人は、十中八九「空気が読めない人」です

 その発言を耳にした周囲の人は「(誰が言うてんねん!)」と心の中でツッコんでいるはず…。 周りはみんな彼の欠点が見えている。 だけど、本人だけが気づいていないわけです。

 その人の長所を台無しにするくらいのひどい欠点を、私は「欠落的欠点」と呼んでいます。 欠落的欠点には、「本人からは見えづらく、周囲からは丸見え」という性質があります。

 この相談者の方にも、どこかそういう部分があるのではないでしょうか。

 ですから、本人は「なんで私が昇進しないの!?」と怒っているけど、周りはみんな「いや…さすがにあなたが管理職になるのは厳しいでしょ」「彼のほうが適任だよなあ」と内心思っているのかもしれません。

実はまったく「完璧」ではないのかも…

 これに関してもう少し別のケースも考えてみましょう。

 「自分の仕事は100%やりきれている」という自己認識がある。 それなのに、なぜか上司からの評価が低いと悩んでいる人の話です。

 この人も似たような落とし穴にはまっています。 彼は「100」の仕事をやっているつもりでしたが、周りからは「手を抜いている」と映っていました。

 なぜなら、職場で彼に求められていたのは、そもそも「200」の仕事だったからです。 本来の仕事の半分しかやれていないとすれば、上司から評価されなくても当然です。

 これは拙著『チームX』でも取り上げた「職務の矮小化」という現象です。 人は自分に求められている仕事をなるべく小さく見積もろうとし、その範囲内で頑張ろうとします。

 本人は「自分の仕事で手いっぱいだったけど、なんとか完璧にやりきったぞ! あ、そっちの仕事まで手伝えなくてごめんね〜」と余裕をかましている。 でも、周囲は「(いやいや、その『そっちの仕事』は、そもそもお前の仕事やねんけど…!)」と総ツッコミをするようなパターンです。

「自分はそこまでひどくはない」と思いがち

 そもそも人は、自分の欠落的欠点をなかなか認められません。 他人に聞いて指摘してもらうのがいちばんですが、たとえ指摘されたとしても、たいていの人はあまり真に受けようとしないのです。

 この相談者の方も「ときどき遅刻したり、何度か会議をすっぽかしたりと、私にもちょっと抜けているところがあります」などと書いています。

 こういうときに、誰かが勇気を出して「いや、あなたはめちゃくちゃよく遅刻しているし、会議はいつもサボっているし、仕事もミスだらけですよ」と伝えたとしたらどうでしょう? おそらく「ダメな面はたしかにあるけど…そこまでひどくはないでしょ(笑)」と耳を貸さないはずです。

 これは個人の性格だけの問題ではありません。 人間としての心理構造ゆえのことなので、致し方ない部分もあるのです。

「欠点の発見」はいつも成長をくれる

 私の会社では、全社員対象で「欠落的欠点」に気づくための研修をしています。 詳しくは『時間最短化、成果最大化の法則』にも書きましたが、要は5〜6人のグループになって、互いの欠点を発見するワークをやっていくのです。

 誰か一人に指摘されたくらいだと、人は自分の欠点を受け入れられません。 「Aさんって、いつも会議をサボってますよね」と指摘されても、「いやいや、2回か3回くらいじゃないですか〜」と言って聞き入れない。

 ですが、グループ対話の場をつくると、それが「みんなの意見」だということが可視化されます。

「たしかに僕も、Aさんが会議にいないのが前から気になっていました」「私もです。今期だけで7回欠席していますよ」「実は私も思ってました」

 そこまで言われて初めて、Aさんは「あれ? そんなふうに思われていたの…?」と受け入れモードになれます。「複数人と比べて自分だけ認知が食い違っている状態」をつくらないと、自分の欠点というのは見えてこないのです。

 ほとんどの人は、自分のことを「普通」の人だと思っています。 でも周りから見ると、ギョッとする「異常」な欠点があったりする。

 ただし、欠落的欠点に気づいて、それを正しく受け止めた瞬間、人はものすごく成長します。 相談者の方にも今、そのためのチャンスが訪れているのかもしれません。

(本記事は『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』著者による特別寄稿です)

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