「失敗を認めない人」に共通する口グセ・ワースト1

2024年5月12日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

「失敗を認めない人」に共通する口グセ・ワースト1

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年収が上がらない、モチベーションが上がらない──そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。引きこもりニートだった著者が、なぜ、ここまでの人生大逆転を実現できたのか? その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。そこで今回は、本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。連載8回目は、「『仕事ができる人』と『できない人』、挫折したときの対処法の違い」について話を聞いた。(構成・川代紗生)

Photo: Adobe Stock

「仕事ができない人」に共通する思考のクセ

——『スタートアップ芸人』を読んでいて、驚いたことがあります。 森さんに限らず、フィディアのみなさんは、失敗したとき・うまくいかなかったときの切り替えがとてもスピーディだなと。 第1章にあった「起業の最大の秘訣」として、こんなことが書かれていたのが印象的でした。

“現在は11事業やっているが、12番目の事業にチャレンジして失敗しても11事業に戻るだけ。だから大したダメージはない。でも、その事業が当たったら、劇的にリターンが増える。
時間とチャレンジするコストはかかるが、生活のベースはそれほど変わらない。
起業は世間で言われているほどリスクが高いものではないのだ。”(P57)

森武司(以下、森):しっかり読んでくださって、ありがとうございます。 そうですね、僕はもともと、貯金ゼロ、高卒で、4年間、ニート生活を送っていたこともありました。 そういった経験もあり、「失敗しても元に戻るだけ」という感覚が強く、思っていた通りの結果が出なくても、あまり落ち込みすぎなくてすむ、というところはあるかもしれません。

——挫折した後にどんな対処法をするかによって、その後の成果も大きく変わってくると思います。「仕事ができる人」「できない人」の「挫折したときの対処法」の最大の違いは、どこにあると思いますか?

森:少し厳しい意見になりますが、やっぱり一番よくないのは「他責化」することでしょうか。「これは僕、悪くないんですよ」と言いがちな人、責任を、他人や環境・会社に押しつけがちな人は、同じ失敗を繰り返す印象があります。 失敗を次の経験に活かすには、「自己分析」が必須です。何が問題だったのか、どうすれば問題が起きなかったのか、じっくりと振り返って分析しなくてはならない。

 その点、他責化する人は、「自己分析」ができません。あの人がこう言ったからしょうがなかった、運が悪かったというように、自分以外の要素に責任を見出すということは、つまり、改善点も見つけられないということです。

挫折したら「挫折しっぱなし」になっていないか?

——たしかにそうですね。「自己分析」をするためには、まず、物事を「自己責任化」して考える必要がある。

森:たとえば、営業担当者のケースで考えてみましょう。 取引先と契約が切れてしまったとしますよね。 そういうときに、「いや、あの取引先は切って正解ですよ」という言い訳をする人がたまにいます。

——ああ、なるほど……! ちょっと思い当たります。いますね、そういう人。

森:上司から、「あの取引先からの発注がなくなると、それだけで売上1億円落ちるよ」と言われても、「いや、あそことつき合ってると、メンバーみんな疲弊してたから、取引なくなってよかったですよ」と、自分を正当化する言葉を使うのがクセになっている。 自分が失敗したことを認めず、「結果、よかったです」が口グセになってしまっている人は、なかなか成長しません。

 言い訳の理由を探すのではなく、何が悪かったのか、もっとできることはなかったのかと自己分析して解決策を提案する。「売上が落ちた1億円分、他に契約してくれる会社見つけてきます。3日間、営業まわらせてください」 というように、リカバリーするよう、すぐ行動する。 本当に仕事ができる人ほど、それが自然とできているように思います。

——言われてみれば、何か失敗をすると、落ち込んだ気持ちから、いかに立ち直るか? いかにメンタルを回復させるか? ということにばかりフォーカスしがちだなと思います。

森:挫折したら、「挫折しっぱなし」になってしまう人が意外と多いです。 挫折して、ただでさえ落ち込んでいるとき、さらに「挫折した理由」を深掘りすると余計に辛くなるので、そこから逃げ出したくなる気持ちもわかるのですが。

新入社員の成長スピードがぐんと上がる!管理職がやるべき1つのこと

——以前、私がリーダーをやっていたチームに、「失敗したくない」という気持ちがすごく強い後輩がいたんです。 妥協したアイデアしか出さないタイプで、「失敗」すること自体をとても怖がっているように見えました。 どんなふうに指導できていたらよかったんだろうと、今でも考えることがあります。

森:小さく早く失敗させる」ことに尽きると思います。

——なるほど、小さく早く、ですか。

森:フィディアには「できるだけ早く小さな失敗を、何回かさせる」という育成方針があります。 僕たちも優秀な新卒を抜擢し、あえて高い役職の仕事を任せることがありますが、それもこの方針によるものです。

 いきなり大きな失敗をすると、本人にとっても会社にとっても痛手です。 それこそ、冷静に自己分析できないくらい落ち込んでしまう場合もあるでしょう。 だからこそ、小さな失敗を意図的に数回させるのです。

 本書でも、このようなエピソードを紹介しました。

“時には僕が社員に伴走しながら仕事を進めることもあるが、「これは失敗するな」と思うことがある。だが、そこであえて「待った」をかけずに失敗させ、「なんで失敗したかわかる?」と問いかけてみる。これを3回くらい繰り返すと、失敗する前に自分で気づけるようになる。(中略)
将来的な成長を考えると、小さな失敗は投資効果として極めて大きいのだ。”(P188)

 落ち込みながらも、冷静に自己分析できるようになるには、「小さく早い失敗」を繰り返すしかないのだろうと思います。

 僕も、会社を成長させる中で、さまざまな失敗をしてきました。 そんな中でも、創業以来18年連続増収増益できているのは、「仲間とともに、楽しく働く」というやり方が確立されてきたからだと思っています。

 社長の役割は、自分より高い能力を持つ仲間を集めること。 そして、その仲間に仕事を任せることです。

 本書には、仲間と一緒に会社を盛り上げるために、実用的に使えるノウハウをたくさん詰め込みました。 チームマネジメントに悩んだとき、リーダーとしてのふるまいに困ったとき、『スタートアップ芸人』が、地図とコンパスになればいいなと願っています。

ダイヤモンドオンライン

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