悪夢は「妻が逮捕された日」から始まった──。現役教師が性暴力の罪と闇に挑んだ問題作『いっそこの手で殺せたら』その衝撃中身とは?

2024年5月16日(木)14時16分 PR TIMES


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《ここは学校のトイレである。放課後ともなれば生徒がほとんど訪れない棟の、階段室に入り口がある。その奥の、最も広い個室だった》
うごめく2つの影。獣じみた吐息と、静かに広がる絶望──。

 冒頭から凶烈な一撃を食らわせる問題作『いっそこの手で殺せたら』(双葉文庫・小倉日向 著)が今月15日(水)に発売された。

 単行本刊行時、先読みwebサービス・ネットギャリーにおいて、全国の書店員や本好きインフルエンサーら会員のリクエストが殺到し、ページビュー2位・リクエスト3位・レビュー数2位を記録。「虫酸が走るのに、気づけば一気読み」といった熱烈コメントを多数獲得しただけあり、ストーリー展開は最後の最後まで予断を許さぬ猛毒の波状攻撃が続く。

 主人公は元教師のライター・筒見芳晃。10歳年下の可愛い妻と年頃の娘に恵まれ平和な家庭を築いていたが、突如、妻が行方不明に。交番に駆け込んだ芳晃は、妻の逮捕を告げられ動揺すると同時に愕然とするのである。結婚して15年余、妻の勤め先はおろか、過去も、裏の顔も、何も知らなかったことに。

 しかし、これは悪夢のほんの入口。ようやく釈放されると伝えられ、喜び勇んで妻を迎えに行った芳晃は、警察署で超想定外の事態に遭遇。そこから惨劇の幕が切って落とされるのだ。

 物語の重要な鍵となるのが、昨今、大きな問題となっている性暴力。

 プロローグから踏み込んだ衝撃描写に挑んだ著者の小倉は、なんと現役のベテラン教師であり、教育現場の隅々まで知り尽くしたその道のプロだという。

 だからこそ、ひとり立ち尽くすカバー装画の少女に暗示されるような、許せない現実がある。決して目を逸らしてはいけない重いものがある。

「覚悟がある人だけ読んで下さい」という帯の惹句通り、主人公が選ぶ凄まじいラストは、読み手にある種の“覚悟”を突き付けてくるだろう。

 それが不思議な痛快さであれ、言葉にできない嫌悪であれ、細胞レベルで揺さぶりをかける本作。ぜひ、「読む」のではなく「体験」してほしい。

書籍情報


書名:いっそこの手で殺せたら
著者:小倉日向 (オグラヒナタ)
発売日:2024.05.15
定価:946円 (税込)
判型:双葉文庫
ISBN:9784575527551
発行:双葉社
https://www.futabasha.co.jp/book/97845755275510000000

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