「そうなんですよ」「参考にします」は絶対NG…ビジネス会食で使ってはいけない「NGフレーズ」

2024年6月17日(月)10時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kuppa_rock

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「ビジネス会食」ではどんなことに気を付ければいいのか。大手広告代理店出身のyuuuさんの著書『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』(ダイヤモンド社)より、一部を紹介する——。

■序盤は徹底して「話を聞く側」に回れ


では会食の序盤から中盤にかけてはどのようなスタンスで臨むべきか。


結論から言うと、参加者から話を引き出し、徹底して聞く姿勢を持とう。会食序盤は「ゲストが話したいこと、興味を持っていること」について聞く場だと心得てほしい。自分の熱の込もった話は終盤にとっておき、序盤から中盤は他の参加者の話に耳を傾ければよい。


それでは聞く姿勢とは具体的にどういったものか。相手に楽しく話してもらうコツをリストアップしてみよう。


口角を上げて笑顔を作る
キチンと目を見る
内容に興味を持つ
物理的に前のめりになる
適切な相づちを打つ
リアクションは大きく
プラスの感情表現を多くする

仕事のメールが気になっても携帯をいじらない。携帯を見る際は席を外す

特に気を付けるべきは相づちだ。自分ではまったく意識していないのに「ハイハイハイ」と立て続けに相づちを打ってしまう人は年齢に限らずかなりいる。もちろんその相づちに悪意がないことはわかるが、不快に感じる人もいるため、意識して直したい。その他にも、人を不愉快にさせてしまう癖はある。食事の際に口を閉じず、音を立てて食べるのもそのうちの一つだ。


写真=iStock.com/kuppa_rock
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■「相手の名前を呼ぶ」のも極めて有効な一手


しかしながら、相づちも、音を立てて食べるのも、自分ではなかなか気づけないものである。自分の癖に気づくために、日頃から他者のフィードバックをもらっておこう。予め上司に「私の相づちで違和感があるところないですか?」「食事の際に私の所作で不愉快になるポイントはないですか?」と聞いておき、もし指摘を受けたら日々意識して矯正しよう。私も恥ずかしながら、社会人1年目には上司からの指摘を受けて直したものだ。あの時の上司には感謝してもしきれない。


また、コミュニケーションにおいては「相手の名前を呼ぶ」のも極めて有効な一手だ。


心理学で「ネームコーリング効果」といわれるものだが、人は自分の名前を好意的に受け取っていて、名前を呼ばれると相手への好感度が高くなるのだ。細かいテクニックだが相手との信頼関係構築においては使える技術なので覚えておきたい。


■相手の裏に眠っている「感情」を見よう


聞く力には、話の内容を理解するだけではなく、「相手の感情を理解する」ことも含まれる。そのためには自分の解釈を挟まずにそのまま話を受け止め、相手と同じ風景を見ようとすることが肝要だ。話の内容だけでなく、言葉以外の表情や心の動きをつぶさに観察するようにすれば、聞く力は飛躍的に向上するはずだ。


写真=iStock.com/filadendron
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自分の解釈を挟んでしまうと、つい話の途中で口を挟みたくなってしまうものである。それをグッと我慢して、言葉をありのまま受け止めるとともに、言葉以外の非言語メッセージにも着目をしよう。具体的には相手の表情・声のトーン・姿勢などである。


往々にして、他者から信頼されない人物は「人の話を真摯に聞けない」ものだ。その人に悪気はなかったとしても、次などは、嫌われるコミュニケーションである。


相手の話を途中で遮って自分の話をする
話が途中なのに求められていない解決策を伝える
自分の意見を言いたくて仕方がなくなり、話が上の空になる

私はつい自分の話ばかりしてしまうタイプだ。今でも人の話を聞くのが苦手である。


話を聞いている時に、意識が自分に向かっていないかを常に意識したい。具体的には「自分が言いたいことを言うのが目的になっていないか」を観察しよう。今まで「人の話を聞かない」と指摘を受けたことのある方は、ぜひ「話の内容だけでなく、表情や心の動きに着目してみる」ことにチャレンジしてほしい。


■「人によっては気にするコトバ・振る舞い」を避ける


他意はなくとも、してしまいがちなコミュニケーションの悪例について述べてみたい。


昨今、上司が部下に対してパワハラを指摘されないか怯えているため、昔であれば注意を受けた「当たり前のこと」が見逃される傾向にある。過去に私が百戦錬磨の先輩方から指導を受けたうちのいくつかを紹介するので、役立てていただきたい。


▼「そうなんですよ!」

会食に限らず、目上の方が多い飲み会でさまざまな方からアドバイスを頂く機会があるだろう。その際に「そうなんですよ!」と相づちを打ってしまう方はちらほらいる印象だ。


これは極めて不適切である。自覚している欠点、意識している改善ポイントについて指摘をされた際にしがちなのだが、「それは言われなくてもわかっています」と捉えられてしまうリスクがある。言い換えて「おっしゃる通りですね。今後気を付けてまいります」「貴重なアドバイスをありがとうございます。大変勉強になります」などとしよう。


■「参考にします」は×、「勉強になります」は○


▼「参考にします」

使いがちな発言である。「参考にします」だと、「自分の意見は決まっているが、あなたの意見は参考程度に聞いておきます」という意味になりかねない。


目上の人やゲストからアドバイスを頂いた場合、正しくは「勉強になります」だ。


▼「この店初めてで」


yuuu『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』(ダイヤモンド社)

あなたがホストの場合、仮に初めて利用する店であったとしても伝えるべきではない。ゲストからすると「初めての店を選ぶということは、私たちが大切にされていないのではないか」と捉えられかねないからだ。会食でよく使うジャンル(フレンチ・イタリアン・割烹・会食向けの居酒屋)ごとに行きつけの店を作り、信頼関係を築いておくに越したことはない。


▼「わざわざお越しいただき」

多くの方が使ってしまいがちなのだが、「わざわざ」には「しなくてよいのに」という意味も込められている。「わざわざお越しいただきありがとうございます」は、「本日はお忙しい中貴重なお時間をいただきありがとうございます」と言い換えよう。


▼シェフやサービススタッフと仲良くしすぎる

これは会食慣れしている人でもよくしてしまう過ちである。自分が大切にしている店に連れてきたことを暗にほのめかすため、サービススタッフやシェフと懇意にしている姿を見せるのだ。当人はよかれと思ってやっていても、ゲストは疎外感を感じてしまう場合が非常に多い。


「自分が懇意にしている店だからこそ、ゲストにも特別待遇をしている」のを伝えたい気持ちはよくわかるが、ゲストファーストの徹底を忘れてはならない。サービススタッフやシェフとは適度な距離感を保とう。


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yuuu(ユウ)
会食ライター
京都大学大学院修了後、非体育会系・アルコールに弱いにもかかわらず、新卒で電通に入社。入社当時は競合代理店である「博報堂の回し者」と社内で揶揄されるほどの落ちこぼれであったが、先輩の言葉をきっかけに会食に全力で取り組むように。最大28回会食/月に及ぶ苦戦苦闘の末に、すべての会食・食事会を誰もが成功に導くことができる、徹底的に実務に即した体系的な会食ノウハウ=「会食メソッド」を独自に生み出す。その後、自らセッティングした会食をきっかけに、念願のスタートアップ企業に就職。「会食メソッド」の一部を公開したnoteは大きな反響を呼び、noteでは異例の約30万PVを達成。X(旧Twitter)フォロワー数2万9000人(2024年3月時点)。
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(会食ライター yuuu)

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