メタとグーグルが増収達成、インターネット広告復調

2023年8月1日(火)16時0分 JBpress

 米メタの2023年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比11%増の319億9900万ドル(約4兆4900億円)で、6四半期ぶりの2桁増収になった。


メタ、2四半期連続増収 7四半期ぶり最終増益

 22年(昨年)は景気減速の影響で、主力のインターネット広告事業が振るわなかった。22年は1〜3月期は増収だったが、その後の3四半期はいずれも減収だった。しかし、23年に入って2四半期連続の増収を達成した。また、23年4〜6月期の純利益は同16%増の77億8800万ドル(約1兆900億円)で、7四半期ぶりに最終増益となった。

 メタの売上高は98%をネット広告が占める。その23年4〜6月期の金額は、314億9800万ドル(約4兆4200億円)で、前年同期から12%増加した。

 マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は決算説明会で、「私たちのアプリには引き続き強いエンゲージメントが見られる」と説明した。

 メタのグループ全体のサービスの23年6月における日間アクティブ利用者数は30億7000万人で、前年同月から7%増えた。SNS(交流サイト)「Facebook(フェイスブック)」の日間アクティブ利用者数は20億6000万人となり、同5%増加した。


大規模レイオフでコスト削減も

 一方で、23年6月末時点のメタの従業員数は約7万1500人となり、1年前から14%減った。同社は、23年3月、約1万人の従業員を追加削減すると発表していた。22年11月には当時の従業員の約13%に当たる1万1000人超のレイオフ(一時解雇)を明らかにしており、2回目の大規模解雇に着手した。同社によれば、23年のレイオフ計画ではすでに約半数を削減したという。

 メタの1株利益は2.98ドル(前年同期は2.46ドル)となり、市場予想(2.91ドル)を上回った。23年7〜9月期の売上高は320億〜345億ドル(約4兆4900億〜4兆8400億円)を見込んでいる。インターネット広告の復調を受け、メタの株価は7月26日の米株式市場の時間外取引で一時終値から7%超上昇した。


アルファベット、6四半期ぶりに最終増益

 米グーグルの持ち株会社、米アルファベットが発表した決算の内容も良かった。同社の23年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比7%増の746億400万ドル(約10兆5100億円)だった。純利益は同15%増の183億6800万ドル(約2兆5900億円)で、6四半期ぶりに最終増益となった。減少が続いていたインターネット広告事業がプラスに転じ、クラウドサービス事業も大幅増収となった。

 アルファベットでは、全売上高の78%をネット広告収入が占める。その23年4〜6月期の金額は、581億4300万ドル(約8兆1900億円)。前年同期から3%増加し、3四半期ぶりにプラスに転じた。

 このうち7割強を占める検索連動広告の売上高は426億2800万ドル(約6兆80億円)で、同5%増加した。動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」の売上高は、同4%増の76億6500万ドル(約1兆800億円)で、22年4〜6月期以来の増収となった。

 同社がネット広告に次ぐ事業として力を入れるクラウドコンピューティングの売上高は80億3100万ドル(約1兆1300億円)。前年同期比28%増と、大幅増収だった。


アルファベットも大規模リストラ

 一方、アルファベットの23年6月末時点の従業員数は約18万1800人で、3カ月前から8000人近く減った。23年4〜6月期は、これら整理解雇(リストラ)などに伴い6900万ドル(約97億円)の費用を計上した。

 アルファベットも大規模なリストラに着手した。同社は23年1月、グループ全体で約1万2000人を削減すると発表。対象になったのは全従業員の約6%。スンダー・ピチャイCEO氏は、「製品や事業、役職、地域を問わず、全社を横断するものになる」と説明していた。

 アルファベットの1株利益は1.44ドルで、売上高とともに市場予想を上回った。この決算を受けて、同社の株価は7月25日の米株式市場の時間外取引で一時終値から6%超上昇した。

筆者:小久保 重信

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