若手社員のリアル 若年層離職問題の専門コンサルタントSTORY
2024年9月19日(木)10時30分 PR TIMES STORY
〜ManpowerGroup STORY Vol.4〜
今回は若手社員の早期離職をテーマに研修を行っている、マンパワーグループ株式会社 ライトマネジメント事業部シニアコンサルタントの古川 武生さんにインタビューをしました。自身のキャリアや入社後の経験について振り返りつつ、昨今における若手社員や若年層における価値観の変化について教えていただきました。
若手社員や若年層におけるキャリア観の変化。退職代行サービスの利用増加も顕著に
—昨今、退職代行サービスに関するニュースが多く取り上げられていますが、キャリアデザインを専門とする古川さんはどのようにお考えですか?
非常に難しい問題ですね。退職代行サービスを利用する背景には、上司部下間の心理的安全性が保たれていないことが原因で、直接コミュニケーションを取ることができずに外部サービスを利用しているケースも多いと思います。中でも入社間もないタイミングの若手社員とは、短期間で心理的に安全な関係性を構築するのは簡単ではないでしょう。
若手社員のキャリアに対する価値観は変化しており、上司・部下間のコミュニケーションには注目が集まっています。実際に企業からご相談をいただく機会は近年増加していますね。
マンパワーグループ株式会社 ライトマネジメント事業部が行った
退職者インタビューでは、若手社員はキャリアに関連した理由で
退職を決断する傾向があることが分かった。
労働環境への問題意識は大学時代から。転職活動を経て、2001年マンパワーグループへ入社
—古川さんが若手社員の早期離職問題に取り組むまでの、ご自身のストーリーを教えていただけますでしょうか?
自身のキャリアについて考える最初のきっかけとなったのは、大学時代のゼミでした。
私は労働法のゼミに入り、主に労働時間をテーマに研究をしていました。その中では、無限定な長時間労働をせざるをえない環境に置かれ過労死してしまうケースや、労働時間に対する必要な休憩時間が取得できないなどの判例を取り上げていました。そういった労働環境の問題について考えていくうちに、「自分自身が納得できる働き方を実現するにはどうしたらいいのだろう」と考えるようになりました。その経験から、自分のキャリアは自分でしっかりと考え、築いていかなければいけないと考え始めるようになりました。
大学卒業後は、自動車部品を海外へ輸出する商社に入社しました。充実した社会人生活を送っていたのですが、入社から約3年経った時、所属していた部門が閉鎖になることが決まり、このまま同じ会社で働くのか、それとも新たな道を選択するのか、そもそも自分はどのようになりたいのか、とキャリアを見つめ直すタイミングが訪れました。転職活動をしていた2001年当時は、人材業界が成長していた時期で、成長産業に身を置いてみたいという興味と、大学時代に研究をした労働法の知識を生かすことができる点に魅力を感じ、マンパワーグループへ入社しました。
入社後は営業職からキャリアをスタート。当時の経験が、若年層をテーマにしたコンサルティングの軸となる
—マンパワーグループでは現在のコンサルタント職の他にも、人材派遣サービスの営業職を経て管理職も経験されています。派遣社員と接することや管理職として部下と接する中で感じたことと、若年層を対象とした課題のソリューションに共通点はありますか?
いま振り返ってみると、沢山の派遣スタッフの方のキャリアに向き合った経験や、年上の部下を持つマネージャーを経験した際の気づきは、現在のコンサルタント職に通じていると感じますね。
マンパワーグループへ入社後は、人材派遣サービスをメインに扱う支店で営業を10年間経験しました。派遣営業では、多くの派遣スタッフの方々と出会い、様々な人生・キャリアに向き合いました。就業中のサポートの際も、単に現在の仕事を継続するのか否かではなく、なぜこの会社で、今の契約形態で働いているのか、今後どうしていきたいかなど深くヒアリングをすることで、多様な価値観に触れることができました。
営業の仕事の中でマネジメントも経験しました。マネジメント経験は初めてで、しかもメンバーのほとんどが年上の方でした。入社した時の先輩社員が部下になったこともあり、最初はメンバーとのコミュニケーションは手探りでしたね。その時に参考にしたのは、メンバー時代にお世話になったマネージャーの育成方針でした。メンバーとは丁寧なコミュニケーションを心がけ、頭ごなしに否定をせず意見を聞きながら話し合いを進める。そのような環境で仕事をしていると、私自身は上司から尊重されていると感じ、また組織に対する安心感を得ながら働くことができていました。自分自身もそのようなマネジメント手法を取り入れたのですが、当時感じた安心感は、現在行っている若年層を対象としたコンサルティングの軸になっていると思います。
上司と社員の間で良い関係性を築くためには。共通認識を持ち、個々の価値観に向き合い、成長機会を提供してゆくこと
—お話を伺う中で、組織に対する安心感が若年層を対象としたコンサルティングの大切なポイントであると感じました。現在、古川さんが企業に提供しているソリューションのキーメッセージは何ですか?
現在の管理職世代は、若手時代に自分のキャリアを組織の階層でとらえる上司の下で仕事をしていました。つまり、"昇進そのものがキャリア"という考え方の影響を受けていたのです。それに対し現代の若手社員は、組織に関係なく同世代と比較をする傾向があり、自身が周りに遅れを取っていないかを気にしているのです。管理職世代と、現代の若手ではそもそもキャリアに対する考え方が異なるため、管理職や企業は若手社員のことを彼らの目線で理解しようとすることが重要です。
お互いに理解をするためには、まず上司と若手社員の間に心理的な安全性が担保できていることが最重要です。上司と若手社員の関係構築が十分ではないと、若手社員は上司に対して忖度をしてしまい、想いを伝えられずに終わってしまいます。そうならないためには、日々の何気ない対話の中で一人一人の価値観を引き出し、共通認識を持つことが必要です。そして個々の価値観に向き合い、成長機会を提供していくことができれば、良い関係性が築けるのではないかと思います。
私自身は、これからの企業の成長を担う若手社員に、もっと生き生きと活躍して頂くための後押しをしていきたいと考えています。生き生きと活躍するためには、将来どのような姿になりたいのかを一人ひとりが考え、言語化し、その実現に向けて行動を起こすことが大切です。若手社員が持つ多様性を組織の成長ドライブに繋げていくために、組織と個人のキャリア開発に力を入れて取り組んでいきます。
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ