KPMGジャパン、「顧客体験価値を向上させるテクノロジーに関する調査(国内小売業)」を発表

2024年10月17日(木)18時46分 PR TIMES

先進テクノロジー動向と消費者ニーズをふまえた企業の方向性

KPMGジャパン(東京都千代田区、共同チェアマン:山田 裕行、知野 雅彦)は、「顧客体験価値を向上させるテクノロジーに関する調査(国内小売業)」を発表しました。本調査では、下記6つのテクノロジーについて、企業・消費者双方へのアンケート調査および企業担当者へのインタビューを実施しました。企業の現状の取組みを明らかにし、消費者側が求める水準とのギャップを特定し、その上で、国内の小売企業が目指すべき購買支援のあり方を考察しています。

<調査対象としたテクノロジー>
- 実店舗における購買の利便性を高めるテクノロジー
- オムニチャネルショッピング
- ハイパーパーソナライゼーション
- 多様な配送サービスを実現するテクノロジー
- エシカルソーシングを促進する情報提供
- その他新興テクノロジー


主な調査結果は以下の通りです。
- 今回調査対象としたテクノロジーを活用した購買支援ツール・サービスには、企業側の現状の導入状況と消費者側が求める水準との間に多数のギャップが見られた。
- 企業側の導入状況を上回る形で消費者の活用状況が上回ったテクノロジーの1つとして、「セルフ化や無人店舗」があげられる(導入中の企業:35%、活用済みの消費者:53%)。
- 企業側の導入状況に比して消費者への浸透が進まないテクノロジーの1つとして、OMO(Online Merges with Offline)ロイヤルティプログラムである「店舗への来店や商品購入等でポイントが貯まる会員システム」があげられる(導入中の企業:34%、活用済みの消費者:19%)。
- 「パーソナライズド広告・販促」は、63%の企業が取組む一方で、監視されているような嫌悪感があることや精度に不満を感じることから、53%の消費者がネガティブな印象を抱いている。

※本プレスリリースでは上記6つの調査対象のうち、「実店舗における購買の利便性を高めるテクノロジー」、「OMOにおけるロイヤルティプログラム」、「ハイパーパーソナライゼーション」の3つについて調査結果の概要を記載しています。

各テクノロジーの調査結果の概要は以下の通りです。
1.実店舗における購買の利便性を高めるテクノロジー
在庫情報や店舗レイアウトのデータ化、自社アプリやセンサーの開発・発達や人手不足・人件費高騰による店舗業務効率化の必要性を背景として、「セルフ化や無人店舗」のテクノロジーへの注目が集まっています。セルフレジやセミセルフレジは3割強の企業が導入するだけでなく、6割程度の消費者が活用済みまたは今後活用する意向を示しています。さらに無人店舗やウォークスルー店舗といった先進的なテクノロジーについては、現在の企業の導入状況は限定的(1割未満)であるものの、人材不足・人件費高騰による店舗業務効率化等の必要性から3割程度の企業が将来的に取組みを推進する意向があるだけでなく、4割程度の消費者が活用済み、または今後活用する意向があることが分かりました。一方で、「セルフ化や無人店舗」は初期費用が高額なことが導入の障壁となっており、売上向上や省人化・業務効率化の観点からも採算性の検証が重要になると考えられます。

図1:企業・消費者の「セルフ化や無人店舗」の導入状況・活用意向
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141127/22/141127-22-e3585abee556d0e32798eca3e510cc93-1361x1027.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

2.オムニチャネルショッピング
コロナ禍を機に衣料品小売・住関連小売(日用品)など、店舗とeコマース(EC)の両立が進む業種を中心にオムニチャネルショッピングが浸透しています。そのなかで、会員登録に基づく属性・購買・嗜好に関する情報把握と、購買・関連行動へのインセンティブの提供によるファン化を支援する「OMOにおけるロイヤルティプログラム」のテクノロジーが注目されています。特に、衣料品小売や百貨店といったブランドを重視する業種はロイヤルティプログラムへ注力しており、会員ランクに応じて対面/アプリでタッチポイントを使い分けたマーケティング活動を行っています。しかし、企業側の取組み状況と比較して、消費者側の活用は進んでいません。例えば店舗への来店や商品購入等でポイントが貯まる会員システムは6割程度の企業が導入済みまたは導入を検討しているのに対し、活用済み・活用意向がある消費者は3割程度と大きな乖離が見られます。こうしたギャップは、ロイヤルティプログラム自体のコモディティ化により差別化が難しくなっている点や、消費者が求めるのがポイント付与による単純な割引ではなくなっている点など、ロイヤルティプログラムにおけるトレンドの変化から生じていると推察されます。今後に向けては、ブランドコンセプトに即した活動といった購買関連行動以外のタッチポイントにおいても、金銭的なインセンティブ以外のロイヤルティ獲得手段を検討したうえでデータの活用目的を再定義し、必要なデータの管理や連携を行うことが重要であると考えられます。

図2:企業・消費者の「OMOにおけるロイヤルティプログラム」の導入状況・活用意向
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141127/22/141127-22-a188d3be4018aaaca1f6366e3be5eac3-1897x881.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

3.ハイパーパーソナライゼーション
顧客の好みや行動データをリアルタイムで収集し、顧客の要望やニーズに応じて製品、サービス、顧客体験をカスタマイズするという概念を活かした一連のテクノロジー「ハイパーパーソナライゼーション」は、オムニチャネル化の浸透に加え、AI・機械学習の発展、取得できる顧客データの増加によりデータ活用の幅が広がっていることを背景に浸透が進んでいます。一方で「パーソナライズド広告・販促」は6割強の企業が取り組んでいますが、監視されている気分による拒否感や精度が低いことから、半数以上の消費者がマイナスの心象を抱えています。この他にも、個人情報の収集や閲覧履歴に基づくトラッキングに対する、情報漏洩リスクへの懸念があることや活用目的が分からないことへの抵抗感、といった理由もあげられています。ハイパーパーソナライゼーションの実現に向けては、プライバシー保護におけるさまざまな観点からの配慮が求められるほか、それらに対応するための人材や知識が必要不可欠です。企業は一時的な閲覧履歴や活用目的が明確でない個人情報の収集ではなく、既成事実であるユーザーの購買履歴や同じ商品を購入したセグメントに基づきAIがニーズを類推し商品をレコメンドすることで、消費者にとって監視されている気分が払しょくされ、自然で受け入れやすい広告になっていくと想定されます。

図3:「パーソナライズド広告・販促」の企業の取組み状況と消費者の反応

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141127/22/141127-22-88515420f038264a3e0bcc1425aaed87-1316x1026.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
レポートの全文については、こちら(https://kpmg.com/jp/ja/home/insights/2024/10/technology-consumer-survey.html)をご参照ください。



調査方法
消費者アンケート調査
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/141127/table/22_1_4418b64cc8d4db054e657c4c1bc998ee.jpg ]


企業アンケート調査
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/141127/table/22_2_df8c5f38915f649466f145776f499659.jpg ]


企業インタビュー調査
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/141127/table/22_3_5338e26341f8abf108369c18d77c72fb.jpg ]


KPMGジャパンについて
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