仕事で「裁量を求める人」は結果を出せない。ベンチャーで働く人が気づいていない「上司のホンネ」とは

2024年11月24日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

仕事で「裁量を求める人」は結果を出せない。ベンチャーで働く人が気づいていない「上司のホンネ」とは

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「仕事で“裁量”を求める人は、ベンチャーで結果を出せません」そう語るのは、ベンチャー・スタートアップに特化した転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、自身も新卒で、当時ベンチャーだったインテリジェンスに入社し、圧倒的な結果を出して独立しました。その高野さんが「ベンチャーで結果を出す働き方」をまとめたのが、書籍『ベンチャーの作法』です。圧倒的に活躍する人に共通する「5つの行動原則」を紹介。“きれいごと”抜きの仕事論に、「こんな本がほしかった」と話題に。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「裁量を求める人が活躍できない理由」をお伝えします。

Photo: Adobe Stock

「結果」より先に「裁量」を求めるな

「仕事の裁量さえもらえれば、もっと結果を出せるんです」

 ベンチャーで働いている人の相談を受けていると、決まって言われることです。 ですが、結果よりも先に裁量を求めてはいけません。

 裁量のある仕事を求めてベンチャーに来る人は少なくありません。 一般的に「大企業」と呼ばれるような会社に就職した人は、経験が浅いうちから裁量のある仕事を任せられることは少ないでしょう。基本的には、上司の指示に従うばかりです。

 しかも年功序列ですから、仕事を頑張ったところで意味はありません。その環境にやりがいを感じられず、ベンチャーに転職する人は少なくありません。 だから、冒頭のような言葉を口にするのです。

仕事はしたいけど「指図」はされたくない

「裁量のある仕事がしたい」

 この感覚は、まだ社会に出る前の学生にもあるようです。 最近の大学生が就職先を選ぶ基準では、「裁量のある仕事を任せてもらえる」ことが重視されています。学生のときからすでに、人に指図を受けたくないと思っているんですね。 主体性や自立性を尊重した近年の教育方針の影響もあるかもしれません。

 これは「仕事を振られたくない」ということではありません。むしろ逆で、仕事をもっと頑張りたいという意欲はあります。 あくまで、「うるさく指図されたくない」だけなのです。 その結果、自分の裁量で仕事を進められるベンチャーを目指す人が増えています。

「裁量のある仕事」を任せてもらうための条件

 ですがベンチャーで、最初から「裁量」を求める人は失敗します。

 まず大事なのは「言われたことをやる」ことです。 ベンチャーに入った人の大半は、この理想と現実のギャップに面食らいます。

 ベンチャーは基本的にどこも仕事だらけで、皆つねに忙しく働いています。経営者やマネージャーも例外ではありません。 というか、役職が上の人ほどたくさんの仕事を抱えていて、「できることなら部下に丸投げしたい」のが本音です。

 でも、しません。「部下に任せると結果が出ない」と思っているからです。

 ベンチャーにとっては、すべての仕事が事業の命綱。「任せてみてダメだったら、それもしかたない」というわけにはいきません。 ですから、誰もが最初から裁量を与えられるわけではありません。

 裁量を得たいなら、まずは末端の仕事をしっかりこなして信頼を得る必要があります。そうして初めて、仕事を「丸投げ」してもらえるのです。

 依頼者から「自分でやるより、あいつに任せたほうがいいな」と思ってもらえるくらいクオリティの高い仕事ができて初めて、裁量のある仕事ができるのです。

(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)

高野秀敏(たかの・ひでとし)
株式会社キープレイヤーズ代表取締役。東北大学特任教授(客員)。文部科学省アントレプレナーシップ推進大使
これまでに1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援をおこなってきたヘッドハンターかつ経営者。とくにベンチャー・スタートアップへの転職支援に特化している。エンジェル投資家、顧問、社外役員としても活動しており、関わる企業は173社。識学など投資先企業8社と、創業から役員として関わったクラウドワークス、メドレーの2社が上場している。新卒ではインテリジェンスに入社。上場時のメンバーとして、ベンチャーから大企業への変化を身をもって体験した。自身も圧倒的な結果を出し、その後に独立。

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