【開発】リアルハプティクス(R)を搭載した6自由度ヘキサロボット

2023年11月27日(月)14時16分 PR TIMES

〜日鉄エンジニアリング、三菱電機、モーションリブ、慶應義塾大学4者共同で開発〜

日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:石倭 行人、本社:東京都品川区、以下「日鉄エンジニアリング」)、三菱電機株式会社(執行役社長:漆間 啓、本社:東京都千代田区、以下「三菱電機」)、モーションリブ株式会社(代表取締役社長:溝口 貴弘、本社:神奈川県川崎市、以下「モーションリブ」)及び慶應義塾大学(新川崎先端研究教育連携スクエア特任教授/ハプティクス研究センター センター長:大西 公平、神奈川県川崎市、以下「慶應大学」)は、高度な力覚の必要な作業を可能とするリアルハプティクス(R)を搭載した6自由度パラレルリンクロボット(以下「ヘキサロボット」)を開発しましたのでお知らせいたします。

今回開発したヘキサロボットは、接触を伴う高度で高負荷な力覚の必要な作業と、リアルハプティクス(R)※1を適用した遠隔操作が可能です。これにより、産業用ロボットが普及する中でも依然として人に頼らざるを得なかった「非定型作業」を、ロボットに代替させることができます。
ヘキサロボットは、日鉄エンジニアリングが開発したリンク構造のアームと三菱電機製MELSERVO-J5シリーズのサーボアンプとサーボモータで構成されており、三菱電機製MELSEC iQ-Rシリーズのモーションユニットによるリアルタイム制御を実装することで、繊細かつ高応答なモーション制御(位置・速度・力)を可能にし、人の手首のような動きを実現しました。また、三菱電機製産業用ロボットMELFA RV-FRシリーズを連携させることにより、接触を伴うより複雑で高度な力覚の必要な作業を可能にしました。
さらに、モーションリブ製AbcCore(R)※2通信モジュール「RT-TSN1」を用いることで、AbcCore(R)とサーボアンプとのフルデジタル接続を実現し※3、ヘキサロボットと相似構造を持つヘキサ操作機でのリアルハプティクス(R)を適用した遠隔操作を可能にしました。
遠隔操作での高度な力覚の必要な作業が可能なヘキサロボットは、モノづくりや製造業における嵌合(かんごう)、研磨、研削作業などの複雑な熟練作業への適用が期待でき、人材不足や現場作業環境の改善などの課題を解決します。
日鉄エンジニアリング、三菱電機、モーションリブ、慶應大学は、今後も4者共同研究を継続し、あらゆる作業を代替するロボットの開発に取り組むことで、安心・安全で持続可能な社会・産業インフラの構築に貢献してまいります。


※1 慶應大学で発明された力触覚伝送技術で、アクチュエータの力加減を自在に制御することができる技術です。この技術により、力センサレスで力触覚をともなう「遠隔操作」「計測可視化・分析」「自動化」「感触の再現・VR」が可能となります。
※2 モーションリブが開発した、リアルハプティクス(R)の実装を簡便にする力触覚制御ICチップ。
※3 モーションリブプレスリリース「モーションリブ、三菱電機、日鉄エンジニアリング、慶應義塾大学の4者共同研究により、幅広い三菱電機製サーボアンプでリアルハプティクス(R)が利用可能」参照。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000027265.html
[画像: https://prtimes.jp/i/91727/61/resize/d91727-61-2fff7fbb6686a95c2a11-0.png ]


【各社の取り組み】

日鉄エンジニアリング株式会社
日鉄エンジニアリングは、製鉄・環境・エネルギー・都市インフラなどの、各種プラントの設計・建設から操業・保守までグローバルに事業を展開しています。その中で、近年の慢性的な人材不足や技術伝承、現場作業環境の改善といった課題を解決すべく、これまで機械化が難しかった非定型作業を含む、各種現場作業の機械化・自動化(Think Robot(R))を進めています。日鉄エンジニアリングは2013年より慶應大学とリアルハプティクス(R)技術の産業適用に関する共同研究を行っており、すでに複数の現場において、微妙な力加減が必要な作業の機械化を実現し、全て安定して稼働しています。
https://www.eng.nipponsteel.com/


三菱電機株式会社
三菱電機は、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器などの製造・販売を行っており、FAシステム事業の領域においては、お客様の生産性向上に貢献する高速・高精度のACサーボシステムを展開しています。MELSERVO-J5はCC-Link IE TSN※4に初めて対応したACサーボアンプであり、最小通信周期31.25μsと速度周波数応答3.5KHzで、高度なモーション制御が可能です。性能・機能を大幅向上し、装置の革新的進化に貢献します。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/
※4 TSN(Time-Sensitive Networking)技術の活用により、サイクリック通信でリアルタイム性を保証した制御を実施しながら、ITシステムとの情報通信が混在可能なネットワーク。


モーションリブ株式会社
モーションリブは、機械が力触覚を自在にコントロールするために必要なリアルハプティクス(R)について、機械への実装を可能にするための研究開発から、キーデバイスであるAbcCore(R)の製造販売まで行う慶應大学発ベンチャー企業です。
AbcCore(R)は力センサや特殊なモータなどを必要とせず、市販のモータを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現する点に技術的優位性を持っています。このAbcCore(R)は、すでに80社ほどの企業に先行提供されており、共同研究や、実用化が始まっています。
共同研究を行う「ソリューション事業」、AbcCore(R)やすぐ使える製品を提供する「デバイス事業」、技術を提供する「ライセンス事業」の3つの事業を柱に、お客様の製品企画から量産販売までをサポートできる体制を構築しています。モーションリブでは、リアルハプティクス(R)の実用化をさらに加速するために、共同研究企業様の募集を積極的に行っています。
https://www.motionlib.com/

慶應義塾大学ハプティクス研究センター
ハプティクス研究センターは、大西公平特任教授が発明したリアルハプティクス(R)の研究開発および広く医療・産業界に普及させることを目的として2014年に設置されました。リアルハプティクス(R)は、人間が物体に触った際に感じる硬さや柔らかさ、風船のような弾力、自律的な動きなどの力触覚を伝送して、遠隔にいる操作者の手元で同様の力触覚を再現できる技術です。また、この技術には力触覚を検知するセンサが極めて少なくてすむという利点もあります。
リアルハプティクス(R)に関連する幅広い研究と開発や基本から応用まで多種多様な研究開発課題に取り組み、国のプロジェクトをはじめ企業との積極的な共同研究開発を行っています。
https://haptics-c.keio.ac.jp/

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