ドイツの医療機器を日本へ。ビー・ブラウンエースクラップの市場導入ストーリー

2023年12月5日(火)13時0分 PR TIMES STORY

ドイツで180年以上の歴史を持つ医療機器メーカー、B. Braunグループの日本法人として1986年に設立したのが、私たちビー・ブラウンエースクラップ株式会社です。以来、幅広い診療領域の製品やサービス、ソリューションを日々、日本の医療現場へお届けしています。

医療機器は、主に資格を有する医療従事者の方が使用するもので、メーカーは、医師をはじめとする医療従事者の方々や代理店様への販売活動や、正しく安全に使用いただくための情報提供を行います。製品の多くが一般の方々の目に触れる機会は、ほとんどないと言っても過言ではないでしょう。

目に留まらない、また、一般の方を対象とする広告が制限されている「医療機器」ではありますが、製品ひとつひとつの背後には、お伝えしたいストーリーがあるものです。今回ご紹介するのは、ドイツ本社で製造された内視鏡外科手術用器具のひとつ。マーケティングに携わる吉田(ジェネラルサージェリー事業本部 MIS事業部 マーケティング部部長)が語る、この製品の日本市場導入までのエピソードです。

内視鏡外科手術製品の市場で対抗できる可能性を感じた新しい製品との出会い

今回の主役であるベッセルシーリングデバイス「Caiman」を初めて目にしたのは、2012年2月、ドイツ本社で行われたミーティングの時でした。プロダクトマネージャーとして日本へ導入すべき製品の選定を任せられている私は、是非とも導入を進めたいと思える製品に出会ったのです。

製造元であるAesculap AG (B. Braunグループ)ドイツ・トゥットリンゲン市

他社製品と差別化でき、かつ手術時間の短縮につながるような特徴を持っていること、製品開発への継続投資の予定があり、今後への拡張性もあること、また、医療コストの削減にも貢献できる製品であること。この3つの理由から、現在、米国製がシェアの大半を占めている内視鏡外科手術製品(単回使用製品)の市場において十分対抗できる製品なのではないか ー そんな可能性を感じたのです。

立ちはだかる2つの壁

意気揚々と帰国した私は、早速、導入へ向けてのプロセスに着手しました。新製品を導入するにあたり、まず立ちはだかる大きな壁が薬事承認です。ご存じの方もおいでだと思いますが、医薬品や医療機器は、厚生労働省による承認がなければ、製品を導入し、販売することはできません。

ところが、承認申請に求められるデータや書類は、世界共通ではないのです。ヨーロッパ企業である当社の場合、日本の薬事承認に求められる情報やデータを、追加で準備しなくてはなりません。薬事担当者は、ドイツ本社に「なぜ、このデータが必要なのか」というところから説明しなければならない場合もあります。必要なデータを確実に入手できるよう、辛抱強く交渉を進めてくれましたが、なかなか揃わない薬事申請書類に、正直、一時は導入を諦めかけたこともありました。そのような状況でも粘り強く粛々と業務をこなして承認申請に漕ぎつけ、そして最後には承認取得をしてくれた薬事担当者には、本当に感謝しかありません。

ようやく承認を取得して、いよいよ販売開始のための準備を進めていた矢先に、予期せぬ2つ目の壁が立ちはだかりました。製品の供給問題です。当時、まだ収まっていなかったコロナ禍の影響を受けて部材メーカーからの供給が滞り、その影響を被って日本で販売開始するための製品が、予定通り製造できなくなったのです。致し方ないこととは言え、大きなため息が出ました。

  Caimanのイメージ画像

供給遅延を逆手に、戦略を入念に練り上げ

結局、供給問題が完全に解消されるまでに、半年間以上の時間を費やすことになりました。しかし、ため息をついてばかりもいられません。ここはひとつ、「十分な準備期間が与えられた」のだと、あくまでもポジティブに思考を切り替え、販売ターゲットや戦略を入念に練り上げるための時間と捉えることにしました。前段でも触れましたが、従来この市場では、長い間、米国製の製品が愛用されています。そこへ一石を投じるには、差別化できる製品特徴にフォーカスし、その特徴が最も活かせる領域に的を絞ることが重要だと考えました。

さらに、この製品特徴を通じて手術時間を短縮し、医師はもとより、患者さんの身体への負担軽減につなげることができます。確実で効率的な手術への貢献、および経済性。この双方の両立をコンセプトとして開発された製品であるという点は、営業担当者にとって、この製品を販売していく上での自信につながったのではないかと考えています。なぜなら、営業担当者に、この「新規参入が難しい市場で勝負することができる製品」であると感じてもらうことが、何より重要だったからです。さらに、製品トレーニング、臨床評価の共有、販売のためのインフラ整備なども意識して進め、ハード、ソフトの両面からの様々な準備に、十分な時間をかけることにしました。

ついに販売開始!医師の反応と今後の方向性

2023年9月に本格的に販売開始して以降、今や営業担当者はみんな、積極的に販売活動を進めてくれています。「こんな評価をいただいた」、「この点が高評価だった」などのフィードバックも、毎日のように届きます。

正直、すべての医師から高評価をいただくことは、なかなか難しいというのが実情です。他社製品を使い慣れていらっしゃる状況で、新しい製品に切り替えるのは容易なことではありません。しかしながら、ものづくりドイツの、こだわりのコンセプトを理解し、評価してくださる方も多くいらっしゃいます。長い道のりを経て、まだスタートしたばかり。この製品を通して、治療成績が良くなり、同時に経済的な負担も軽減できれば、この上ない喜びです。引き続き、今後の販売拡大に尽力していきたいと考えています。

ジェネラルサージェリー事業本部MIS事業部チームと吉田

医療従事者、そしてその先にいらっしゃる患者さんのために

テクノロジーの進歩や、SDGsに代表されるようなサステナビリティへの意識の向上など、医療をとりまく環境もめまぐるしく変化しています。それに伴い医療現場で求められる製品やサービスにも変化がみられます。医療機器にもサステナビリティへの配慮が問われる時代になってきました。その最先端を行くドイツでは、こうしたコンセプトに基づき開発される製品が増えてくることと思われます。私たちは今後も、日本の医療現場にベネフィットのある製品を見極め、着実に届けていきたいと思います。そのような活動を通じて、医療従事者の方の信頼のパートナーとなること、そして、その先にいらっしゃる患者さんのQOLの向上に貢献することを目指していきます。

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【会社概要】

B. Braunは1839年、ドイツ・ヘッセン州のメルズンゲン市で創業し、現在も同地に本社を置くヘルスケア業界のリーディングカンパニーとして、世界64か国に拠点を置き、150か国以上で事業展開をしています。

ビー・ブラウンエースクラップ株式会社は、ビー・ブラウングループの日本法人として、1986年の設立以来、外科手術器械、整形外科・脊椎外科治療材、脳神経外科関連製品、縫合糸、局所麻酔製品、輸液療法製品、創傷管理製品、ストーマケア製品等、幅広い診療領域をカバーする製品を日本の医療現場へお届けしています。また栃木工場(栃木県栃木市)では特殊麻酔針の拠点工場として、国内および海外へ製品を供給しています。

[社名] ビー・ブラウンエースクラップ株式会社

[設立] 1986年11月

[代表者] 丸上 琢也 (まるがみ・たくや)

[所在地] 本社:東京都文京区本郷2-38-16 JEIビル TEL:03-3814-2525(代)

           栃木工場:栃木県栃木市都賀町大柿285

[URL]    www.bbraun.jp


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