日常の安全につながる半導体製造の舞台裏。ロームのものづくり品質への挑戦

2023年12月6日(水)9時0分 PR TIMES STORY

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ロームは1954年に京都で創業した半導体メーカーです。抵抗器からはじまり、トランジスタやダイオード、ICと開発を進めています。最近では、脱炭素社会の実現に期待されているSiCやGaNなど新素材のパワー半導体の開発にも注力しています。

また1971年に日系企業で初めて米国シリコンバレーに進出して以来、全世界に営業、開発、生産拠点を持ち、日本発のグローバル企業として歩みを続けています。

お客さまをはじめとする世界中のステークホルダーの皆さまから選ばれる企業になるには、品質第一の考えを大切にしたものづくりが最も重要だとロームは考えます。今回は、高品質な半導体がどのようにできるのか、その舞台裏を紹介します。

日常を陰で支える半導体の高い品質

半導体は、スマートフォンや家電製品など私たちの身の周りにある電子機器に必ず入っている部品です。とくに自動車や産業機器などでは、電動化・自動化が進んでいることから、半導体の需要は年々高まっています。

そのような私たちの日常に欠かすことのできない半導体の製造工程は、前工程と後工程の大きく2つに分けられます。前工程では、円状の基板(ウエハ)上に微細な電子回路を形成し、半導体チップをつくり込みます。そして後工程では、前工程でつくり込んだ半導体チップを切り出し、配線や樹脂封入をして最終的な製品を完成させます。

ロームは、半導体製造工程すべてを自社で行う「垂直統合型生産体制」 を採用しています。各工程で徹底的に品質を管理することで、企業目的にもある品質第一のものづくりを実現しています。

品質にこだわる基幹工場の技術力と挑戦力

ロームグループの中で前工程を担っている工場のひとつが、ローム浜松(静岡県浜松市)です。ICとLEDを生産しており、ICの生産量はグループ全体の約70%を占めています。とくに注力しているのが、アナログICです。アナログICの製造工程は非常に複雑で、高精度な処理の積み重ねによりつくり上げられます。そのためローム浜松には、先進のデバイス・プロセス技術、生産設備が備わっています。

ローム浜松の高い製造品質が、ロームグループの技術開発・製品化へのさまざまな挑戦を支えています。たとえば、高性能かつ多機能なアナログICをつくるのに適しているBiCDMOS(Bipolar CMOS DMOS)プロセス技術では、12インチの大口径化したウエハで、世界で初めて製品の量産化に成功しました。一般的にウエハのサイズを大きくすると、製品品質の担保が難しいとされています。しかしローム創業から脈々と培われている製造装置の自社開発・チューニングの技術を駆使することで、この難しい課題を乗り越えました。

イオン注入されたウエハを、超高温の熱処理炉の中で成膜処理する工程。

製造装置の改善とメンテナンスがウエハの品質を大きく左右するという。

こうした品質への挑戦は、とくに高品質が求められる自動車分野での採用につながっています。自動車向けの製品はエンドユーザーの安全性に直接関わるため、製品の安全規格や信頼性規格も厳格です。(例:AEC規格、ISO 26262、IATF 16949など)製品自体はもちろん、半導体をつくる過程でも高い水準で品質管理を行う必要があります。

ローム浜松では、工場設計から始まり、予防保全を含む装置管理、プロセス条件といったあらゆる側面から徹底した品質管理を行っています。これまでに自動車関連メーカーに30億個以上のICを供給できたのも、徹底した品質管理と厳しい要求に応えてきた証ともいえます。

積み上げてきた品質保証、さらにその先を考えたリスク管理

お客さまから信頼を得て、製品を採用してもらうようになるためには、あらゆるリスクを考えたうえでの品質管理が必要になります。たとえば、EV/HEV向けの絶縁ゲートドライバを自動車メーカーのお客さまに評価いただく過程で、「もしも異物が混入してしまったらどうなるか?」「理論通りのスクリーニングが本当に機能するのか?」と問われたことがありました。

ローム浜松では、異物が発生しないことを前提にしたものづくりに加え、欠陥検査機による選別や製品出荷時のスクリーニングテストなど、異物混入を防止するため万全の対策を講じていましたが、お客さまの信頼を得るためには別の方法を再検討する必要がありました。製造部や開発部のメンバーが一丸となって考え抜いてだした対応は、意図的に異物を入れたウエハを試作することにしました。意図的に異物を入れたウエハを試作し、スクリーニングテストの有用性を数か月かけて証明したことで、お客さまの信頼を得ることにつながりました。

この試作経験は、どうやって品質を担保してお客さまの信頼を得ていくかを考える非常に良い機会になったと、ローム浜松で工程設計など専門技術者チームを率いている和田は振り返ります。

「我々はこれまでも設計の段階から品質をつくり込むフロントローディングで品質保証を積み上げてきました。しかしお客さまの信頼を得るためには、それだけでなく、常にその先を考えたリスク管理をしなければなりません。

お客さまが感じられる疑問や不安を一つひとつ解消するための技術や体制。これらをすべて含めて<これが私たちの品質です>と胸を張れるようにしたいですね。」

<ローム株式会社 LSI事業本部技術開発担当 LSIデバイス開発部 プロセス開発課 課長 和田 恵治>

また和田は、チームの技術力を高めていくことはもちろん、生産や設備を担う製造セクションとの「密接な関係づくり」も大切だと言います。

「お互いの部署がローム浜松にあって、物理的な距離が近いことは、我々の持つメリットのひとつです。

そして、量産している製品に課題があれば、製造部から相談されることもあります。その際は、一緒に考えて課題解決に向けて取り組んでいます。そんな心理的な距離感の近さも、品質を高めるという面において実は非常に大切だなと感じています。」

お客さまからの疑問や不安を、開発・製造が一体となって解消していく。このような仕組みは、ロームが採用している垂直統合型生産体制ならではのメリットに違いありません。しかしそれ以上に、現場がひとつの方向へ向かっていく時に生じる熱が、お客さまの信頼につながることもあるのではないでしょうか。

半導体の先にいる「人の満足」へとつなげていく

ロームの企業目的は「品質第一」。それは単に特性の良いものを供給する・大量生産するという意味ではなく、お客さまの信頼、そしてその先にいるエンドユーザーの満足へとつなげていくことだと、ローム浜松 LSI生産本部部長の山下は言います。

「先日も、あるお客さまが我々の部品の新規採用監査に来られたんです。

その方が選定理由のひとつとして、『求められるスペックをクリアしているだけでなく、アプリケーション開発時に発生するさまざまな課題に対して、一緒になって実直に対応してくれるところが、ロームの強みではないか』という言葉もいただきました。

私たちが日々やってきたことは、お客さまに届いているんだ!と、心から嬉しかったですね。」

<ローム浜松株式会社 LSI生産本部 第1製造部 部長 山下 淳彦>

一つひとつの製品から、その先にいる人の満足をつくり出す集団へ。

ロームならではの強みを、お客さまの声に結びつけていくことで、これからも次世代半導体がつくり出す新しい世界に貢献し続けていけると考えています。「人の満足」のため、あくなき挑戦はまだまだ続きます。

ロームの公式Webサイトでは、常に高い品質をお客さまにご提供するロームの「ものづくり」とそこに情熱を注ぐ人の物語を、動画でお届けしています。

Stories of Manufacturing

「ロームならではの「強み」を「信頼」に変えるために:ウエハ製造プロセス」

https://www.rohm.co.jp/company/about/stories-of-manufacturing/wafer-production

動画はこちら

ローム浜松株式会社

https://micro.rohm.com/jp/hamamatsu/


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