佐々木希&渋谷凪咲、復讐劇で敵対も「気さくで飾らない」「みんなに好かれる」人柄にすぐ意気投合
2025年1月14日(火)7時0分 クランクイン!
◆復讐を仕掛ける側が振り回される新しいタイプの復讐劇
高校時代、「人殺しの娘」と揶揄されていた橘紗智子の唯一の味方となってくれた花井麗奈。だが、麗奈の天使のような優しい笑顔の裏には、人を簡単に殺めてしまう殺人鬼の顔が潜んでいた。紗智子とその父に殺人の罪を着せ、紗智子の父の命をも奪った麗奈。
それから14年、顔も過去も全てを変えた紗智子は、新米母となった麗奈と再び対峙する。「生き地獄を味わわせてやる」と、紗智子はベビーシッターとして麗奈の家庭に入り込む。復讐に人生を捧げた一般人は、モンスターを破滅に追い込むことができるのか? 挫折と葛藤を繰り返す、壮絶な復讐劇が始まる。
——本作のオファーを聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?
佐々木:台本を読ませてもらったところ、すごく面白くて止まらなくなりました。これまでこうした役どころを演じたことがなかったので、大きな挑戦になると思い、オファーをいただけてよかったなと思いました。
渋谷:佐々木さんとご一緒できた上に復讐される相手になれるなんて、夢でも想像してないようなお話だと思いました。今までの復讐劇とは違う怖さと面白さが詰まっている作品だと思うので、とても頑張りたいなと思いました。
佐々木:タイトルにもインパクトがあって。新しいタイプの復讐劇です。
渋谷:本当にタイトルのままですよね。紗智子の気持ちでもあり、麗奈の気持ちでもある。お互いそう思い合っていて、結果どうなるのか?っていう。
——それぞれ演じられるキャラクターの印象はいかがですか?
佐々木:紗智子は本当に普通の人間らしい優しい心を持った人物なので、復讐する気満々なんですけど、麗奈を目の前にしたらドキドキしたり怖さを感じたりと、復讐する側がずっと振り回されているんです。監督とも相談しながら、視聴者の皆さんに「紗智子がんばれ!」「そんなんじゃばれるよ!」と応援してもらえるようなギリギリのラインを攻めたいと思い、日々演じています。
私自身殺されかけたこともないですし、復讐したいなと思ったこともないので、共感というのはなかなか難しいのですが、怒りの感情を抱いた時の気持ちを膨らませるなど、なんとか共通点を見つけて、引き出しを引っ張り出しています。
——渋谷さんはいかがですか?
渋谷:しゃべるリズムやトーン、表情や雰囲気などを変えずに、今のこの感じでやってほしいと言っていただいたんです。インパクトのある役なので気合いを入れてやらなきゃと思っていたのですが、仕掛けようという思いが見えたら逆につまらないかなと。麗奈のやっていることはひどいにしても、これ面白そう!と、クスって笑うような仕草や表情も多く、感覚としてはちょっといたずらでやっちゃってる感じ。自分の人生で経験できないことを楽しんでやっています。
麗奈は人の気持ちがわからなくて、「なんでこんなことすんねん!」とまったく共感できないけど、台本を読み進めていくと、麗奈に心を持っていかれている自分もいました。最初に読んだときの感覚を忘れずに、なるべく作らずに自然体に自分が思う感覚で麗奈を演じていけたらいいなと思っています。
◆麗奈の持つ不気味な”間”にこだわり「怯える佐々木さんの顔が素晴らしい!」(渋谷)
——一緒にお芝居をされてみての感想はいかがでしょうか?
渋谷:お芝居をしていて、麗奈が持つ「間」っていうのがすごく怖いんです。監督のアイデアで、紗智子をじっと見ていたり気持ち悪い間があるんですけど、その時の怯えてピクピクしている佐々木さんの顔が素晴らしくて!
佐々木:監督の間へのこだわりがすごいよね。紗智子は仕掛けていっているのに、逆に仕返しというか、「大丈夫かな私」ってドキドキしちゃう間が絶妙ですごく怖いです。
渋谷:佐々木さんがめっちゃ震えてるんですよ。目がずっとウルウルして、焦点もぶれてるみたいな感じで恐怖が伝わってきて。私も怖がらせようっていう気持ちを引き出していただけるから楽しいです(笑)。
佐々木:紗智子は復讐に向いてない人間だから、動揺が見えちゃってもいいし、「ばれてるよ」「動揺が出ちゃってますよ」と視聴者の皆さんに伝わっていいと監督からもお話があり、麗奈の不気味な間が怖くて震えています(笑)。
でも麗奈の恐ろしさがまた奥深くて、麗奈の人生を考えてしまう瞬間もあるんです。人の痛みが全然わからないから、それっぽく見えるように生きてきたのかな、辛かっただろうなとか。
渋谷:麗奈は化け物になる所以がちゃんとあるんですよね。復讐劇なのに切なくて。
佐々木:私、思わず泣いてしまいました。絶対にしちゃいけないことをしているんだけど、モンスターに心動かされる瞬間があって。すごい作品だなと思いました。
——本作でここを見てほしい!というおすすめのポイントはどこでしょう。
渋谷:紗智子が麗奈に復讐をしようと心に決めた学生時代の場面が第1話にあるんですけど、攻めたシーンになってます。そのシーンだけで1日かけて撮影したのですが、やっていくうちに楽しくなって(笑)。各部署の皆さんがもっとこうしようとアイデアが膨らんでの長時間の撮影だったので、このドラマの大事な要となる、すごくいいシーンに出来上がりました。
佐々木:「過去にこんなことがあったら、それは紗智子は復讐するよね」、そう思える本当に怖いシーンだった! かなり重要なシーンなので、あそこは見てほしいです。
渋谷:あのシーンは、私の中に一瞬麗奈がいると思いました。高校時代の回想シーンだったので、佐々木さんは現場にいらっしゃらなかったのですが、後でそのシーンを一緒に見ているときに、「ここ刺されてます」「ここをね、グググって刺しちゃったんですよ〜」って言っちゃって(笑)。
佐々木:かなりライトめに言ってた(笑)。私の顔が引き気味になっているのに、いつもの感じで説明してくれて。
渋谷:麗奈みたいに(笑)。自分に「怖!」って思って。
佐々木:でも、あのシーンは大事だからみんながこだわる気持ちもわかります。ぜひ見ていただきたいです。
◆初共演の印象は「気さくで飾らない」「みんなに好かれるんだろうな」
——お二人は作品で共演するのは初めてだそうですね。お互いの印象はいかがですか?
渋谷:学生時代に友達と、生まれ変わったら誰になりたいかと話していたときに、佐々木希さんを取り合っていたんです。なので緊張したんですけど、お会いしたら、自分が佐々木希だってご理解されてるのかな?って思うくらい気さくで飾らなくて(笑)。緊張感なくこうやって普通にお話させていただいているのが驚きですし、自然体でご一緒できるのは佐々木さんのやさしさなんだろうなって感じています。
佐々木:うれしい! 私、笑いをとれるか心配というか、凪咲ちゃんはバラエティ的なルールやノリみたいなものに厳しいんじゃないかなって思っていたんですけど、まったくそんなこともなく(笑)。会ったらたくさん会話もしてくれるし、現場でもスタッフさんとコミュニケーションをちゃんと取っていて、本当に素敵でいい方なんです。みんなに好かれるんだろうなと思いました。
こういう関係の2人を演じるにあたって、あえて近づかないとか、休憩中もお話しないとか作戦もあるじゃないですか。ちょっとそれでいってみようかな?とも思っていたんですけど、凪咲ちゃんに会った瞬間に崩れました。無理でした(笑)。
渋谷:台本の読み合わせの時に、扉を開けた瞬間、佐々木さんが「おはよう〜!」って言ってくださって。
佐々木:共通のメイクさんから事前情報でめちゃめちゃいい方だよって聞いていたんです(笑)。
渋谷:私はちゃんとしなきゃと真面目なところがあるんですけど、それを全部解き放ってくださって。いつもなんの会話をしているかわからないくらい。
佐々木:普通にしゃべってるよね。
渋谷:盛り上げるためにテンション上げて無理やり話題作ってとか、気を遣って話す感じじゃなくって。おなか鳴っちゃった〜とか。
佐々木:今日のお弁当なんだと思う? 見に行こうか!とかね(笑)。
渋谷:そんな会話が自然にできるっていうのが、本当にありがたいです。
佐々木:楽しいです、いつも。
——そんなお2人がヒリヒリしたどんな復讐劇を届けてくれるのか楽しみです。最後に作品を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
佐々木:復讐をしっかり果たせるのかというところが見どころなのはもちろん、紗智子には協力者が出てくるんです。それが誰なのかを推理しながら見ていただけると、また楽しいと思います。最後までハラハラドキドキしながら見ていただけたらと思います。
渋谷:刺激的なところもあるんですけど、映像も音楽も美しいので作品としても楽しんでいただきたいですし、麗奈がどういうふうに他人をコントロールして生きてきたのかという面白さだったり気持ちの悪い間や緊張感も一緒に味わっていただきながら、この世界に一緒に入った感覚で見ていただけたらうれしいなって思います。
(取材・文:渡那拳 写真:高野広美)
ドラマストリーム『地獄の果てまで連れていく』は、TBS系にて1月14日より毎週火曜23時56分放送※一部地域をのぞく。