日本の女性映画人の業績を再確認 1970-1980年代の74作品を上映
2024年2月3日(土)8時0分 OVO[オーヴォ]
1970年代以降は、独立プロを基盤に女性監督たちが活路を切り開いていく時代。女優出身の左幸子氏『遠い一本の道』(1977)や宮城まり子氏『ねむの木の詩がきこえる』(1977)は、社会運動に根差した題材で大きな反響を呼び、自主製作の動向から頭角を現した鵞樹丸氏は『わらじ片っぽ』(1976)で前衛的表現を開拓した。80年代にかけて続々と女性が監督を手がけるようになり、作品の多様化が顕著になっていく。
一方、女性脚本家たちの台頭もこの時期の特徴。『メカゴジラの逆襲』(1975)の高山由紀子氏や『ビー・バップ・ハイスクール』(1985)の那須真知子氏などが娯楽映画に新風を吹き込んだ。
小特集として取り上げられるのは、記録映画作家。音声を画と対等に捉えて革新的なドキュメンタリーを打ち出した時枝俊江氏と、女性史を語り継ぐ作品群を手がけた藤原智子氏の業績を再評価する。