片づかない家ほどギッシリ…それが空き箱!<箱をやたらと取っておかない姿勢>が身に付くかどうかで、その家の運命は決まる
2024年2月9日(金)12時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
着なくなった服が押し込まれたクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに7000人以上の受講生へアドバイスをしてきた人気整理収納アドバイザー・阿部静子さんは「何があるかわからない時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授。今回は「箱はどうするべきか」です。
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箱問題
よく、「箱はどうすれば?」という質問をいただきます。
家電が入っていたもの、鍋が入っていたもの、お菓子が入っていたもの、さらには、現在進行形で頂き物の毛布やタオルケットが入ったままの箱……。
色々な箱があると思いますが、どれにも共通しているのは「けっこうな場所をとっている」ということでは?
ひとつふたつならまだしも、「基本的に箱はとっておく」という姿勢のご家庭も多く、そうすると押し入れの中が、気づけば箱に占領されてしまいます。場所がないから、やむなく天袋に押しやっているご家庭も。
よく、「マンションなので、収納場所も限られていて…」といったご相談を受けることがありますが、そのうちのいくらかは、たくさん空き箱を保管・放置しているのが原因、なんてこともしばしば。
あくまで私の意見を記せば、「基本的に箱はとっておかない」という考えの方が家は片付くと思います。それはなぜでしょうか? 例外も含め、片づけ方を紹介していきたいとおもいます。
とにかく「開けてみる」
まず箱について考える際、とにかく「開けてみる」ことから始めましょう。
実際に何かを入れっぱなしにしている場合もあれば、実はもう中身が分からなくなっている、なんてこともあるはず。なので、まずは開けてみます。
以前、片づけサポートに伺ったお宅では、頂き物の毛布がそっくりそのまま大きな箱から出てきました。その家の方は、「今使っている毛布は古いものだし、さっそく新しいのと入れ替えます!」と、とても喜んでいらっしゃいました。こういったパターンの箱の開封は、嬉しい再会だとも言えそうです。
箱の話とは離れますが、家に保管したままのもののうち、使えるものがあれば早速使う、というのは片づけを考える意味で、とても大切なことだと思います。
最近よく聞く「箱付きの方が高く売れる」について
つづいて、箱そのものの扱いについて考えてみます
空箱はすべて捨てればいいか、と言えばもちろん一概にそうとは思いません。
特に家電などを買った際などは、返品することも考えて、保管する必要に迫られるケースもあるはず。その場合は、「1ヶ月」「3ヵ月」など、保管期間を各家庭で決めておくといいでしょう。そして決めた期間を過ぎたら処分する。
一方、空箱保管派の人からは、最近では「売るということになった際、なるべく高く売りたいから」という理由をよく聞くようになりました。リサイクルショップやフリマアプリなどが人気を博すようになってよりその傾向が強まっているのかもしれません。
でも、いつ来るか分からない、来ないかもしれないその時のために、窮屈な暮らしを迫られるのも…おかしな話ではありませんか? そもそも何年も経った後でも、本当に箱付きの方が高く売れるのでしょうか。
そのあたりの事情を冷静に考え、やたらと保管するのではなく、「箱があれば高く売れそうなものだけ」と決めて、残すようにしてはいかがでしょうか。
季節のものはどうするか
盲点は季節モノのアイテムの箱。
使わない間、箱に入れておいたほうが便利と思うものもあるとは思いますが、箱から出して保管したほうが使い勝手が良い、ということもあります。
たとえばクリスマスツリー。わが家では、箱は捨てています。その分、大きめの袋に入れ替え、小物はジップ袋に入れ替えています。箱がないだけでずいぶんと省スペースになりました。
あとは扇風機。意外と箱の中へコンパクトに収まりますが、それでもシーズンが来たとき、箱から出し入れする面倒さはどうしても生じます。しまう時も同様。
なので、我が家で保管しておくときは、組み立てたまま、不織布の扇風機カバーを掛けて保管しています。やや場所はとりますが出し入れはグッとラクになります。
「箱はとっておく」という考えがやめられれば
最後に、箱自体に魅力があるもの。お菓子の箱やブランドものの箱などがそうかもしれません。私もブランドのバッグが入っていた箱、財布が入っていた箱など捨てられずしばらくとっていました。でも最後には数点だけ選んで残し、小物入れなどとして使い、あとはほとんどは処分しました。
使う用途がはっきりしていればもちろん保管していてOK。写真は受講生宅での箱の使用例(写真:著者)
また、購入時に箱をもらわないという判断もアリかもしれません。私自身、靴を買った時の箱は、貰わないようにしてだいぶ経ちます。最近では「箱は必要ですか?」と聞いてくれるお店も増えた印象があります。
あとで何かに使おうと思って都度もらってきたけれど、結局使っていない、なんて人も多いのでは。実際にその用途が思いついているものだけ残すのが私のオススメです。
以上、「基本的に箱はとっておく」という考えをやめるだけで、これは片づく家に変わる大きな一歩です。片づけへの意識そのものも変わりますので、押し入れのみのぎゅうぎゅうが解消されるだけではなく、家全体が整うきっかけにもなるはずです。
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