『おむすび』“菜摘”田畑志真、商店街シーンでのアドリブに楽しさ 母役・キムラ緑子から多くの学び
2025年3月9日(日)12時0分 マイナビニュース
●テンポ感に圧倒も「自然と楽しんでお芝居できているのかな」
現在放送中の連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合 毎週月〜土曜8:00〜ほか ※土曜は1週間の振り返り)で主人公・結の幼なじみ・佐久間菜摘役を演じている田畑志真にインタビュー。本作での役作りや、母・美佐江役のキムラ緑子らとの共演について話を聞いた。
連続テレビ小説(朝ドラ)第111作となる『おむすび』は、平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)がギャル文化と出会い、やがて栄養士として、“縁・人・未来”と大切なものを次々と結んでいく物語。阪神・淡路大震災を幼い頃に経験し、神戸から福岡・糸島へと移住した結は、糸島で青春時代を過ごし、高校卒業と同時にかつて暮らしていた神戸の街へと、両親と共に再び戻った。
田畑が演じている菜摘は、さくら通り商店街でパン屋を営む佐久間美佐江(キムラ緑子)の娘。母譲りの明るい性格で、結の良き話し相手となっている。
——菜摘を演じる際に意識していることを教えてください。
役についてお話を聞いた時に、天真爛漫で、結ちゃんの心の拠り所というのを意識してほしいとプロデューサーさんに言われたので、そこを意識しています。菜摘の明るさは自分と似ているところでもあるので、重なる部分があるなと感じながら、菜摘が魅力的に見えるように意識しながら演じています。
——ご自身と重なる部分が多いですか?
多いと思います。結ちゃんが外であった出来事について菜摘に相談するというシーンが多いんですけど、私も人に相談するよりは聞くことの方が多いので、そういうところも似ているのかなと思います。また私も小さい頃から大人の中に入って話すのが好きだったので、商店街の大人の中に入っている菜摘の境遇も似ています。
——大人に囲まれることが多いというのはどんな状況でしょうか?
父と母が友達といる時に私もその中に入っていることが多かったので、大人の方たちと話す機会が多かったんです。それに、この仕事を小さい頃からしていたので、そういうところでも大人と話す機会が多かったと思います。
——そういった共通点があるからこそ、演じていてしっくりくる感覚がありそうですね。
そういう部分で自然に菜摘として、その場に立てていると思います。視聴者の方にも馴染んでいると思っていただけたらうれしいです。
——商店街シーンで印象に残っていることを教えてください。
商店街のメンバーが集まると人数が多くなるので、掛け合いが多くなります。そうなると皆さんのアドリブも多くなって、テンポ感がすごいんです。それを初日に体験して、「やばい! ついていかないと!」と思ったのですが、ただただその場で感じたことを表現するということやっていて、自然と楽しんでお芝居できているのかなと思います。
——台本に書かれていない掛け合いが多いんですね。
誰かの発言に対して相槌を打ったり、ツッコんだりというのはアドリブが多いですね。台本のセリフを忠実にやりつつ、その合間をみんなで楽しんでやっています。
●「役としてその場を生きている」キムラ緑子の芝居から刺激
——特に率先してアドリブをされる方はどなたでしょうか。
私のお母さん役の緑子さんが本当にすごくて、緑子さんに乗っかってみんなでやるということが多いです。緑子さんは、アドリブの輪に入れていない人がいたら近くに寄って自然に入れる流れを作ったり、視野の広さがとても勉強になります。
——皆さん役になりきって会話されているので、アドリブも自然な掛け合いに?
そうですね。私がカメラワークを気にして、前は通らないようにしようとしていたら、緑子さんが「自然にその時に通れる道を通って大丈夫だよ」とおっしゃってくださって。そこからはカメラのことを意識しすぎず、役としてどう動くべきか、どう動きたいかということに集中して演じられるようになりました。
——アドリブ力が鍛えられそうですね。
鍛えられていると思います。ただ、アドリブも神戸の言葉で言わないといけないので、そこが難しいです。
——商店街シーンの撮影だと緑子さんとの共演が多いですか?
ほぼずっと商店街チームでいるので、皆さん同じぐらいですが、緑子さんは最初から娘のように接してくださって、久しぶりに会った時も「娘! 会えてなくて寂しかった」と言ってくださって。温かくて本当にお母さんみたいな方です。
——アドリブもすごいということですが、大ベテランの緑子さんからほかにも何か刺激を受けたことがありましたら教えてください。
緑子さんのお芝居はとても自然で、その場を心から楽しんでいるのが伝わってくるんです。その場を生きていて、何かハプニングが起きたとしても、役として、そのハプニングすら面白がるような。私自身、お芝居の時に段取りを気にしてしまったり、役としてそこに立つということが、まだまだ課題な部分もあって、緑子さんとお芝居ができて、とても勉強させていただいてます。アドリブに関しても、緑子さんが助けてくださると勝手に信頼してしまっているので、緑子さんの存在がとても大きく安心して会話することができるんです。
■田畑志真(たばた・しま)
2005年12月24日生まれ、熊本県出身。2016年に女優デビュー。主な出演作はドラマ『モンテ・クリスト伯−華麗なる復讐−』『高嶺の花』(18)、『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』(19)、『カンパニー〜逆転のスワン〜』『青のSP−学校内警察・嶋田隆平−』(21)、映画『偽りのないhappy end』(21)、『前科者』(22)、『少女は卒業しない』『クモとサルの家族』(23)など。
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