【ネタバレあり】小野花梨、難役へのプレッシャーはほぼなし 『グレイトギフト』最終回の演技プランは二つあった

2024年3月16日(土)10時0分 マイナビニュース

●縁のなかった役どころに「すごく楽しみ」
反町隆史が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『グレイトギフト』が、14日に最終回を迎えた(TVerで最終回配信中、TELASAで全話配信中)。今作は、『ラストマン-全盲の捜査官-』(23年)、『マイファミリー』(22年)、『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(21年、23年)、『グランメゾン東京』(19年)など、ヒット作の脚本を次々と手掛ける黒岩勉氏による完全オリジナル作で、「完全犯罪の殺人」を可能にする未知の殺人球菌「ギフト」をめぐるノンストップの“サバイバル医療ミステリー”。
今回は、反町演じる藤巻達臣と同じ病理部に所属する検査技師で、波瑠演じる先輩・久留米穂希を慕う明るいお調子者の奈良茉莉を演じた小野花梨に、最終回放送後のネタバレを含むマイナビニュース独占インタビューが実現。奈良を演じた心境、共演者について話を聞いた。
※編集部注:本記事はネタバレを含んでいます。知らない状態でドラマをご覧になりたい方はご注意下さい。
○真犯人役へのプレッシャーはほとんどなし
——最終回が放送されて、小野さん演じる奈良さんが真犯人だったことが明らかになりました。どの段階で真犯人役だと聞いていたのか教えてください。
ドラマ出演のお話をいただいたときに、「犯人役だよ」と言われました。今まで、犯人や逮捕されるような役にご縁がなかったのですごく楽しみでした。
——プレッシャーはありましたか。
ほとんどないですね。最後の最後まで、奈良さんはヘラヘラしていましたし。でも、台本が上がってくるのがいつも以上に待ち遠しかったです。
——最後まで犯人が分からず、いろいろなどんでん返しがありましたが、黒岩さんの脚本の印象を教えてください。
女性が怪しく描かれているのが印象的で、黒岩さんから見た女性はこんな感じなのかな? といろいろ考えてしまいましたね(笑)。シリアスなサスペンスでありながら、一人ひとりのキャラクターが面白くて、奈良さんを演じていて、すごく楽しかったです。
——どんなところが楽しかったですか。
真犯人という設定は一旦置いておいて、等身大のかわいい女の子としてのテンションや、台詞回しが楽しかったです。
○真犯人の登場シーンで選択した演技プラン
——最終回では、藤巻先生に「真犯人は奈良さんだ」と告げられ、久留米先輩に「陰でこそこそやってないで、いい加減でてきたらどうです」と呼ばれて、とうとう真犯人として皆の前に登場しました。あのシーンをどんな思いで演じましたか。
これまでの奈良さんとギャップを作って演じるという方法と、そのまま地続きでやるという方法があったような気がしていて。どっちのほうが怖いかなと考えて、後者を選択しました。
——一言で言うと、“研究者しての性”が動機でしたが、台本を読んで感じたことを教えてください。
ナチュラルサイコといいますか、共感できるかというと、あまりできなくて怖かったですね。でも、その理解できないような言動が、結果として不気味に見えたらいいなと思いながら演じました。
○ポスタービジュアルの謎も直撃
——SNSでも犯人探しが盛り上がっていましたが、チェックしていましたか。
SNSのお話ではないのですが、2、3話あたりが放送されていた頃に受けた取材で、インタビュアーさんに「奈良さんが犯人ですよね? もう、僕たちの会社では全員奈良さんで一致しています」と言われて、やばいぞ! とすごい焦っちゃって(笑)。まだ序盤なのに、私、怪しかった!? ってドキドキしながら「いや、私も分からないんですよね」と嘘をついちゃいました。あのときはすみませんでした!(笑)
——「正解です」とは言えないですもんね(笑)。視聴者の方の考察の中には、ドラマのポスタービジュアルの中で、藤巻先生と久留米先輩のほか、奈良さんだけ手を出していないことから「なにかあるのでは?」と疑っている方もいました。
そうなんです、手を出してないんですよ! 撮影前にデザイン画を渡されて、「こうやって手を出すんだ、楽しそう」と思って、私も手をガッと出したら「あ、それやらないでください」って言われて、「え、やらないの? 手を出す練習してきたのに!」って(笑)。くわしくは聞かされていないのですが、真犯人を示唆するヒントになっていたんでしょうか。
●反町隆史・波瑠・見取り図盛山ら共演者の印象
○反町隆史は「漫画のキャラクターのよう」
——ここからは共演者の方についてもお話をお伺いします。主演の反町さんについては、「現場に行くたびにオーラに圧倒されて、最初は慣れてなかった」とインタビューでお話しされていましたが、最後には慣れましたか。
だんだん慣れていきました。反町さんって実はすごくかわいらしい一面があって、あの容姿の美しさと中身のお茶目さが、漫画のキャラクターのようで現実離れしているんです。同じ人間だと思えなくて、ぼーっと顔を見てしまうことが何度もありました(笑)。オーラがすごいと言わせていただきましたが、こちらが勝手に緊張していただけで、威圧的があるわけでは決してなく、少年のような一面もある、本当に優しい方です。
○大好きな波瑠との再共演に喜び
——久留米先輩を演じた波瑠さんとは、『恋に落ちたおひとりさま〜スタンダールの恋愛論〜』(Amazon Prime Video、22年)以来の共演ですが、波瑠さんの印象を教えてください。
もう、私は波瑠さんが大好きで! 波瑠さんは現場でも冷静で、私も一緒にいると冷静になれて落ち着きます。また共演できて、今回は「先輩、先輩」って慕って絡んでいく役柄だったので、すごくうれしかったです。
——波瑠さんは現場では冷静なんですね。
すごく冷静で、「波瑠さんが言っているならもう間違いない」という説得力のある、“安心の波瑠さん”です。
○見取り図・盛山の新鮮な反応が刺激に
——序盤は、伊集院先生役の見取り図・盛山晋太郎さんとのシーンも多かったと思います。盛山さんは今作が初の連続ドラマレギュラー出演だったのですが、現場ではどんな方でしたか。
現場でしてくださるお話も面白くて、一緒にいて楽しかったんですけど、緊張していらっしゃったのがすごく印象に残っています。緊張しながらも楽しくお芝居をされている姿に、すごく刺激を受けました。盛山さんは現場での出来事一つひとつに新鮮に驚いて、「もう一回撮るんですか?」「こんなにカメラがあるんですか?」とキラキラした目でおっしゃっていて、その素直なリアクションを見ると、私たちはあまりにも慣れすぎていたなと、初心に帰らせていただきましたね。すぐいなくなっちゃって、残念でした!(笑)またお会いできるように、私も頑張りたいです。
○『初恋、ざらり』風間俊介からのコメント
——ドラマや映画と、出演作が続いている小野さんですが、最近では、『初恋ざらり』(テレビ東京、23年)についてお話しされていたインタビューのSNS投稿に、風間さんが「小野花梨ちゃんは素晴らしい女優さんで、素晴らしい人間で、最高の有紗です」(※有紗=小野の役名)とコメントされていました。
私もさっきマネージャーさんから聞いて知りました。ありがとうございます、風間さん!
——インタビュー記事にご本人以外のタレントさんがコメントされるって、なかなかないことですよね。
本当ですよね!? きっと最近SNSを始めて、楽しくなっちゃってるんですよ(笑)。『初恋ざらり』は、本当にたくさんの方に「見てるよ」、「すごく好きなドラマです」と言っていただくことが多くて、うれしかったです。
○日本アカデミー賞で感じた先輩たちの温かさ
——昨年は、2022年の映画『ハケンアニメ!』でのお芝居が評価され、「第46回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞されました。着物とドレスをミックスしたような、オーダーメイドの衣装がとても素敵でしたね。
ありがとうございます。オーダーメイドで、着物をリメイクした洋風のドレスを作っていただいて、とても素敵な仕上がりになりました。新人賞は一生で一回しか受賞できないって言うじゃないですか。自分にとって思い出になるような一着になればいいなという思いをいつもお願いしているスタイリストさんに伝えて、提案していただきました。
——「一生に一度」という思いで登壇した新人賞のステージは、忘れられないものになりましたか。
日頃、たくさんの映像で拝見している俳優の先輩方が、すごく温かい目で新人賞の私たちを見てくれていたのが、印象的でした。お会いしたことのない方もいらっしゃったんですけど、皆さんが温かいまなざしで。先輩方って、こんなふうに若手を見守っていてくださるんだと知ることができて、うれしかったです。
——受賞したことによる気持ちの変化はありましたか。
それはないですね。賞をいただけなかった中にも、心が動いた作品はたくさんありますし。受賞したことで、まわりに対して「ありがとうございました」と感謝をお伝えできる機会をいただけたことが、一番ありがたかったです。
○『グレイトギフト』視聴者へのメッセージ
——『グレイトギフト』で、好きだった場面を教えてください。
全編を通して、藤巻先生と久留米先輩の掛け合いがすごくキュートで、大好きだったんです。黒岩さんの書かれたキャラも、二人の演じ方も、お茶目でかわいくて、ずっと見ていたいシーンでした。
——奈良さんと同じように、二人を応援する気持ちで見守っていたんですね。では最後に、最終回まで『グレイトギフト』を見ていた、視聴者の方へのメッセージをお願いします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。皆さまがわっと驚くような、納得できるような最終回を迎えられていたらうれしいです。今回は犯人役でしたが、嫌いにならないでほしいですし、「あの野郎!」と思わないでくれたらうれしいです(笑)。またいい子の役もやりますので、これからもよろしくお願いします!
『グレイトギフト』最終回はTVerで配信中、TELASAでは全話配信中。
■小野花梨
東京都出身。2006年にTBS系ドラマ『嫌われ松子の一生』で女優デビュー。2021年にはNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で朝ドラ初出演。2022年に出演した映画『ハケンアニメ!』で、「第46回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞した。近年の出演作に、ドラマ『ロマンス暴風域』、『罠の戦争』、『初恋、ざらり』(W主演)、『お別れホスピタル』、『春よ、来い』、映画『プリテンダーズ』(主演)、『Ribbon』、『ほどけそうな、息』(主演)、『Gメン』、『52ヘルツのクジラたち』など。公開待機作に、映画『ミッシング』(5月17日公開予定)がある。

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