「ゆっくり休んだ」と実感できる、自分時間の作り方。ダラダラ過ごす「消費時間」が増えるほど、忙しく感じてしまう

2024年3月22日(金)12時30分 婦人公論.jp


マキさん「自分の時間を増やすことは、後ろめたいことではない」(写真提供:文藝春秋)

厚生労働省が発表した「令和5年版厚生労働白書」によると、1997年以降、共働き世帯の数が専業主婦世帯より上回り、現在も年々増加している状況です。共働きをする中での家事や、子育てに追われてなかなか休めない人に向けて、「本当にやりたかったこと」をするための時間づくりを発信しているのは、シンプルライフ研究家で時産アドバイザーのマキさん。夫婦ともに会社員の共働きで、娘ふたりと4人で暮らしているマキさんいわく、「自分の時間を増やすことは、後ろめたいことではない」とのことで——。

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3種類の時間の配分をチェック


最後に「ゆっくり休んだなぁ」と実感できたのはいつでしょうか。

また、「ついにやりたかったことができた」「来たかった場所に来られた」などの充実感を得たのは……?

そういった「自分のために使う時間」をとることが難しい、もしくはピンとこないというときは、時間配分を可視化して考えてみるのがおすすめです。

今の過ごし方をざっくり書き出して、それぞれの行動が次の3種類のどれに当てはまるか考えてみます。

1つ目は「生産時間」。

仕事をしている時間、家事をしている時間など、何かを生み出している時間です。育児の時間も生産時間ですね。

自分のためというよりは誰かの役に立っている、社会にプラスを生み出すような時間です。生産時間に勤しむことで、やりがいを感じたり、充足した気持ちになると思います。

「休息時間」「消費時間」


2つ目は「休息時間」。

自分の心と身体を休ませるために使う時間です。睡眠時間もそうですし、ひとりでゆっくりお風呂に浸かっている時間、マッサージやストレッチなど、心身が癒えると実感できる時間は休息時間です。

生産時間に生じた疲れを癒すために休息時間をとることで、また頑張ることができます。生産時間と休息時間は両輪の関係とも言え、どちらも大切です。


『これからの人生を豊かにする 時産 時間と心に「余白」が産まれる暮らし方』(著:マキ/文藝春秋)

3つ目は「消費時間」。

スマホをだらだらと目的なく何時間も見てしまったり、自分にさほど必要でない情報を深追いして惑わされたり、たいして興味のないワイドショー番組に目を奪われたり、あきらかに消費、あるいは浪費してしまったなと感じる時間は消費時間です。この時間が増えるほど、忙しいと感じやすくなります。

ぼーっとする時間、自分が関心のあることに心ゆくまで思いを巡らすような時間は、大切な「休息時間」なので見直す必要はありません。

でも、本当は有意義に使おうと思っていたのに、結果的に逃避的な行動をして消費してしまったと感じるときは、一度立ち止まってみましょう。

無理に仕事や家事をしなくてもいいので、ベランダに出て深呼吸をしたり、お昼寝をするなど休息時間に充てれば、立て直す余力が戻ってくるはずです。

「休息時間」が、暮らしの余白


「自分のために使う時間」つまり「休息時間」が極端に少ないのは、暮らしに「余白」がない状態。時間に追われているように感じ、イライラしたり心身が消耗します。うまく「時産」して、休息時間を確保しましょう。

管理できるものの量が人によって違うように、生産時間が多くても頑張れる人、休息時間をしっかりとらないとしんどくなる人、人それぞれです。同じ人でも、状況によって変化することもあります。

子どもが小さくて目が離せないうちは、人やサービスを頼って休息するのも手です。小学生になってだんだん手が離れてきたら、遠慮せずに少しずつ自分の時間を増やしていってほしいです。

自分の幸せが家族にも伝染して、いいサイクルが生まれるはず。

自分のために使う時間を大切に


自分のためだけに使う時間を持つことに、ためらいを感じる人もいるでしょう。

時短で3分節約できたら、その3分で(家族のために)トイレ掃除しよう、となって忙しさのループから抜け出せない人は、どうか騙されたと思って3分間、軽いストレッチをしてみたり読みたかった雑誌をめくってみたり、自分のためだけに使ってみてください。

「忙しい」という状態は作業量だけでなく、心理的な要素も作用しています。しないことを増やしながら、自分を大切に扱うことに慣れてくれば、本当の意味で「忙しさからの解放」が成し遂げられるはずです。

私がブログで家事の時短や家事を減らすことを発信し始めた頃、『しない家事』という本を出した頃は、手抜きをしてみっともないと批判の声もありました。でも、令和になり時代が変化するとともに、どんどん世の中に認められてきた実感があります。

「自分を大切にしよう、人生は自分自身のもの」という風も感じます。

自分の時間を増やすことは、後ろめたいことではなく、充実した人生のために必要なテクニックです。

子育てや家事に追われてキーッとなっているより、心に余裕を持って家族に接したほうが、雰囲気も良くなります。手放せるものは手放して、ポジティブに「時産」しましょう。

※本稿は、『これからの人生を豊かにする 時産 時間と心に「余白」が産まれる暮らし方』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。

婦人公論.jp

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