「人気だけじゃやっていけない」旧ジャニーズ事務所が推進する“メンズアイドル改革”

2024年4月9日(火)17時0分 週刊女性PRIME

左から松本潤、堂本光一

写真を拡大



 故・ジャニー喜多川氏による性加害問題で、体制が大きく変わった旧ジャニーズ事務所。'23年10月に『SMILE—UP.』に社名を変え、被害者の補償を担う会社になり、12月にはタレントのマネジメントを担う新会社『STARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO社)』が発足。

 今年3月には、STARTO社が4月から始動することと、その門出となるコンサートの開催も発表された。

「コンサートには、NEWS、SUPER EIGHT、KAT—TUNをはじめとした総勢14組が出演予定。その演出は嵐の松本潤さんが担当するとも報じられています」(スポーツ紙記者、以下同)

 さらに、チャリティーシングルのリリースも。

「コンサートに出演するタレントたちが参加した楽曲です。6月12日にシングルCDが発売されるのに加え、4月10日からは配信で先行リリースされます。収益は、元日に発生した能登半島地震の復興支援のため、被災者に全額寄付されるそうです」

疑問や不満が噴出

 順調なすべり出しを見せているSTARTO社。しかし、ファンからは疑問や不満があふれている。中でも、

《各グループ、タレントは結局どんな契約をしたの?》

 といった声が最も多い。

「例えば、KinKi Kids堂本剛さんは3月末で独立しました。“相方”の光一さんは、グループや後輩のために最善の契約を探っているようですが、いったいどうなってしまうのか……。ほかのタレントたちも契約が不透明なので、このままファンクラブを更新するべきか迷っているファンもたくさんいます」(旧ジャニーズファンの女性)

 ファンクラブについてはネット上でも多くの懸念点が指摘されており、

《FCの個人情報って、まるっとSTARTOに流されるってことでOK? それってどうなの?》

 と、新会社始動による情報の移行がどうなるのかを心配する声も。

 また、混乱しているのはデビューしているタレントのファンだけではなく、

「これまでのジャニーズJr.たちは先輩グループのコンサートなどにバックダンサーとして参加して経験を積んでいました。でも、直近1年ほどはJr.がデビュー組のバックにつかなくなったんです。これまでのようなJr.の仕組みはなくなってしまうのでしょうか」(Jr.ファンの女性)



ジュニアの行方は

 そこで『週刊女性』は、数々の疑問について聞いてみることに。

 問い合わせた内容は、

・STARTO社始動の正確な日付と、始動によって変わること

・SMILE—UP.はどんな業務をいつまでやるのか

・各タレントの契約形態と、その公式発表予定

・ファンクラブの運営会社はどこなのかと、会員の個人情報の扱い

・ジュニアの制度は今後どうなるのか

 といった内容。多くの質問を投げかけたが、広報窓口は、

「現時点でお答えできることはございません」

 と答えるのみだった。



 では、これからどんなことが変わって、どのようなことを継承していくのか。メディア研究家の衣輪晋一さんに予想してもらった。

「これからも続くこととして考えられるのは、先輩と後輩の関係性ではないでしょうか。SUPER EIGHTの横山裕さんや大倉忠義さんがジュニアを可愛がって育てているように、育成の体制を強化してジュニアのデビューが加速するかもしれません。また、HiHi Jetsや美 少年は、まだジュニアなのが不思議なほどの人気と実力ですし、そろそろデビューするのではないでしょうか」(衣輪さん、以下同)

 また、新たな活躍の場も考えられるという。

「堂本光一さんも後輩思いですから『SHOCK』シリーズが幕を閉じたあとにジュニアが出演する舞台を新たに作る可能性もあると思います」



 一方で、大きく変わる可能性があるのが、デジタル技術の活用だという。STARTO社は《DX化》《グローバル展開》《メタバース市場参入》の3つを新たな挑戦として掲げている。

「今まではアナログに振り切っていましたが、デジタル技術は積極的に取り入れると思います。サブスクの解禁をはじめ、NFT(コピーや改ざんのできない資産価値のあるデジタルデータ)を活用して限定コンテンツを発信したり、メタバースの技術を使って、会場に行かなくてもコンサートの疑似体験ができるようにしたり……。生成AIで、ファンの名前を呼んでくれるようなサービスなども生まれるかもしれません」

期待される“メンズアイドル改革”

 だからといって“安売り”するわけではなく、

「既存のファンを離してしまったら意味がないので、ファンが“ファンであること”を誇れるようなブランディングを考えていくと思います」

 こうした変化によって、“メンズアイドル改革”を推し進めるという。

「このところ、インディーズのメンズアイドルグループが事務所の垣根を越えて楽曲をリリースするなど、メンズアイドル業界が盛り上がりを見せています。彼らが進む最先端を、これまでのノウハウと資金力があるSTARTO社が牽引して、どんどんメンズアイドルグループが活躍する時代になるのではないでしょうか。そしてメンズアイドルグループへの“推し活”がさらに勢いを増して、業界全体が盛り上がると思います」



 その先には、大きな可能性も秘められていて……。

「実は今、世界では日本への注目が集まっているんです。真田広之さんがプロデュースしたドラマ『SHOGUN 将軍』がヒットしたこともあり、欧米では世界から見た、これまでの“日本像”を改めて掘り起こそうという動きが生まれています。その流れに乗って、パフォーマンスも演技もコメディーもできる日本独自のメンズアイドルグループが、アニメやマンガ、ゲームに続く日本のカルチャーとして、欧米に届くというのが、いちばんの理想ではないでしょうか」

 そのために、今後STARTO社が自覚すべきことは、

「“人気だけじゃやっていけない”ということです。ここ最近Snow ManやSixTONESなどのパフォーマンスを見ると本格的になってきていますが、それ以外の部分も実力をつけなければ、人気だけのアイドルで終わってしまいます。それでは韓流に負けてしまう。今の旧ジャニーズのタレントに足りない部分はそういったところで、今後の課題になると思います。人気だけで許される時代は過ぎ去ったので、実力を高めていくことが必要でしょう」

 “スタート”したばかりの新体制に期待したい!

衣輪晋一(きぬわ・しんいち)メディア研究家。書籍『見てしまった人の怖い話』『さすがといわせる東京選抜グルメ2014』、バラエティーやドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中

週刊女性PRIME

「ジャニーズ事務所」をもっと詳しく

「ジャニーズ事務所」のニュース

「ジャニーズ事務所」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ