遠見の角に好手あり!藤井聡太竜王・名人、一発で流れを作る絶品角打ちに解説者も惚れ惚れ「いい手ですねー!」/将棋・ABEMA地域対抗戦

2024年4月17日(水)12時0分 ABEMA TIMES

 格言通りの「遠見の角に好手あり」に解説棋士も惚れ惚れだ。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」本戦トーナメント決勝、関東B 対 中部が4月13日に放送された。第3局は関東B・永瀬拓矢九段(31)と、中部の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)という好カード。タイトル戦級の対局で、藤井竜王・名人がキレを見せたが、終盤に放ったのが▲9六角という好手。思わず解説を務めていた棋士から「いい手ですねー!」と絶賛のコメントが飛び出した。

【映像】驚異の一撃!藤井聡太竜王・名人が放った「遠見の角」

 この両者といえば、藤井竜王・名人がデビューして依頼、研究パートナーとなって研鑽を積んできた間柄。両者ともにタイトルホルダーになってから対戦することもあり、現在の将棋界におけるトップランナーだ。この地域対抗戦でも戦うことを楽しみにしていたようで、永瀬九段は対局前に「藤井さん対策でちょっと違うことをやってみるつもり」と、作戦を用意していることも明かしていた。

 藤井竜王・名人の先手で始まった一局は、相居飛車で藤井竜王・名人が急戦模様、永瀬九段が雁木に構えつつ、本来守りに使う金をどんどんと前に出していく珍しい戦法を採用。解説していた三枚堂達也七段(30)も「攻めの金だったんですね。先手から見ると嫌な攻め方をされている」と指摘した。

 形勢としては互角ながら、撹乱した分、序中盤は永瀬九段のペースで進んだと思われたが、混沌とした状態で進むと徐々に藤井竜王・名人の底力が発揮されることに。大駒がめまぐるしく交換される中、62手目に永瀬九段が△3一飛と藤井陣の最深部に飛車を打ち込んだが、次に藤井竜王・名人が放ったのが▲9六角だった。

 聞き手を務めた本田小百合女流三段(45)が「こういう遠目の角、わからないです」とレベルの高さに笑いが出てしまうほどの手だったが、続いて三枚堂七段は「いい手ですねー!これは。攻防に効いている」と絶賛。さらに超早指し戦の中で、この手にたどり着けたことに「これを数秒で打てるのがすごい。受けの面でも複数の意味がある。攻めにおいても受けにくい。一発でかなりペースを握りました」と、さらに称えた。

 攻防一体の手で、完全に主導権を握った藤井竜王・名人は、永瀬九段の粘りも許さず、そのまま快勝。さらに第4局以降も勝ち続けると、4連勝でそのままチームを優勝に導いた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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