藤井聡太叡王 タイトル戦連勝16でストップ!歴代最多タイならず「仕方ないかなと」伊藤匠七段に初黒星

2024年4月20日(土)18時24分 スポーツニッポン

 藤井聡太叡王(21)=王将など8冠=が挑戦者に同学年の伊藤匠七段(21)を迎える第9期叡王戦5番勝負第2局は20日、石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」で行われ、伊藤匠七段が87手で藤井叡王にプロ入り後初勝利を飾った。藤井叡王はこの敗戦でタイトル戦連勝が「16」でストップ。大山康晴15世名人が1961〜62年度に達成した歴代最多記録に並ぶことはできなかった。これで対戦成績は1勝1敗の五分に。互いに勝てば王手がかかる第3局は5月2日、愛知県名古屋市中区「名古屋東急ホテル」で行われる。

 ここまで藤井の1勝で先手は伊藤。戦型は後手藤井の3三金型早繰り銀に進んだ。公式戦438局目で藤井の採用は初めて。藤井は10手目、得意の角換わり腰掛け銀では定跡化された角交換ではなく、角を3段目へ上がった。藤井が10手目、3段目へ角を上がるのは公式戦初で、変化球を投じた。

 その後、角交換で手順に上がった後手の金は先手の桂跳ねで狙われやすい位置にある。悪形とされるが、先手も角を3段目へ上がった後の角交換。2手を費やした形となり、釣り合いが取れている。33手目、銀交換が起き、さらに伊藤が手持ちの角を藤井陣へ放って休憩に入った。持ち時間4時間から伊藤が1時間38分、藤井が1時間21分消費した。

 終盤に向け千日手の可能性も解説で話される中、藤井の一手で形勢が動いた。「もう少し工夫が必要だった」と振り返った一手で劣勢に傾き、そして伊藤の87手に藤井が投了。伊藤は初勝利で1勝1敗とした。藤井はしっかりとした口調で終盤について「失敗してしまったかなと思っていた」と回想。「違う勝負手を掘り下げるべきだったと思います」と敗戦の弁。大山康晴15世名人に並ぶことができずタイトル戦連勝が「16」で止まったことについては「仕方ないかなと思っています」と淡々と語った。

 昼食は伊藤が「アパ社長カレースペシャル〜能登豚オリジナルミルフィーユカツと春野菜〜」とアイスティー、藤井は石川炙り寿司と小松うどん(冷)と加賀棒茶(ホット)だった。

 伊藤は待望の初勝利で、藤井戦通算成績を1勝11敗1持将棋(引き分け)に。「勝つことがなかったので、一つ結果が出たのは良かった」と語った。2002年生まれ同士の同学年頂上対決は来月2日に大一番となる第3局を迎える。

スポーツニッポン

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