「不適切にもほどがある」ギャラクシー賞月間賞 まず1冠!選評も絶賛「怪作」「荒業」劇中台詞が現実に

2024年4月22日(月)12時5分 スポーツニッポン

 放送批評懇談会が選ぶ「2024年3月度ギャラクシー賞月間賞」が22日に発表され、俳優の阿部サダヲ(53)が主演を務め、1月クール最大の話題作となったTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜後10・00)が受賞した。ドラマ各賞総なめの可能性もあるが、まずは1冠を獲得した。

 宮藤官九郎氏がオリジナル脚本を手掛けたヒューマンコメディー。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の宮藤氏&阿部&磯山晶プロデューサーが「タイガー&ドラゴン」以来19年ぶりにタッグを組んだ。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与えた。

 毎回、昭和と令和のギャップなどを小ネタにして爆笑を誘いながら、「多様性」「働き方改革」「セクハラ」「既読スルー」「ルッキズム」「不倫」「分類」、そして最終回は「寛容」と社会的なテーマをミュージカルシーンに昇華。コンプラ社会に押し付けがましくなく一石を投じる宮藤氏の意欲的な筆が冴え渡り、SNS上で大反響を呼んだ。

 第5話(2月23日)、不倫疑惑を調査されているとは知らずにEBSテレビに呼ばれた八嶋智人(本人役)は「何、何、どうした?(劇中、MCに就任した土曜午後の情報番組『プレサタ』が)ギャラクシー賞獲った?早いか!」。“台詞が現実になる”“予言的中”の形になった。

 選評も「昭和から令和へと時間をかけてアップデートされてきたナーバスな問題や価値観を、両時代からの複眼で見つめ直してコメディーに昇華した怪作。笑うに笑えない課題を笑いの場に引きずり出し、クドカン流の言語化で提示する荒業は毎回スリリングだった。『寛容になりましょう』という呼び掛けの行方を見届けたい」と絶賛、脱帽した。

 「ギャラクシー賞」は放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するため1963年に創設。活動の一環とし、自主的に番組を推奨する「月間賞」を選定している。

 同月度は「NHKスペシャル『語れなかったあの日 自治体職員たちの3.11』」(NHK)「世界の春日プロジェクト」(NHK)「NHKスペシャル 未解決事件 File.10『下山事件 第1部 第2部』(NHK)も受賞した。

スポーツニッポン

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