【インタビュー】『ママレード・ボーイ』なぜ今、実写化?原作者&監督が語る“普遍性と神キャスト”

2018年4月25日(水)10時0分 シネマカフェ

『ママレード・ボーイ』(C)吉住渉/集英社 (C)2018 映画「ママレード・ボーイ」製作委員会

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シリーズ累計1000万部突破する人気少女コミックを実写映画化した『ママレード・ボーイ』が、いよいよ公開となる。1992年〜1995年に雑誌「りぼん」で連載された原作は当時の女の子たちを大いに魅了したが、20年以上の時を経て、なぜ2018年に実写化が叶ったのか? 原作者の吉住渉とメガホンをとった廣木隆一監督を直撃した。

主人公となるのは、同い年の高校生・光希と遊。お互いの両親がお互いのパートナーをチェンジしたことで、ひとつ屋根の下で暮らすことになった2人が次第に惹かれ合っていく姿を描く。両親がパートナーチェンジをするという大胆な設定、光希と遊の体験する恋のトキメキと切なさが話題を呼び、アニメ化も実現。連載当時少女だったアラサー世代にとっては“忘れられない名作”のひとつで、「実写化してほしい少女漫画は?」との市場調査ではダントツのトップに名を挙げられるほど。


原作者・吉住渉、実写化オファーあるも「一度も断ったことない」
これまでにもさぞや実写化のオファーがあったのでは? と想像するが、「これまで台湾では一度ドラマ化していただいたことがあります。日本でも『ドラマ化したい』と何度かお話をいただいたことがあるんですが、成立したことがなくて。なぜだかいつの間にか話がなくなってしまう(笑)。私自身は、一度も断ったことはないんですよ」と吉住先生。実写映画化が始動したのは「『ママレード・ボーイ little』を描き始めたことが大きかったのかなと。『little』で『ママレ』のことを思い出してくださった方もいると思います」と2013年から『ココハナ』で連載スタートした続編の存在が大きいと語る。


また「当時『ママレ』の読者だったのは、小学校6年生から中学校1年生くらいの女の子たち。いまではみなさん大人になって、映画のスタッフや取材などでお会いする方も『読んでました』と言ってくださる方が多くて。思ったより有名なんだなって」と笑顔交じりに語るように、当時のファンがいまや製作側となり、“次の世代へと伝えたい作品”として取り上げている部分もあるのだろう。

■監督・廣木隆一「少女漫画ってなんだろうと思わせてくれる」


『ストロボ・エッジ』『PとJK』など少女漫画の実写化も手がけてきた廣木監督は「少女漫画ってなんだろうと思わせてくれる、僕の中での原点」と本作について語る。「『ママレード・ボーイ』以前の少女漫画は、もっと特異な世界や空間を描いていたと思うんです。一方『ママレード・ボーイ』の原作は、学校に通ってクラスにかっこいいヤツがいたり、笑わせてくるヤツがいたりと、きちんと等身大の日常を描いている作品だと思いました」。


そんな中「これは親と子の話でもある」と認識した廣木監督。「原作を読んだときに、少年少女の恋の話でもあるけれど、“親がいるからこそ、子どもがいるんだ”と感じさせてくれる作品だと思いました。恋することを知って、次に愛することを知る。そして子どもが生まれるんだということまでを描いている。それって、いつの時代にも通じる普遍的なことですよね。携帯やスマホなど使うツールが変わっても、いまでもまったく変わらずに伝わるものがある」と原作に流れる普遍性に注目したという。

桜井日奈子吉沢亮のキャスティングがピッタリだった


主人公の光希と遊には、桜井日奈子と吉沢亮を迎えた。吉住先生は「2人ともきれいで演技もうまいし、すばらしかった」と大絶賛。「桜井さんはとにかくかわいくて! もともと大好きだったんです。当初は『光希を演じるには、ちょっとおとなしいかな?』と思って。CMで拝見する桜井さんからは、おしとやかなイメージがあったんです。でも劇中の光希を見ると、ぴったりでした。ショートパンツも似合っていて、もっと履いてほしい! と思いました(笑)」。


さらに「吉沢さんに関しては、実は『仮面ライダー』を観たときに『すごいかっこいい人だな』と思って。『遊が実際にいたら、こんな感じかもな』と思っていたんです。きっともう、7年くらい前ですよね。今回『遊は吉沢さんだ』と聞いて、ものすごい偶然だとびっくりしました。そう思った方にやっていただけるなんて、感慨深いです」とイメージ通りの遊だったのだとか。本作のプロデューサーも「吉沢亮の存在こそ、いま『ママレ』が実写化できる理由のひとつ」と語っていたが、吉住先生も廣木監督も「まさにそうですね」と大きくうなずく。

廣木監督は「感性が鋭い」と桜井さん&吉沢さんの印象を吐露。「光希と遊だったら、どんな感情になるのか。それを彼らの等身大の感性で表現してほしいと思っていました。2人とも若いので吸収力もあるし、撮影中にもどんどん光希と遊になっていくのがわかった。ものすごく面白かったですね。未知数の2人なので、これからどんなお芝居をしていくのかも楽しみです」。


吉住先生が「原作の着想としては、離婚して家族がごちゃごちゃしたりする話が好きなので、そんな話を描きたいと思っていました。光希と遊の悲恋にしようとも思っていましたし、遊は茗子とうまくいくようにしようとか…」と秘話を明かすと、廣木監督も「ええ!」とびっくり。「吉住先生は撮影現場にも来てくださったんですが、ものすごく楽しそうにされていて。うれしかった」と微笑むなど、なんとも心地よく会話を弾ませた2人。吉住先生は「我が子のように愛情をかけて描いた作品を、監督やキャストのみなさんも愛しながら映画にしてくださっているのが感じられて。すごくうれしかったです」と喜びを噛み締めていた。

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