和泉淳子 朝ドラ『虎に翼』を観て思う事。650年続く伝統芸能狂言の世界で初の女性狂言として
2024年4月27日(土)10時0分 婦人公論.jp
さくらの女王に選ばれた女性狂言師の和泉慶子さん(写真提供◎淳子さん 以下すべて)
現在放送中の連続テレビ小説『虎に翼』。ヒロインのモデルは、1940年に日本で初めて女性弁護士になった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんだ。伝統芸能である狂言の歴史はおよそ650年。その歴史のなかで初めて女性狂言師となった和泉淳子さんが、狂言の面白さや日本文化、家族のことなどを綴る
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新年度の始まり。新しい環境にそわそわドキドキ
こんにちは!
狂言師の和泉淳子です。
桜の便りも届き春らしい陽射しにとかされて、首も手足もほかほかとしてきましたね。そうなると心も軽くなってきて何だか嬉しい。
さて4月は新年度の始まり。
入社式に入学式。新しい環境にそわそわドキドキするのは、大人も子どもも一緒です。我が家の大っきい小さい君(2人姉弟の弟だけど、背丈とガタイは一族の中で一番大きい高2思春期男子)もクラス替えがあって、例に漏れず喜んだり残念がったり。
最近でこそ緊張よりも平常心、ドキドキよりもワクワクを感じて事に向かうのが主流と言われたりしますが、何せ「昭和」な私はついつい身構えてしまう。そうしなければいけない。きちんとしなくてはと思うのは、職業柄かも知れません。
史上初女性狂言師
職業といえばそう、この4月に始まったNHKの連続テレビ小説『虎に翼』も日本初の女性弁護士で後に裁判官になり、家庭裁判所の母と呼ばれた三淵嘉子さんのお話。自ら女性法曹の道を切り拓いたトップランナー的存在。
これは私個人的にもワクワクしないではいられない。私も“初”がつく肩書をいただく末端にいるから。「史上初女性狂言師」と呼ばれたりもするのです。
650年続く伝統芸能狂言の世界では、初めての女性狂言師なのです。前置きとして狂言に女人禁制のきまりはなので、私はシン・ゴジラのように何か壊したり破ったりはしていないので、どうぞ怖がらないで下さい。
女性狂言師の歴史は浅くまだ50年とすこし。
慶子さん(左)と淳子さん
娘の慶子(きょうこ)と姪が二代目を継いで修業に励んでくれています。修業の道に新年度は無いけれど、新年度に咲き誇る桜の狂言は数曲存在しています。
今年の桜はいつにも増して格別美しい
「今年の桜はいつにも増して格別美しいわねぇ」
とは母の和泉節子理事長の言葉。
母に言わせると、孫が第30代日本さくらの女王に選出されたのがとても嬉しいらしく、桜が輝いて見えるとの事。私以上に喜んでくれた姿を見て、間接的に親孝行できたようで私も嬉しい。これが喜びの連鎖なのか。
これから2年間、桜の国際親善大使として桜の愛護、育成、保全推進と国際交流のお役に立てるよう、平常心で頑張ってほしいと思うのでした。
(続く)
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